日銀は19日に開いた金融政策決定会合で、購入する指数連動型ETF(上場投資信託)をTOPIX(東証株価指数)タイプに絞る決定をした。これを受け、同日は日経平均株価の主要銘柄であるファーストリテイリング<9983.T>やソフトバンクグループ<9984.T>が急落し、指数は一時前日比595円安まで大きく下落した。
日銀は長期金利(新発10年国債利回り)の許容変動幅の上下を従来の0.20%から0.25%程度に広げたほか、原則年間6兆円としていたETFの買い入れ目安を撤廃した。さらに、買い入れる商品の種類をすべてTOPIX連動のものにする。
日銀は株高を受け足元でETFの買い入れペースを落としており、3月の買い入れ額は18日時点で計1002億円(設備投資、人材投資型除く)にとどまる。このため「6兆円」の目安の削除は事前に想定されていたものの、日経平均タイプを購入しなくなる点にはサプライズ感があった。
日銀の日経平均型ETFの購入の恩恵を受けてきたファーストリテはこの日、一時前日比で6630円下落。ファナック<6954.T>やソフバンGも大幅に売られた。この日の日経平均の終値の下げ幅424円のうち、ファーストリテをはじめとするマイナス寄与度上位5銘柄だけで352円を占めた。
半面、非日経平均採用の東証1部株を買う動きがみられ、TOPIXは連日で昨年来高値を更新した。日銀は株高局面では購入を見送り、下落時に相場を支えるスタンスを明確にした格好だ。
買い入れ時のインパクトが見込まれる銘柄として、TOPIX500指数に採用されている非日経平均株のうち、25日移動平均の売買代金が少ないものを表にまとめた。セントラル硝子<4044.T>、サンゲツ<8130.T>、日本パーカライジング<4095.T>、東海理化<6995.T>、持田製薬<4534.T>などに注目したい。
日銀政策の主な変更点
原則年6兆円としていたETFの買い入れ目安額を削除
ETFはTOPIX連動のみ買い入れ、日経平均型を除外
上下0.2%程度としていた長期金利の許容変動幅を0.25%程度に拡大
TOPIX500採用の非日経平均銘柄のうち
25日平均売買代金が相対的に少ない銘柄
銘柄(コード) 19日終値
セ硝子<4044.T> 2400円
サンゲツ<8130.T> 1706円
パカライ<4095.T> 1247円
持田薬<4534.T> 4650円
キッセイ薬<4547.T> 2471円
東邦HD<8129.T> 2062円
ニッコンHD<9072.T> 2345円
大和工<5444.T> 3030円
東海理化<6995.T> 1999円
西鉄<9031.T> 3270円
西日本FH<7189.T> 837円
ダスキン<4665.T> 2863円
九州FG<7180.T> 529円
北陸電<9505.T> 739円
キヤノンMJ<8060.T> 2659円
中国銀<8382.T> 1010円
戸田建<1860.T> 859円
パイロット<7846.T> 3660円
ニッパツ<5991.T> 861円
八十二銀<8359.T> 432円
メイテック<9744.T> 6250円
アリアケ<2815.T> 6770円
伊予銀<8385.T> 743円
滋賀銀行<8366.T> 2493円
大同特鋼<5471.T> 5130円
ひろぎんHD<7337.T> 743円
アイカ工<4206.T> 4090円
アマノ<6436.T> 2772円
ほくほく<8377.T> 1143円
長瀬産<8012.T> 1814円
出典:モーニングスター社
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