もう何年前になるだろうか。ルーキーズというドラマがヒットした。

 

 荒れた学校の荒れた生徒が教師と共に甲子園を目指す作品である。

 

 その当時、甲子園を目指す野球伝統校のコーチに「ルーキーズ」は好きかと

訪ねられた。

 

 私は好きではないと答えた。なぜか。

 

 甲子園を目指す高校生は「野球だけできればいい」のではない。

 あらゆる「高校生らしさ」を求められる。

 

 飲酒、喫煙、暴力はもちろんアウト。いじめ、非行行為アウト。

 

 行った本人だけでなく、場合によってはそのチームそのものの出場も危ぶまれる。

 

 ルーキーズに出てくる高校生のように、腹が立てば相手を殴る、ヘンな出で立ちをする

 生徒はまず、出場できないのだ。

 

 高校野球に出場するためには、野球の練習だけではなく、さまざまな忍耐が求められる。

 

 実際の高校球児をのがんばりを、隠しているようにさえ思えた。

 

 高校野球は神聖なものというイメージさえある。

 

 とても、高校生のことを一番に考えて行われているようには思えない。たぶん、高校生よりも

大人の方が高校野球が好きだと思う。

 

 誰にでも間違いや失敗はある。高校生は多感な時期で、野球を大切にしていたって腹が立つことも

あれば、さまざまな誘惑もある。日々精進しているが故のストレスもある。

 ADHDで、きちんと衝動をコントロールできないのかもしれない。いろいろな事情が

一人一人にある。

 

 チームメイトは仲間であり、ライバル。マウンドに上がることのできないピッチャーは沢山いる。

 

 だいたい名門校と呼ばれる学校の野球部には100人近い部員がいる。それも、みな中学時代は

できる選手と言われていたのだ。

 

 地区予選第2試合で負け、「楽しく野球ができました。」といった部員15名のチームの主将の笑顔を思い出す。