<特集>3月の配当取り、狙い目は?(1)=新型肺炎への警戒増すなか、株主還元が手掛かりに
2020/2/28 17:37
新型肺炎の感染拡大に対する警戒感が一段と強まってきた。現地27日の米国市場ではNYダウが前日比1190ドルと史上最大の下落幅となり、一気に2万6000ドル台を割り込んだ。28日の東京市場でも日経平均株価が一時1031円安、引けでも同805円安の2万1142円となった。5日続落で下げ幅は2336円、下落率は10%に達した。
国内では政府が全国の小中学校と高校などに臨時休校を要請するなど、ヒトの移動制限が一段と強化され、景気に対する影響の拡大などが懸念されている。ただ、諸策によって感染拡大が抑制され、好転の兆しが出てくれば相場も転機を迎える。先行きが見通しづらなか、スケジュール的には3月末に期末、中間期末を迎える企業の配当が注目される。配当利回りと株主還元の姿勢は銘柄選別の手掛かりとなろう。
<特集>3月の配当取り、狙い目は?(2)=ダイヘン―来期以降の展開に期待
2020/2/28 17:41
ダイヘン<6622.T>を狙ってみたい。今20年3月期は第1四半期(19年4-6月)に「半導体関連機器」が落ち込んだことで出遅れ、第3四半期累計(19年4-12月)も減収・減益。ただその分、PER11倍、PBR(株価純資産倍率)0.9倍割れ、配当利回り3%と株価の出遅れ妙味が膨らんでいる。
同社は「電力機器」、「溶接メカトロ」、「半導体関連機器」を3本柱とし、柱上変圧器、アーク溶接機、アーク溶接ロボットで国内トップ、シリコンウェハ・大型液晶ガラス基板の真空搬送ロボットでは世界トップシェアを誇っている。
20年3月期第3四半期累計は、売上高1002億7400万円(前年同期比2.2%減)、営業利益45億4400万円(同5.9%減)。第1四半期に「半導体関連機器」が売上高64億8700万円(同42.0%減)、営業利益5億8700万円(同67.0%減)と落ち込んだ影響で減収・減益にとどまったが、第3四半期(10-12月)に限ると「電力機器」、「半導体関連機器」のけん引で増益を確保している点は押さえておきたい。
株価は、米中貿易摩擦による中国市場の減速に加え、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念などを背景に直近の高値3775円(2月10日)から約25%下落。来期以降の展開を期待してそろそろ仕込んでおくところだろう。
<特集>3月の配当取り、狙い目は?(3)=長谷工―特別配当の増額で妙味拡大
2020/2/28 17:42
長谷工コーポレーション(長谷工)<1808.T>を拾いたい。同社は28日、20年3月期の期末配当予想を修正。従来は普通配当10円と特別配当30円の合計40円を計画していたが、特別配当を40円に引き上げ、普通配当と合わせ50円(前期実績は特別配当60円を含む70円)に増額するするとした。28日終値1390円に対する配当利回りは3.65%となる。東証1部銘柄の平均利回り2.16%よりも高く、配当妙味株として注目されそうだ。
株価は、配当増額の発表と同時に、取得上限3000万株(自己株を除く発行済み株式数の10.09%)・300億円の自社株買いを発表。一時1400円台を回復する場面もみられたが、全体相場が軟調に推移していたこともあり、戻り待ちの売りに押される格好となっている。PBRは1.0倍台にあり、割高感はない。
<特集>3月の配当取り、狙い目は?(4)=ヒガシ21―配当利回り3%超、75日線が下値支持も
2020/2/28 17:52
ヒガシトゥエンティワン<9029.T>は逆張り候補になる。同社は1月、20年3月期第3四半期(19年4-12月)の連結決算発表とともに通期業績予想の上方修正と期末一括配当予想の増額を決めた。同期末配当は前回予想の15円から18円(前期末は14円)に引き上げられ、配当利回りは3.3%に達する。これは同じ東証2部銘柄の単純平均2.04%(27日時点)を1ポイント以上も上回る水準であり、配当取り妙味がある。
株価は、1月20日に昨年来高値625円を付けた後、全般の地合い悪化につられ、2月25日には525円まで押し戻されたが、足元では75日移動平均線が下値支持線として作用しつつある。全体相場が落ち着きを取り戻せば、出直り再開の可能性が高い。ちなみに、PER9倍台、PBR0.8倍台と割り負け感は強まっている。
今期業績予想は上方修正済みで、営業利益は10億6000万円(前期比19.7%増、前回予想は8億9600万円)と3期連続の最高利益更新を見込む。昨年10月に開設した同社グループ最大の物流センター(東大阪)の初期投資費用が発生するものの、IT(情報技術)サポート事業において今年1月14日のWindows7サポート終了に対応するWindows10移行作業の受注が想定を大きく上回り、収益を押し上げる。続く21年3月期についても運送事業の増勢で利益成長が続くとみられている。
出典:モーニングスター社
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