2018/10/22 8:54 FISCO 【日経新聞1面】経営マインドは依然前向きだが警戒心高まる
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経営マインドは依然前向きだが警戒心高まる
景気「拡大」6月比1割減 貿易戦争を懸念 前向き予測なお71%
米中貿易戦争の終息が見通せない中、企業経営者が景気の先行きに懸念を強めている。日本経済新聞社が9月14日~10月4日に「社長100人アンケート」を実施し144社から回答を得た。世界景気の見通しを「拡大」と答えた経営トップは7割と依然として高い水準だが、6月の前回調査より1割減った。設備投資を計画から下方修正する動きもあり、企業心理に生まれた影が実体経済に及ぶ可能性も出てきた。
半年後(19年3月頃)の世界景気の見通しを、「拡大」と答えた経営者は前回調査に続き減少し7.8ポイント減の71.5%、「緩やかながら悪化している」は1.4ポイント増の4.2%。世界景気のリスク要因は「貿易摩擦の深刻化」が63.2%、「保護主義の広がり」が47.2%、「中国景気の減速」が45.1%、「米国政治の混乱」が33.3%。米政権の対中制裁第3弾の発動で中国は設備投資を控える動きが出ており日本の工作機械受注の伸びは鈍化、中国向けは8月まで6カ月連続で前年同月を下回った。激化する貿易戦争への懸念もあり、今回調査では18年度の設備投資を期初計画と比べて「やや下回る」と回答した企業は5.6%。
半年後に迫る英国のEU離脱を巡っては、一部機能も含めて英国のオフィスや工場の移転を「予定・検討」している経営者が5.6%、既に移転したケースは1.4%。離脱について「英国経済の悪化」や「EU経済の悪化」「為替変動」をマイナス影響と考える経営者が多く、英国がEU側と条件合意なしに離脱する「無秩序離脱」の可能性もあって、その場合に自社に「影響がある」とした回答は25.7%。トヨタ<7203>は部品調達の混乱から英国拠点で一時的な生産停止が避けられないとしている。
新内閣に取り組んでほしい重点課題は、「大胆な規制緩和」が45.8%。「法人税率の引き下げ」が30.6%、「財政の健全化」が29.9%。大和証G<8601>の中田社長は「中長期的な課題への対応が若干遅れ気味だ。岩盤規制や社会保障制度の改革など、国民にとって耳の痛い改革断行にも期待したい」と答えている。
わが国を代表する企業の経営マインドは、概ね世界景気に対する強気な見方に変わりはないものの、米中貿易戦争の激化、中国経済の先行き、英国のEU離脱問題などの影響を憂慮しジワジワと警戒感が募りつつあり、今後の海外情勢の成り行きが大いに気になる。
景気「拡大」6月比1割減 貿易戦争を懸念 前向き予測なお71%
米中貿易戦争の終息が見通せない中、企業経営者が景気の先行きに懸念を強めている。日本経済新聞社が9月14日~10月4日に「社長100人アンケート」を実施し144社から回答を得た。世界景気の見通しを「拡大」と答えた経営トップは7割と依然として高い水準だが、6月の前回調査より1割減った。設備投資を計画から下方修正する動きもあり、企業心理に生まれた影が実体経済に及ぶ可能性も出てきた。
半年後(19年3月頃)の世界景気の見通しを、「拡大」と答えた経営者は前回調査に続き減少し7.8ポイント減の71.5%、「緩やかながら悪化している」は1.4ポイント増の4.2%。世界景気のリスク要因は「貿易摩擦の深刻化」が63.2%、「保護主義の広がり」が47.2%、「中国景気の減速」が45.1%、「米国政治の混乱」が33.3%。米政権の対中制裁第3弾の発動で中国は設備投資を控える動きが出ており日本の工作機械受注の伸びは鈍化、中国向けは8月まで6カ月連続で前年同月を下回った。激化する貿易戦争への懸念もあり、今回調査では18年度の設備投資を期初計画と比べて「やや下回る」と回答した企業は5.6%。
半年後に迫る英国のEU離脱を巡っては、一部機能も含めて英国のオフィスや工場の移転を「予定・検討」している経営者が5.6%、既に移転したケースは1.4%。離脱について「英国経済の悪化」や「EU経済の悪化」「為替変動」をマイナス影響と考える経営者が多く、英国がEU側と条件合意なしに離脱する「無秩序離脱」の可能性もあって、その場合に自社に「影響がある」とした回答は25.7%。トヨタ<7203>は部品調達の混乱から英国拠点で一時的な生産停止が避けられないとしている。
新内閣に取り組んでほしい重点課題は、「大胆な規制緩和」が45.8%。「法人税率の引き下げ」が30.6%、「財政の健全化」が29.9%。大和証G<8601>の中田社長は「中長期的な課題への対応が若干遅れ気味だ。岩盤規制や社会保障制度の改革など、国民にとって耳の痛い改革断行にも期待したい」と答えている。
わが国を代表する企業の経営マインドは、概ね世界景気に対する強気な見方に変わりはないものの、米中貿易戦争の激化、中国経済の先行き、英国のEU離脱問題などの影響を憂慮しジワジワと警戒感が募りつつあり、今後の海外情勢の成り行きが大いに気になる。
関連銘柄 4件
・新日鐵住金(5401)東証1部
鉄鋼国内最大手、粗鋼生産ランキングは世界3位
国内トップの鉄鋼メーカー。粗鋼生産で世界2位。高級鋼板に強み。ポスコや神戸鋼らと提携。来年1月に傘下の日新製鋼を完全子会社化。今年6月にスウェーデンのオバコ社を買収し、来年3月頃に山陽特殊鋼業を子会社化。 記:2018/08/05
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・小松製作所(6301)東証1部
建設機械国内最大手・世界2位、鉱山機械・プレス加工機も手掛ける
建設機械で世界2位。IT活用のアフターサービスに強み。鉱山機械や産業機械も手掛ける。今年に入り林業機械の海外企業2社を相次ぎ買収し、林業分野の拡大目指す。配当性向40%以上目安。19.3期1Qは大幅増益。 記:2018/08/07
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・トヨタ自動車(7203)東証1部
自動車生産・販売は国内トップ、世界販売は3位
自動車世界大手。傘下に日野自動車、ダイハツ工業など。マツダと業務資本提携。車載用角形電池事業でパナソニックと協業検討。自動車事業は堅調。販売台数の増加や諸経費削減などが寄与。19.3期1Qは2桁営業増益。 記:2018/10/15
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・三菱商事(8058)東証1部
総合商社トップ、エネルギー・資源分野に強み
三菱グループの中核をなす総合商社。資源は原料炭や銅、LNGなどが主軸。インフラ関連や不動産開発、機械、化学品、生活産業などの非資源分野を強化しながらポートフォリオ最適化を目指す。19.3期1Qは大幅増益。 記:2018/08/31
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