7:48 配信
現在値 | ||
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AGC | 3,870 | +50 |
竹内製 | 2,770 | +10 |
オケストラ | 2,675 | +65 |
NOK | 1,432 | -1 |
野村不HD | 2,419 | -13 |
<日経平均3万円とワクチン接種開始>
鈴木一之です。外出自粛の毎日が続いていますが、時間はスピードを上げて過ぎているようです。今週も目まぐるしく事態は変わりました。
大きな変化は2つです。ひとつは日本でもコロナウイルスのワクチン接種が始まったこと、もうひとつは日経平均株価が3万円の大台に乗せたことです。
まずはワクチン接種の開始です。遅ればせながら日本でもようやくスタートしました。最初に医療従事者の皆さん2万人から始まり、そこから順次、対象が拡大してゆく予定です。
コロナウイルスの感染状況は変異種の拡大も相次いで報告されており、予断は許されません。それでも世界を見回すと、新規の感染者数は着実に減少しています。
世界最悪の米国でも、1カ月前は1日の感染者数は20万人を超える増加ペースでした。それが現在は1日で5-6万人の増加まで減少しています。
バイデン政権になってコロナ対策に全精力が注がれており、マスク着用の推奨とワクチン接種の効果があがっているようです。文字通り「ワクチン相場」のNY株式市場は最高値を更新し続けています。一次産品価格と金利の上昇ピッチが心配されるほどです。
日本でも株価上昇が続いています。ふたつめの変化として、15日に日経平均が3万円の大台に乗せました。30年半ぶりのことです。
30年間のマーケットを目撃してきた身としては感慨深いものがありますが、それでも現在の株式市場には高揚感は見当たりません。ある意味では非常に冷静です。
高揚感どころか現在の株価はバブルか、バブルでないかという議論が盛んに交わされています。そのような議論が交わされているうちはバブルではないと思うのですが、株価の上昇に現在の景況感の体感温度がそぐわないだけに議論が沸騰します。
<悪いニュースは良いニュース、その逆も・・・>
最新の経済統計で確認される足元の経済情勢はまずまずといったところです。今週は日本でも重要な経済統計の発表がありました。
ひとつは20年10-12月の機械受注です。船舶・電力を除く民需は前の四半期と比べて16.8%と大きく伸びました。6四半期ぶりのプラスです。11月時点での予想は1.9%の減少となっていましたので、それを大幅に上回っています。12月単月でも5.2%としっかりとした伸びを記録しました。
20年10-12月期GDP(国内総生産)も発表されました。こちらは前期比3.0%増(年率換算で12.7%増)となりました。7-9月期の年率22.7%増に次いで史上2番目の大きな伸びです。
ただしこれだけでは楽観できません。GDPに関しては日本経済研究センターが月次ベースのGDP統計を計算しています。そこでは10月が2.6%増、11月が0.4%増に対して、12月は0.4%減と7か月ぶりのマイナスとなりました。「GoToトラベル」キャンペーン停止の影響がてきめんに出ています。
機械受注に関しても1カ月早く公表される業界ベースの工作機械受注は、1月確報値で全体の伸びが9.7%増に対して、中国向けは13.7%減と5か月ぶりにマイナスとなりました。日本および世界経済はまだ本調子とはとても言えません。
それでもマーケット用に前向きにとらえることも可能です。「悪いニュースはよいニュース」、「よいニュースは悪いニュース」と言われるように、超金融緩和と財政政策の拡張が正当化される相場環境が戻ってきます。
皮肉にもコロナ危機が株価上昇を延命化させるのは事実であって、バブルとは状況が異なります。むしろこれまでが「いいとこどり」と指摘されるほど調整局面がなかっただけに、多少の押し目が欲しいところです。
それがこのところの上昇ピッチの速さを緩和させ、「適温相場」的な上昇基調に戻ることを促します。企業業績の発表は一巡し、製造業からの回復が確認されましたが、ここから1カ月間は材料不足に陥りやすい状況が続きます。その間に安定した上昇トレンドへの回帰を待っているところと言えるでしょう。AGC <5201> 、竹内製作所 <6432> 、オーケストラHD <6533> 、NOK <7240> 、野村不動産HD <3231> に注目しています。
出典:モーニングスター社
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