===> 宿根 フロックス <=== 2019年9月19日 学名…Phlox paniculata 和名…クサキョウチクトウ(草夾竹桃) 別名…オイランソウ(花魁草)、フロックス・パニキュラータ 科名…ハナシノブ科 属名…クサキョウチクトウ属(フロックス属) 原産国…北アメリカ 花色…白、ピンク、赤、赤紫、複色 草丈…50㎝~120㎝ 日照…日なた~半日蔭 難易度… USDA Hardiness Zone:4 to 8宿根フロックスとは宿根フロックスは、ハナシノブ科フロックス属(クサキョウチクトウ属)の多年草です。フロックス属の植物は北米を中心に67種が分布していますが、宿根フロックスとして流通するのは一般的に、北アメリカ原産のフロックス・パニキュラータ種(Phlox paniculata)です。パニキュラータ種は、東部および中央アメリカに分布しており、河川沿いの雑木林や森林などに自生しています。美しい花を咲かせることから世界中で栽培されており、フロックス属の中では最も園芸品種の多い植物となっています。そのため、栽培を逸出したものが野生化し、現在ではアメリカ大陸の他、ニュージーランドなどでも帰化植物として定着しています。日本への渡来時期の詳細は不明ですが、江戸時代の書物に登場することから、栽培の歴史は古い植物と言えます。クサキョウチクトウの和名を持ちます。宿根フロックスの花期は6月~9月。花期になると、直立した茎の頂部に、円錐状の花序を出し、花径2~3㎝程度の花を多数咲かせます。花は細く長い花筒の先が5裂した筒状花で、キョウチクトウに似ており、花序は大きく華やかです。花色は白、ピンク、赤、赤紫、複色など。花後に切り戻すと、再び花を咲かせます。花の少ない真夏の時期に長期間咲く花は、夏花壇の定番となっています。▼宿根フロックスの花葉は長さ10~12㎝程度の披針形で、直立した茎に十字対生に付きます。草丈50~120㎝程度と大きく成長するので、群生させると抜群の存在感を放ちます。▼宿根フロックスの葉耐暑性は品種によりやや異なります。暑さに弱い品種だと夏に葉が枯れこむこともありますが、強い品種を選べば暖地で一日中日が当たるような場所でも問題なく育ちます。耐寒性は高く戸外での冬越しが可能です。冬に地上部が枯れて宿根し、春に再び芽吹きます。名前の由来和名の「クサキョウチクトウ」というのは、葉っぱの形や花がキョウチクトウに似ていることに由来します。別名の「オイランソウ」というのは、華やかに咲く様子を花魁の姿に見立てたこと、また、花の香りが花魁の白粉の匂いに似ていることから付けられました。「オイランソウ」の名前で呼ばれることの多かった宿根フロックスですが、近年では「花魁」という名前のイメージがあまり良くないということで、「宿根フロックス」の名前を使うことが多いようです。関連記事宿根フロックスの育て方栽培環境日なたから半日蔭の場所まで適応します。風通しが良く、水はけの良い場所が適しています。日当たりを好みますが、真夏に強い西日が当たる場所だと葉が枯れこんでしまうことがあるので、暑さに弱い品種は西日が当たらない場所に植えて下さい。※耐暑性の高い品種は、一日中強い日差しが当たっても枯れこむことはありません。夏越し、冬越し夏越し葉が枯れこむようなら、鉢植えの場合は半日蔭に移動して下さい。冬越し地上部が枯れたら株元を少し残して、切り戻して下さい。耐寒性は高く、特に対策無しで庭で冬越し可能です。根まで凍ってしまうような寒冷地の場合は凍結対策を施して下さい。水やり庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。肥料どちらかと言うと肥沃な環境を好む植物です。庭植えの場合は、元肥として堆肥や腐葉土、緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。追肥の必要はありませんが、毎年春の発芽前に同様の肥料を株間にすき込むようにして下さい。鉢植えの場合は、3月~6月、9月~10月の期間に、緩効性化成肥料を定期的に施して下さい。植え付け、植え替え適期は春の3月~5月、秋の10月です。植え付け庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。さらに元肥として、堆肥や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。株間は30㎝~40㎝程度です。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。植え替え鉢植えの場合は、1~2年に一度、植え替えを行います。一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。庭植えの場合は、3年位経つと大株になって株が込み合って来るので、株分けを兼ねて植え替えを行います。摘心と切り戻し摘心草丈が15㎝程度の頃に摘心をすると、脇芽が増えてたくさんの花を咲かせます。切り戻し花が一通り終わったら花首の所で切り戻してやると、返り咲きを楽しむことが出来ます。増やし方(株分け、根伏せ)株分けと根伏せで増やすことが出来ます。株分け適期は春の3月~5月、秋の10月です。植え替え時に株分けをして植え付けて下さい。あまり小さく分けず、1株に5芽程度が付くようにに分けると生育も良く元気に育ちます。根伏せ植え替え時に株を掘り上げたら土を洗って落とします。元気な若い根を選んで、7~12㎝程度の長さに切り取ります。根の先端部分を切り落として、用土の入ったポットや箱に寝かせた状態で埋めて下さい。水を切らさないように明るい日陰で管理して発芽を待ちます。病気、害虫うどんこ病葉や茎が白い粉をまぶしたように白くなります。初期であれば、白い粉の部分を完全にふき取ることで対処することが出来ます。その後、うどんこ病に効果のある薬剤を散布するなどして再発の防止に努めて下さい。株が込み合って風通しが悪くなっていたり、肥料不足や日照不足になると発生が多くなります。良い環境を整えて、発生を抑制して下さい。-多年草・宿根草-香り