新型コロナウイルス感染対策の切り札として期待されるワクチンの接種が、日本でも17日から始まる。医療従事者を皮切りに、高齢者から一般人へと対象が広がる計画だ。ワクチンの安全性に対して疑問の声があるほか、接種現場での混乱なども予想されるものの、同ウイルスにおびえることなく生活できる環境に一歩近づくだけに、大きな進展なのは間違いない。関連銘柄に改めて関心が集まる。
14日に国内で米ファイザーのワクチンが承認され、欧米に約2カ月遅れて接種がスタートする。今後は3月中に医療従事者、4月からは高齢者と続き、その後に若年層を含む一般市民も投与を受けられるようになる。
一方で、短期間に多くの国民にワクチンを接種する試みは過去に例がない。体制はまだ万全とは言えず、特に懸念されるのが医師や看護師の不足だ。厚生労働省の集団接種モデルでは1日当たり医師が約1.1万人、看護師などは約2.8万人必要とされ、人材確保が焦点。また、接種会場における感染対策や、ワクチンの移動、保管時の冷凍設備の整備も課題となる。
ワクチン接種に絡んではこれまでに、低温輸送の「コールドチェーン」に関連してツインバード工業<6897.T>が大相場を演じたほか、医療廃棄物容器の天昇電気工業<6776.T>も物色されてきた。また、この日は、1つの容器から6回の接種ができる特殊な注射器を増産するニプロ<8086.T>が急騰した。
一方、医師不足の解消に絡んでは、医療業界向け人材紹介で高シェアを誇るエス・エム・エス(=SMS)<2175.T>が有力だ。看護師は離職率が高く、求人倍率は高止まりしている。こうした状況での大量の人材確保において、同社の活躍余地は大きい。ほかにも、医療分野の人材プラットフォームを運営するメドレー<4480.T>、医療関係者向け情報サイトのエムスリー<2413.T>なども浮上する。
このほか、中・長期的な視点では創薬ベンチャーのメドレックス<4586.T>に注目したい。同社は「皮膚に貼る注射剤」として知られるマイクロニードルを開発。医師が少ない地域でのワクチン接種手段として注目される可能性がある。
出典:モーニングスター社
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