さあ、今回からエンジン全開でぶっ飛ばします!!

もうこうなると、別ブログで書いた記事の加筆・修正版どころの話ではありません😅

私の場合、ほぼほぼ主観で記事を書いておりますので、大分偏った内容になると思いますが、お許しを。

それから、ブログのタイトルを、もともと前回の記事のタイトルにしていたものに変えました。

理由は後程説明します。

 

さて、まずはこの歌詞をご覧ください。

これを見て、どんな歌手が歌っていると想像しますか?

 

la la la 手を広げて この大空へ

まぶしい青さは きっと変わらない

白い雲が笑いながら 手をふる

もぎたての果実 甘くてすっぱい思い出

 

私の場合、文句なしに松田聖子さんを思い浮かべます。

これは聖子さんの1、2枚目のシングル、『裸足の季節』『青い珊瑚礁』の世界、そのものではないですか!

でもこの曲を歌っているのは沙也加さん。

そして作詞も、もちろん沙也加さんです。

 

 

沙也加さん、思いっきりアイドルしてますね~^^

 

ご本人がどう感じていたかはわかりませんが、沙也加さんには人の気持ちをパッと明るくさせるような部分も、確かにあったと思います。

「アナと雪の女王」のアナは、その代表格ですね。

 

この曲、『How do you do?』は、沙也加さんのデビューシングルのカップリング曲で、作曲は原田真二(Shine名義)さんなんですよ~。

 

 

沙也加さんの歌声が爽やかでいいですね~、こういう太陽のような沙也加さんも、大好きです!!

でも今改めて聴くと、ちょっとしたフレーズにグッときちゃったりして。

 

強くはないけど けして弱くない

君が1人歩いてきた道

今日も 昨日も 誇りに思う

 

うんうん、本当にそう思います・・・。

 

そして今回は、そのデビューシングルのお話。

 

 

2002年5月、沙也加さんはついに歌手デビューをします(SAYAKA名義)。

実質的には、「ここから始まった」と言っていいと思います。

 

曲は『ever since』。

名曲だと思います。

 

 

この曲を初めて聴いた時、まだ拙さを残す歌唱でしたが、何と言っても歌声が綺麗でしたし、沙也加さん自身が作詞をしたと聞いて、まだ15歳でこんな詞を書けるのか、と驚きました。

ついこの間まで赤ちゃんだったはず(人の家の子は早く育つように感じるものです)の沙也加ちゃんが、こんなに立派に・・・、っていう感慨もありましたし(オッサンですね)。

 

この曲のキーワードは“夜”。

希望を見出すような曲なのに、光よりも“夜”。

でも、だからこそ、強くなれる。

“夜”の暗さを、“夜”の怖さを、“夜”の悲しさを、“夜”の孤独を、知っているから。

 

先程の『How do you do?』の太陽のような沙也加さんとは、対照的ですね。

 

そして作曲はthe brilliant green(以下ブリグリ)のメンバー奥田俊作さん。

そう言えば沙也加さん、TRUSTRICK(以下トラトリ)時代のインタビューで、「今の自分を作り上げたルーツとなった曲」を5曲挙げています。

 

 

その中にブリグリの「angel song-イヴの鐘‐」という曲がありました。

 

 

ルーツになった曲です。当時よく聴いていました。

デビューするときに適正テストみたいなのがあったんですけど、アイドルっぽい曲とかすごく重い曲だったり、いろんな曲を歌ってみた中で、当時のレコード会社の人がこっちの路線のほうが一番声に合うっていうことで、この音源をお送りして、ブリグリさんに聴いていただいたんです。

 

あ~、なんかわかるなあ・・・。

ブリグリの曲調とか醸し出している雰囲気とか、何となくですが沙也加さんに合っている感じがします。

沙也加さんの透明感溢れる声でこの曲を歌ったら・・・、妄想してしまいます。

 

それにしても、デビュー曲でブリグリのメンバーに作曲してもらうなんて、やっぱり恵まれた環境であったのは間違いないと思います。

沙也加さん自身も、その点については十分感じていたのでしょう。

貼付したのは、2018年5月9日の沙也加さんのブログ記事です。

 

 
沙也加さん、自身のデビュー記念日に結婚をしていたのですね。
それだけこのデビュー曲に思い入れはあったのでしょう。
 

音楽面で言いますとTRUSTRICKというプロジェクトが最新にして、いちばん意思を持ってやっていたとは思うのですが、

デビュー曲も恐ろしく恵まれた環境でした。

15歳の今日、「ever since」という、the brilliant greenの奥田俊作さんが書き下ろしてくださった素晴らしい楽曲でデビューしました。

歌わせていただく機会はしばらく無かったのですが、いつまでも大好きな、大切な宝物です。

 

これは嬉しい言葉です😊

成長した沙也加さんが今この曲を歌ったら・・・、なんて夢想したりもしましたが、そんな願いも叶わぬ夢となってしまいました。

 
『ever since』。
それ以来。
その後ずっと。
 
それはつまり、どこかに起点があって、そこがスタートになっている、ということ。
それは何時なのか?
 
物心ついた時?
自分の(特殊過ぎる)環境に気付いた時?
芸能界で生きていこうと心に決めた時?
それは一つの出来事ではなかったかもしれません。
きっと沙也加さんにとっていくつかのターニングポイントがあって、それぞれの決心があったのかな?って。
そしておそらく、何か辛い出来事があって、あるいはずっと悩み続けてきたことがあって、そこから立ち上がろうと決心した時。
 
 
あるいは沙也加さんのことだから、歌手デビューをする今この瞬間を、未来の自分が振り返った時の視点で書いているのかも・・・(これは私の妄想です)。
成長した自分が、後にそうやって振り返ることができる出発点にしよう、という決心。
実際、デビュー10周年記念アルバム『LIBERTY』に、あえて再録もせずこの曲を収録したんですよね。
デビュー当時の歌声のままで。
 
この曲のMVも、今回改めてじっくり観ましたが、本当によくできてるなあ~。
っていうか、じっくり観ると深いです。
多分ですが、このMVの制作段階で、沙也加さん自身の意見も相当入ってるんじゃないですかね。
 
*20224.24追記

このPVで、沙也加さん自身も話していましたね。

 

自分でノートにイラストを描いて、それを監督に伝えて何度も打ち合わせをしたそうです。

 

 

このMVには、何人かの沙也加さんが出てきます。
髪をポニーテールにした少女っぽい沙也加さん(少女沙也加)。
大きな木の前に立っている沙也加さんと、水面に佇んで歌っている沙也加さん(妖精沙也加)。
三つ編みにジーンズの沙也加さんと、黒いミニスカートにブーツの沙也加さん(大人沙也加)。
そしてバックの壁の写真が、建物や道路といった人工的なものと、空や雲や花といった自然とで区別されています。
 
このMVで歌を歌っているのは「大人沙也加」の二人と「妖精沙也加」のうちの一人です。
きっと、「大人沙也加」が現在の、あるいは未来の沙也加さん。
「大人沙也加」の衣装や髪型、バックの写真が違うのは、「昼」と「夜」のように、表と裏で違う二人の沙也加さんを表現しているのかもしれません。
 
 
「少女沙也加」は、まさしく起点となった沙也加さんですね。
立ち上がろうと決心した時。
そして前に進み始めた時。
 
「妖精沙也加」は、彼女の心の奥深い場所に漂っている沙也加さん。
その中でも、「静」と「動」の二人の「妖精沙也加」がいて、「動」の方が歌っています。
後に沙也加さんは、自分の精神の奥底へと旅しているような歌詞を書くようになりますが、この時すでにその片鱗が見えています。
 
そしてこのMVは、走っている「少女沙也加」がふと立ち止まり、後ろを振り返るところから始まります。
それは、過去の自分を振り返り「ここがスタートなんだ」と確信しているのか、自分の心の声が聞こえて立ち止まっているのか、それとも「過去」ではなく「未来」を見据えているのか・・・。
 
たまらないのは、それぞれの沙也加さん(少女、夜、動)が、胸の前で手を合わせているところ。
言うまでもなく、「あの時咲いた花」を胸に抱いているんですよね。
「夜」と「動」の沙也加さんが、心のバリアーを外した沙也加さんなのかな、って勝手に想像しています。
 
こうやって観ていると、それぞれの沙也加さんにそれぞれの決心があって、それが『ever since』=「それ以来、その後ずっと」なんだ、っていうのがよくわかります。
 
 

ここなんか、まさしくこれが「神田沙也加」って感じで、聴く度に毎回涙してしまいます。

泣くようなところじゃないんですが。

 

どんなものにだって 耳をすまして歩く あらゆるものに
気づくことができるように 失わないように

 

そうそう。

そうやって、ぞれ以来、その後ずっと、ひたすら自分を磨き上げてきたんです、沙也加さんは。

だからこそ、あらゆる才能が開花したんだと思います。

 

要するに『ever since』は、神田沙也加の原点でありルーツ。

だからこのブログのタイトルにも、『ever since』という言葉を入れました。

 
で、先程の「今の自分を作り上げたルーツとなった曲」の話に戻ります。
沙也加さんが挙げた曲は、沙也加さんの音楽的な意味でのルーツを辿っていく上で興味深いものですが(他の曲についてはまた触れる機会があると思います)、その5曲中1曲だけ、音楽的というより、人間・神田沙也加のルーツとも言えるような曲があるんです。
 
speenaというバンドが2003年に発売した「タナトス」という曲。
まずはこちらをご覧ください。
バンド自体は2008年ぐらいから活動をしていないのかな?
これは発売から17年経った2020年のライブみたいですが、この時ボーカルのカナコさんが、こんなことを話してくれています。
 

 

次は「タナトス」という曲を歌うんだけれど、これは元気が無いというか、だいぶ、だいぶ悲しいことがあった女の子を、何とか元気づけてあげたくって作った曲で。
でもなんかみんなあるでしょ?色々ね。
悲しいこととかね。
でもなんかそういう時に彼女を見てて、「あ~でも、ちょっとじれったい」みたいな。
もうそういう、ダメな自分を殺してしまったらいいんじゃないか、っていう感じで作った曲です。
 
・・・そうなんです。
元気が無くて、だいぶ悲しいことがあった女の子。
それは沙也加さん。
 
沙也加さん、この曲についてこんな風に話してくれています。
 

speenaは今活動していないアーティストなんですけど、ボーカルのカナコちゃんが、小さい頃からお姉ちゃんのようにすごく仲良くしてくれていて。

この「タナトス」は私に向けて書いてくれた曲だったんですよ。

今でも何かあったときに、思い出したり口ずさんだりするんですけど、公的に発信する曲を、名指しで“あなたに書いた”とするのは、すごく勇気がいることですよね。

「タナトス」って死の意味を持つんですけど(ギリシャ神話の「死」の神)、引きずっているものとかトラウマとか、そういうものを殺して先に行けっていうメッセージを(カナコから)もらっていて、「本当にこんなプレゼントないな」って思います。

カバーをやりたいっていう想いもあるんですよね。

 

これって、どの程度認知されている話なんでしょうか?

この曲の二つの動画のコメント欄にも、これは沙也加さんに向けて書いた曲だ、というようなコメントも無かったし、Wikipediaにも書かれてないですし。

カナコさんが沙也加さんにだけ伝えていた話なのかな?

それともファンの間では知られていた話なんでしょうか?

いずれにしても、2020年にカナコさんがこんなMCの後にこの曲を歌っているということは、その思いを今も持ち続けてくれている、ということなんでしょう。

(沙也加さんの訃報を知った時の悲しみは、どれ程のものだったのでしょうか・・・)

 

この曲が発表されたのは、2003年。

沙也加さんが『ever since』でビューしてから1年後ぐらいの時期です。

カナコさんは小さい頃から沙也加さんのお姉さんのような存在だったようなので、一体どの時期の沙也加さんへの思いを歌っているのかはわかりませんが、沙也加さんを長年見てきて、ずっと感じていた思いだったのかな、って想像します。

沙也加さんを作り上げたルーツとなった曲なんですから、沙也加さんの心に深く寄り添っているのは間違いないですし、この曲を発表した2003年は、沙也加さんを励ましたい気持ちが強い時期だったのかもしれません。

 

そんなことを思いながら改めてこの曲を聴いたら、涙が止まらなくなりまして。

この曲って、(勝手ながら)自分が沙也加さんに伝えたかった思いが詰まっているんです。

 

そう、「大丈夫、大丈夫、大丈夫だよ、沙也加ちゃん」って。
伝えたかった・・・。

 

 

「タナトス」

作詞・作曲:カナコ

編曲:speena・上田ケンジ

 

嘘つきでも 不細工でも かまわないよ
誰かが必要としてるなら
そのかわりに うちについたら あたしにだけは
隠したりしないで ちゃんとみせて

言いたい事は そう多くはないんだ
確かなものは 目の前に
ただ目の前にある 君の呼吸

アイとヒカリ そして 適度に哀しみを乗せ
つりあわそう かたむかないように
ココロごとゆらしてやまない あなたといる日々
すこしくらい まちがえても大丈夫 なおそう

あなたが欲しい ふたつの場所 交わらない
欠けたら消えそうで こわいんだ
同じベッドに 一緒に入れば
誰も来ないよ 今だけはそのままでいれるでしょ

ひとつなら あたしがわけてあげるから
あなたはその手で あなたを体ごと愛せる力を持て

アイとナミダ そこに 君の歌声は響き
透明な朝に向かってゆくんだろう
愛しいぬくもりでできてる あなたといる日々
くりかえそう あきるくらい何度だって 放とう

アイとヒカリ そして 適度に哀しみを乗せ
つりあわそう かたむかないように
ココロごとゆらしてやまない あなたといる日々
すこしくらい まちがえても大丈夫 なおそう
 
繰り返そう
大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫
 
この曲を聴いていると、当時の沙也加さんの悩み、苦しみ、葛藤みたいなものが伝わってきますね。
それを自分の心の中に閉じ込めていることも。
 
それに対して、カナコさんの温かいメッセージは、まるで沙也加さんを優しく包み込んで抱きしめてくれているよう。
背中を優しくさすりながら、大丈夫、大丈夫だよ、って。
何て素敵なプレゼント😭
沙也加さん、こんなに素敵な理解者がいたんじゃないですか。
 
どんな夜も
ひとりじゃない
 
です。
 
本当に、この曲のカバーを実現させて欲しかった。
いや、するべきだった・・・。
 
 
この曲を聴いた後に『ever since』を聴いていたら、色々な思いが沸き上がってきました。
きっとカナコさんのメッセージは、沙也加さんにしっかり伝わっていたと思うし、その気持ちが『ever since』という曲からも感じられるんです。
発売順は逆なんですが。
 
「親の七光り」という評価に苦しみ、自分に自信を持てず(沙也加さん、あんなに美しい声なのに自分の声に自信が無いと言っていました)、完璧主義で人に弱みをみせることが苦手な沙也加さん。
高すぎる理想と今の自分とのギャップに苦しみ、「自分はどこへ向かえばいいのか?」と自問自答の日々・・・。
 
そんな中でもこの『ever since』の存在は、ずっと沙也加さんの気持ちを押し続けていたに違いありません。
「どれだけ願っても」その夜は訪れ、その度にその度に、「壊れかけた夢」を拾い集めて・・・。
 
カナコさんが「タナトス」という曲を通して沙也加さんに贈ったメッセージ。
 
あなたはその手で 
あなたを体ごと愛せる力を持て
 
どこまでも続く“夜”の中で、沙也加さんが沙也加さんを体ごと愛せる力を持つために咲かせた、心の花。
それが『ever since』。
 
『ever since』
作詞:SAYAKA
作曲:奥田俊作
編曲:松岡モトキ
 

 

あの時咲いた花を 胸に抱いたまま
歩き出せずにいた 道が見えなくて

いつの間にか この街から 光は姿を消して
どれだけ願っても また その夜が訪れるのなら

壊れかけた夢 拾いあつめたら そう 立ち上がって
ずっともう前だけを見て 進んでいけばいいよ
そして僕らのあいだを 駆けぬける “夜”は今
確かに何かの意味を持って 僕らを強くしてゆくんだ
きっと そんなものだから

あの夜独り言のように つぶやいた
君の言葉を忘れられなくて

“目指す場所は 遠くじゃなく 案外近くにあるね
何でもない明日 大切だって やっと気づいたから”

どんなものにだって 耳をすまして歩く あらゆるものに
気づくことができるように 失わないように
きっと胸の奥にある ほんの小さな勇気
強く抱き締めて僕は どんな雑踏も 時代(とき)も
生きていこうと思う

どんな夜も
ひとりじゃない
もう一度だけ 一緒に始めよう
“間にあわない” なんてない

壊れかけた夢 拾いあつめたら そう 立ち上がって
ずっともう前だけを見て 進んでいけばいいよ
そして僕らのあいだを 駆けぬける “夜”は今
確かに何かの意味を持って 僕らを強くしてゆくんだ きっと
 
あの時あなたが咲かせた花は
今もわたしたちの心に
咲き続けています。
 
今さらだけど、言わせてください。
 
それ以来
その後ずっと
走り続けてきた
沙也加さん
 

 

大丈夫

 

あなたは決して
どんな夜でも
ひとりじゃないから・・・