【日経新聞1面】AI時代の製造業生き残りへ製造データ共有
2019/6/17 8:37 FISCO
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三菱電機<6503>、安川電機<6506>など国内の主要メーカー100社が連携し、設備の稼働状況や品質検査などの製造データを相互に取引できる仕組みをつくる。生産や加工の情報を取引先と共有することで、開発期間の短縮やものづくりの効率性の改善などにつなげる。品質や生産性向上の鍵を握る製造データは競争力の源泉で、多くの企業が自社の中に閉じ込めてきた。ブロックチェーン(分散型台帳)の技術を応用して安全性の高い環境で他社と情報を共有することで競争力向上につなげる。
製造業の業界団体「インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)」が運営母体となり、新取引システムを2020年春メドに稼働させる。システムにはブロックチェーンの仕組みを応用し、情報漏洩リスクや運営コストも低減できる見込み。DMG森精機<6141>はじめ世界で競争力の高い工作機械メーカーなどが多数参加する見通し。具体的には、製品の設計データや生産設備の稼働状況、品質検査のデータなどをやりとりすることになる。参加企業は相対でも、複数企業間でも取引でき、価格は個別に決めるほか、無償で情報を共有することもできる。
電機メーカーとしては、工作機械の生産データを部品メーカーと共有すれば、より早く部品の量産体制に入れるようになり、工作機械メーカーとしては、納入先企業と設備の稼働データを共有すれば、部品の摩耗状況を把握でき、設備を安全に効率良く保てる。機械の故障時期を予測し事前に部品交換することで生産ロスを回避できる利点も見込めるようになる。
こうした国を挙げての取り組みが進展することにより、国内製造業全体の底上げが期待される。とりわけ、産業用ロボットなどは世界シェア5割を占めるなど、AIの重要な要素の一つであるビッグデータの強みが生かされることになり、AI時代の製造業における日本の優位性が高まってくことにもつながろう。工場などで生じる製造データには競争力に直結するノウハウが含まれるため、他社との共有にはリスクもある。当初は取引先企業との開示に限られ、横への発展には時間を要する可能性もあるが、参加企業が増加するに従い、不参加企業は相対的な技術開発の遅延も意識されてくることになろう。
電機メーカーや機械メーカーは、生産効率の改善や技術開発力の高まりなどが期待されるほか、メンテナンス需要の着実な取り込みも進むとみられる。ビッグデータの解析に強みを持つ企業なども、ビジネスチャンスの広がりが大いに期待されることになろう。また、ブロックチェーンの将来性期待なども再燃してくる余地がある。さらに、品質検査状況などもオープンになることで、足元で拡大する品質偽造問題などの縮小にも寄与していくことになろう。
製造業の業界団体「インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)」が運営母体となり、新取引システムを2020年春メドに稼働させる。システムにはブロックチェーンの仕組みを応用し、情報漏洩リスクや運営コストも低減できる見込み。DMG森精機<6141>はじめ世界で競争力の高い工作機械メーカーなどが多数参加する見通し。具体的には、製品の設計データや生産設備の稼働状況、品質検査のデータなどをやりとりすることになる。参加企業は相対でも、複数企業間でも取引でき、価格は個別に決めるほか、無償で情報を共有することもできる。
電機メーカーとしては、工作機械の生産データを部品メーカーと共有すれば、より早く部品の量産体制に入れるようになり、工作機械メーカーとしては、納入先企業と設備の稼働データを共有すれば、部品の摩耗状況を把握でき、設備を安全に効率良く保てる。機械の故障時期を予測し事前に部品交換することで生産ロスを回避できる利点も見込めるようになる。
こうした国を挙げての取り組みが進展することにより、国内製造業全体の底上げが期待される。とりわけ、産業用ロボットなどは世界シェア5割を占めるなど、AIの重要な要素の一つであるビッグデータの強みが生かされることになり、AI時代の製造業における日本の優位性が高まってくことにもつながろう。工場などで生じる製造データには競争力に直結するノウハウが含まれるため、他社との共有にはリスクもある。当初は取引先企業との開示に限られ、横への発展には時間を要する可能性もあるが、参加企業が増加するに従い、不参加企業は相対的な技術開発の遅延も意識されてくることになろう。
電機メーカーや機械メーカーは、生産効率の改善や技術開発力の高まりなどが期待されるほか、メンテナンス需要の着実な取り込みも進むとみられる。ビッグデータの解析に強みを持つ企業なども、ビジネスチャンスの広がりが大いに期待されることになろう。また、ブロックチェーンの将来性期待なども再燃してくる余地がある。さらに、品質検査状況などもオープンになることで、足元で拡大する品質偽造問題などの縮小にも寄与していくことになろう。
関連銘柄 4件
・ファナック(6954)東証1部
工作機械向けNC装置で世界トップ、産業用ロボットでも有数
工作機械向けNC(数値制御)装置で世界トップ。産業用ロボや小型切削加工機にも強い。配当性向60%目安。19.3期は米中貿易摩擦が響き需要が減退。取得期間を4~7月、上限を500億円とする自社株買いを発表。 記:2019/05/09
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・安川電機(6506)東証1部
産業用ロボット大手、ACサーボモータとインバータで世界トップ
世界の大手産業用ロボットメーカーの一角。多関節ロボットや双腕ロボット等を製造、販売。ACサーボモータとインバータで世界シェアトップ。医療・介護分野を開拓。19.2期3Q累計は売上高と利益が過去最高。 記:2019/03/21
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・DMG森精機(6141)東証1部
工作機械大手の一角、NC旋盤・マシニングセンタでトップ級
日系四大工作機械メーカーの一角。NC旋盤・マシニングセンタでトップ級。欧州における高いマーケットシェアが強み。補修部品及び修理関連は受注増。受注単価向上。航空機業界等が堅調。19.12期1Qは大幅増益。 記:2019/05/29
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・ブレインパッド(3655)東証1部
データ解析コンサルやビッグデータ分析等を展開
データ解析のコンサルやビッグデータ分析のプラットフォームの構築、AIを活用した企業の経営や業務等に係るソリューション等を展開。中計の売上高目標は115億円。19.6期3Q累計は案件の大型化や長期化が寄与。 記:2019/05/28
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