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【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は18日、ブリュッセルで2日目の首脳会議を開き、ロシアなどを念頭に、脅威が高まるサイバー攻撃への制裁措置を導入することで合意した。トゥスクEU大統領は終了後の記者会見で、制裁について「あらゆるサイバー脅威からわれわれの市民と企業、機関を守るものだ」と語った。 サイバー攻撃に関してはオランダが今月、化学兵器禁止機関(OPCW、本部ハーグ)が4月にロシア軍参謀本部情報総局(GRU)による攻撃対象になったと発表。英国はGRUが世界中のサイバー攻撃に関与しているとしており、欧州に懸念が広がっている。 会議で採択された総括文書は、ロシアの名指しを避けつつOPCW攻撃を非難。サイバー攻撃を抑止する手段を持つため、EUとしての制裁措置の必要性を訴えた。また、2019年5月に欧州議会選挙を控える中、欧州委員会が提案した偽情報による選挙介入の防止策の検討も明記した。 GRUは3月に英国で起きた軍用神経剤による元ロシア情報員殺害未遂事件にも携わったとされる。これも踏まえ、欧州委が新たに導入した化学兵器使用への制裁の早期発動に期待を示した。 移民・難民問題では、受け入れ負担をめぐって生じているEU内の亀裂解消のため、不法な移民あっせん組織の撲滅や、流出元である北アフリカ諸国などとの協力を進めることを確認。欧州委が提案しているEUの国境警備隊の人員増強も引き続き検討した。