「……いや‥」
嫌なはずないのに
抱き寄せられて嬉しいはずなのに
ちょっと抵抗してみせる
「痛…」
貴方は力を抜かない
わかってるんだね
私が嫌がってないこと
そうだよ
こうして欲しかったんだモン
強く抱きしめて欲しかったんだモン
海を眺めながら
貴方の隣にいたのに…
こんなにそばにいたのに…
温もりを感じれなかったから
貴方のぬくもりを感じたかった
触れ合いたかった
ギュッてして欲しかった

「…ばぁ~か」
「…ん」
「何でもっと甘えないんだよ」
「だって…」
「ん?…だって何?」
「いつもくっつくと嫌がるやん」
「ばぁ~か」
「どうせバカだよ…」
「今,誰がいるんだよ!
今,甘えてこないで何してんだよ」
「うん…」
「うんって…おまえは…」
私は貴方にしがみつく
貴方が私を抱きしめているより
もっともっと強く
貴方の胸に抱きつく
「こうしたかったん
」「こうして欲しかったん
」嬉しくて…
子供のように貴方に抱きつく
貴方は大人で
いつも冷静なまなざしをしてる
時には感情がないようにさえ見える
いつも大人…
「こっち見て…」
「ん…」
貴方はそっと頬を寄せてきた
「冷たい!!」

「あたためてくれよ」
貴方から私に何かして欲しいなんて…
「いいよ」

私は貴方の冷たくなった頬を
自分の頬にくっつけた
そして貴方の頬に両手をあてた
「冷たいね」
貴方の頬は本当に冷たかった
私は頬にあてていた両手で
優しく貴方の髪を撫でる
細く柔らかな貴方の髪
外で見ると
光の反射でキラキラしてる
明るい色の髪
私は貴方の髪を撫でるのが好き
何度も何度も自分の指に絡めながら
貴方の髪を撫でる
もう一度,頬を触ると
貴方の頬はあたたかくなっていた
「あたたかくなってきたよ」
「もっと,あたためてくれよ」
貴方はそう言うと
私の頬に自分の頬を近づけてきた
頬が近づいてから
お互いの唇に触れるまで
時間はかからない
貴方は少し顔を傾けて
優しく口づけしてくれる
私はキュン
となる貴方の口づけが私をとろけさす
何度も何度も口づけを繰り返す
貴方の身体はしっかりと
私の身体にくっついて離れない
お互いの心臓の音が重なり合う
貴方の長い指が
私の頬から首筋へ流れる
私の指が
貴方の髪から背中をつたって腰へとどく
「好きだよ
」「うん,私も‥
」「ずっとこうしていたいよ」
「ずっとこうしていたいね」
貴方と私が言葉で交わしたのはこれだけ…
あとは
お互いの舌で語り合う
優しく
激しく
絡め合いながら
気持ちを確かめ合うように
いつまでも口づけは続く
いつまでも…
-紫音妄想日記-
ドライブ編<完>