6月8日 月曜日。
今日は運命の日。
朝9時からは病院。
11時頃に会社に行き、退職の意思を伝える運命の日。
昨日は早めに睡眠薬を飲み今日に備えた。
嫁さんと一緒にまずは病院へ。
名前を呼ばれたが嫁さんがトイレに行っていたため、外待合で嫁さんを待ち、一緒に診察室へと入った。
調子はどうですか?と先生が聞く。
仕事のことを考えたり、会社が近づくと緊張感があります。
あ。あと、今日会社を辞めると言ってきます。
受け入れてもらえるかはわかりませんが、この休みでやりたいこともぼんやり見えてきたので、そちらの道に進もうと思います。
と、私は答えた。
そんなに焦って決めなくても良いですよ。
1ヶ月の休職で診断書を書きますから。
まずはゆっくり休むことが仕事です。
と言われ、以前拒否した診断書を発行していただいた。
嫁さんは家族として何かやれることはありますか?と先生に聞いた。
先生は
特にありませんが、話しを聞いて理解してあげてください。と言っていた。
つまり、自分の味方であることを伝えろ。ということなんだと思う。
確かに前述したように、私もたくさんの仲間に賛同してもらい、味方になってもらいとても楽になった。
やはり一番身近な人が味方でいてくれることはこの上ない幸せであるから。
常に白と黒の2種類しかない私の判断は、悩む時間、つまりグレーゾーンを嫌う。
いらないことまで妄想し始めるため、グレーゾーン中は悩むばかりで自分をさらに追い込んでしまうからだ。
その答えを早い段階で出すことにより、妄想して苦しむ時間を減らしたいのだ。
しかし、この判断は非常に危険で、私のように再就職先が確約していないのに辞めると、宙ぶらりんになってしまう。
おいおい書いていくが、この宙ぶらりんは私にとっては自分をダメにしていくことになる。
人それぞれだとは思うが、私の性格では上手くいかない可能性が高い。
今の恐怖から逃げ出したいことを優先にすると、未来への準備が十分ではない状態で新たな壁を乗り越えねばならなくなる。きっとそれはさらなる挫折を生みやすいと思う。その挫折はさらに精神を蝕むだろう。
だからこそ、グレーゾーンでゆっくりと歩くことが重要だと思う。
未来を変えるのはゆっくりとのんびりあることが、近道なのではないだろうか?
急がば回れではないだろうか?
まだ正解か不正解かがわからないので申し訳ないが、私としてはそう思う。
実際、その時は気がつかなかったが、グレーゾーンで歩いたことのない私に、先生が出してくれた休業願いの診断書が私の歩く方向を変えてくれた。
まずはゆっくり歩き、自分を見つめる時間が必要だとはこの頃の私は知らず、退職を伝えるために会社へと車を走らせた。