海外市場でドル円は、ユーロ円などクロス円の上昇につれた買いが先行し、一時103.76円付近まで値を上げた。しかし、米国株が上昇して始まるとリスク・オンのドル売りが進み、一時103.46円と日通し安値を更新した。
ユーロドルは、米国の追加経済対策の成立を背景に欧州株やダウ先物が上昇すると、リスク・オンのドル売りが先行し、一時1.2275ドルと2018年4月以来約2年8カ月ぶりの高値を付けた。
本日のドル円は小幅なレンジ取引となるか。東京市場は本日が今年の最終取引日となることで、大きなリスクを持つ地合いではなく103円台半ばを中心としたレンジ取引になりそうだ。年末年始にも様々な好悪両材料のリスク要因があることで、大きくポジションを傾ける地合いではないだろう。
昨日米下院が可決した600ドルの個人への給付金を2000ドルへ引き上げる法案は、マコネル上院院内総務(共和党)が反対をしている。しかし、来年1月5日に上院選挙が行われるジョージア州の2人の現職共和党議員は、選挙で勝つために給付金の引き上げに賛成をすることを表明するなど共和党内が混乱をしている。給付金の引き上げが上院でも可決することになると、短期的にはリスク・オン要因となる。また、上記のジョージア州の上院選挙が今後の2年間の米政権に多大な影響をすることで、来年初めまで米国の政治状況が相場に与える不安定要素が大きく、年末にドル円のポジションをどちらサイドにも傾けにくい理由となりそうだ。
ドル円以外では、ユーロドルは年初来高値を更新し、豪ドルも対円では年初来高値を更新、対ドルでも年初来高値に近い水準まで近づきつつある。その反面で、ウイルス変異種が急速に拡大している南ア・ランドは、昨日は上値が重く推移した。来年も含め今後の相場展開は単純に株価の上下によるドルの動きだけではなく、変異種を含めたウイルスの感染状況(それに対する規制)やワクチンの普及状況など、各国それぞれの状況次第で通貨の選別がより進みそうだ。
なお、本日は欧州から12月英ネーションワイド住宅価格指数や12月スイスKOF景気先行指数が発表されるが、両指標とも市場を動意づけるものではないことで、本日も経済指標で市場が動意づくことは難しそうだ。
(松井)
出典:FXi24
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