【日経新聞1面】トヨタとスズキが資本提携で「大変革」対応加速化
2019/8/29 8:20 FISCO
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トヨタとスズキが資本提携で「大変革」対応加速化
トヨタとスズキ、資本提携、自動車「大変革」に備え相互出資、トヨタ5%
トヨタ自動車<7203>とスズキ<7269>は28日に資本提携すると発表。トヨタが960億円を出資しスズキ株の約5%を持ち、スズキもトヨタに0.2%程度を出資し、現在の業務提携から関係をさらに深める。自動運転や電動化など自動車の次世代技術は複数分野で同時に普及が進み、業界は100年に1度の変革期にあるため。得意分野を相互に生かして競争力を高める合従連衡が世界で続きそうだ。
トヨタはスズキが持つ自社株を取得し出資、トヨタは第3位の株主となり事業会社では筆頭、スズキは480億円相当のトヨタ株を取得する。両社は16年に提携を検討すると発表、トヨタがスズキにハイブリッド車システムを提供、スズキが強みを持つインド市場でEVでの協力など連携を徐々に深め、今後は自動運転分野などで連携をさらに強める。長期的な関係構築が必要との考えから相互出資に踏み込んだ。スズキはトヨタから得る資金のうち200億円を自動運転関連に活用する計画。スズキの鈴木修会長は28日、資本提携を通じて「大きな変革の波に向け団結する」と強調した。
トヨタの世界販売台数は2018年で1059万台、独VW1083万台、日産自動車などの日仏連合に次ぐ3位だが、マツダ<7261>やSUBARU<7270>など連結対象ではない出資先を加えると約1300万台、スズキが入ると約1600万台に拡大する。トヨタが提携先を増やすのは研究開発などの膨大な投資を効率化するためで、マツダやスバルにも出資しEVや次世代移動サービス「MaaS」の開発で連携を進めている。
業界環境の変化速度は加速化、半導体の性能や通信技術が飛躍的に進化し、「CASE」と呼ばれる次世代技術の実用化が迫っている。近年の再編や提携は、技術開発や新技術の普及に向けたルール形成で主導権をとるのが目的で、買収やグループ会社化ではなく緩やかな連合作りが加速している。既存の自動車大手を脅かす新勢力も台頭している。完全自動運転の開発では米アルファベットの傘下企業が先行、EV開発では世界最大の市場を抱える中国メーカーの成長が著しく、新車需要を大きく左右するライドシェアなど新サービスはITスタートアップが担い手となっている。
世界の自動車業界は「CASE」、「Maas」という100年に1度の大変革期を迎えている。技術開発、実用化のためには膨大な研究開発費を必要とする一方で、早期の実現が必要であり、そのためには世界的なグループ作りが鍵を握る。トヨタは強力なトヨタ連合を形成し、フロントランナーに飛び出すことを目論む。今後の展開が注目される。
トヨタとスズキ、資本提携、自動車「大変革」に備え相互出資、トヨタ5%
トヨタ自動車<7203>とスズキ<7269>は28日に資本提携すると発表。トヨタが960億円を出資しスズキ株の約5%を持ち、スズキもトヨタに0.2%程度を出資し、現在の業務提携から関係をさらに深める。自動運転や電動化など自動車の次世代技術は複数分野で同時に普及が進み、業界は100年に1度の変革期にあるため。得意分野を相互に生かして競争力を高める合従連衡が世界で続きそうだ。
トヨタはスズキが持つ自社株を取得し出資、トヨタは第3位の株主となり事業会社では筆頭、スズキは480億円相当のトヨタ株を取得する。両社は16年に提携を検討すると発表、トヨタがスズキにハイブリッド車システムを提供、スズキが強みを持つインド市場でEVでの協力など連携を徐々に深め、今後は自動運転分野などで連携をさらに強める。長期的な関係構築が必要との考えから相互出資に踏み込んだ。スズキはトヨタから得る資金のうち200億円を自動運転関連に活用する計画。スズキの鈴木修会長は28日、資本提携を通じて「大きな変革の波に向け団結する」と強調した。
トヨタの世界販売台数は2018年で1059万台、独VW1083万台、日産自動車などの日仏連合に次ぐ3位だが、マツダ<7261>やSUBARU<7270>など連結対象ではない出資先を加えると約1300万台、スズキが入ると約1600万台に拡大する。トヨタが提携先を増やすのは研究開発などの膨大な投資を効率化するためで、マツダやスバルにも出資しEVや次世代移動サービス「MaaS」の開発で連携を進めている。
業界環境の変化速度は加速化、半導体の性能や通信技術が飛躍的に進化し、「CASE」と呼ばれる次世代技術の実用化が迫っている。近年の再編や提携は、技術開発や新技術の普及に向けたルール形成で主導権をとるのが目的で、買収やグループ会社化ではなく緩やかな連合作りが加速している。既存の自動車大手を脅かす新勢力も台頭している。完全自動運転の開発では米アルファベットの傘下企業が先行、EV開発では世界最大の市場を抱える中国メーカーの成長が著しく、新車需要を大きく左右するライドシェアなど新サービスはITスタートアップが担い手となっている。
世界の自動車業界は「CASE」、「Maas」という100年に1度の大変革期を迎えている。技術開発、実用化のためには膨大な研究開発費を必要とする一方で、早期の実現が必要であり、そのためには世界的なグループ作りが鍵を握る。トヨタは強力なトヨタ連合を形成し、フロントランナーに飛び出すことを目論む。今後の展開が注目される。
関連銘柄:4件
・トヨタ自動車(7203)東証1部
国内登録車シェア44%・世界3位、部品メーカー含めトヨタ連合を形成
自動車世界大手。傘下に日野自動車、ダイハツ工業など。マツダと業務資本提携。車載用角形電池事業でパナソニックと協業へ。車両販売台数は増加。北米は横ばいだが、国内や欧州は販売堅調。20.3期1Qは増収増益。 記:2019/08/06
国内登録車シェア44%・世界3位、部品メーカー含めトヨタ連合を形成
自動車世界大手。傘下に日野自動車、ダイハツ工業など。マツダと業務資本提携。車載用角形電池事業でパナソニックと協業へ。車両販売台数は増加。北米は横ばいだが、国内や欧州は販売堅調。20.3期1Qは増収増益。 記:2019/08/06
・スズキ(7269)東証1部
国内軽四輪2強・インド市場でシェア50%強、トヨタが4.9%出資
四輪車・二輪車メーカー。四輪車の売上比率が高い。軽自動車に強み。トヨタと業務提携に向けた覚書を締結。海外売上比率は6割超。19.3期は増収。四輪事業は売上増。国内はスペーシア、クロスビーが売上貢献。 記:2019/06/03
国内軽四輪2強・インド市場でシェア50%強、トヨタが4.9%出資
四輪車・二輪車メーカー。四輪車の売上比率が高い。軽自動車に強み。トヨタと業務提携に向けた覚書を締結。海外売上比率は6割超。19.3期は増収。四輪事業は売上増。国内はスペーシア、クロスビーが売上貢献。 記:2019/06/03
・マツダ(7261)東証1部
国内販売6位・米欧比率52%、トヨタが5.1%出資
国内自動車メーカー。トヨタと業務資本提携。スカイアクティブ・テクノロジー、魂動デザインが特長。中国、メキシコ等に生産拠点。20.3期は2桁営業増益計画。グローバル販売台数の増加見込む。1ドル110円想定。 記:2019/07/04
国内販売6位・米欧比率52%、トヨタが5.1%出資
国内自動車メーカー。トヨタと業務資本提携。スカイアクティブ・テクノロジー、魂動デザインが特長。中国、メキシコ等に生産拠点。20.3期は2桁営業増益計画。グローバル販売台数の増加見込む。1ドル110円想定。 記:2019/07/04
・SUBARU(7270)東証1部
国内販売7位・米国販売比率6割強、トヨタが16.8%出資
中堅自動車メーカー。水平対向エンジンが特色で四輪駆動や安全技術に強み。トヨタが筆頭株主。シェア拡大に力注ぐ北米が収益の牽引役。20.3期1Qは検査不正問題一巡で利益反発。通期でも4割超の営業増益を見込む。 記:2019/08/08件
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中堅自動車メーカー。水平対向エンジンが特色で四輪駆動や安全技術に強み。トヨタが筆頭株主。シェア拡大に力注ぐ北米が収益の牽引役。20.3期1Qは検査不正問題一巡で利益反発。通期でも4割超の営業増益を見込む。 記:2019/08/08件