12:00 配信
モトリーフール米国本社、2020年7月12日投稿記事より
新型コロナとの戦いに取り組む銘柄への投資は、大きな賭けです。
投資先が成功すれば大きなリターンを得られるでしょうが、逆に大きな損失を被る可能性もあります。
しかし、そのような銘柄が現在必ずしも高騰している訳ではありません。
新型コロナの検査キット、薬剤候補、ワクチン候補などを扱う銘柄は、中でも比較的安全な投資対象と言えるでしょう。
もし手元に5,000ドル程度の投資資金があるなら、比較的低リスクで7月に注目できる3銘柄を紹介します。
1. アボット・ラボラトリーズ
1888年創業アボット・ラボラトリーズ(NYSE:ABT)は、優良銘柄の見本のような企業です。昨年の売上は約320億ドルでした。
同社は、『フォーチュン』誌が選ぶ、医薬品および医療機器業界で最も賞賛される企業に7年連続で選ばれた実績があります。
同社は配当貴族としても知られており、48年連続で増配を実施しています。
同社にはその一方で、堅調な成長も見込まれます。
アナリストは、今後5年間の年平均増益率を10%超と予想しています。
10%超の成長を達成するためには、同社の新型コロナ検査キットの成功が鍵となります。
同社は現在、5つのプラットフォームで新型コロナの検査キットを販売しており、7月1日時点の出荷数は2,000万キット以上にのぼります。
新型コロナ関連製品以外にも、同社には堅調な成長を遂げる準備が整っています。
同社は先日、糖尿病患者向けグルコース測定器FreeStyleリブレ2に関して、米食品医薬品局(FDA)の承認を取得しましたが、この製品は大きな成功が見込まれます。
その他には、様々な分野の検査を合理化するAlinityシステムや、心臓疾患の一種である僧帽閉鎖不全症のカテーテル治療に使用されるMitraclipなどの売上も堅調です。
2. アストラゼネカ
1999年にスウェーデンの製薬会社アストラABと英国のゼネカ・グループが統合して設立された世界最大規模の製薬会社、アストラゼネカ(NYSE:AZN)の2019年度の売上は、240億ドルでした。
同社の現在の配当利回りは2.6%と魅力的ですが、さらに魅力的なのは高い成長が期待できる点です。
今後5年間の年平均増益率は、アナリストによるコンセンサス予想で19%超となっています。
同社がオックスフォード大学と共同で開発している新型コロナワクチン候補が成功すれば、19%という成長率を達成することは容易でしょう。
世界保健機関(WHO)ソミヤ・スワミナサン主任科学者によると、同社のワクチン候補は、現在臨床試験中の19種中、最も有望視されています。
同社には、新型コロナのワクチン候補以外にも成長の牽引役がいくつか存在します。がん治療薬のアカラブルチニブ(Calquenceの製品名で販売)、デュルバルマブ (Imfinzi)、オラパリブ(Lymparza)、オシメルチニブ(Tagrisso)などの売上は急上昇を続けています。
加えて同社のパイプラインには、喘息薬のTezepelumabや貧血治療薬のRoxadustatなどの有望視される製品が控えています。
アストラゼネカ、今年中にコロナワクチンを提供する予定もあり、長期的に伸びていく優良企業
3. イーライ・リリー
1876年創業のイーライ・リリー(NYSE:LLY)の時価総額はアストラ・ゼネカと肩を並べるものです。2019年度の売上は220億ドル強でした。
アナリストは、同社の今後5年間の年平均増益率を約13.5%と予想しており、配当利回りは1.8%です。
同社の見通しは、アナリスト予想よりもさらに高いものとなる可能性も大いにあります。
同社はAbCellera Biologies社、Junshi Biosciences社とそれぞれ提携し、新型コロナの抗体治療薬を開発しています。
さらに、成人関節リウマチの治療薬として販売されているバリシチニブ(Olumiantの製品名で販売)について、新型コロナの治療薬候補として臨床試験を開始しています。
一方で、リウマチ治療薬としてのOlumiantやがん治療薬、糖尿病治療薬などの売上も伸びています。
加えてパイプラインには、臨床試験後期の段階にある有望な免疫治療薬や鎮痛薬も控えています。
長期安定成長が見込める米国医薬品メーカートップ5を紹介
出典:The Motley Fool
---------------------------------------------------------------
※投資の最終的な判断はご自身でお願い致します。
このブログに掲載の情報は、投資を保証するものでは一切御座いません。
連絡先:iso_investment@yahoo.co.jp