2018/10/16 8:46 FISCO 【日経新聞1面】日中関係改善に向けて大きく動き出す方向
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日中関係改善に向けて大きく動き出す方向
日中、知財巡り新対話 26日に首脳会談 通貨協定再開へ 米中の間、立ち位置難しく
安倍晋三首相と中国の習近平国家主席は26日の北京での首脳会談で関係改善を確認し、習主席の来日時期も詰める。新技術や知的財産保護で新対話を設ける。米中の貿易戦争は覇権争いに発展しており、中国はけん制効果を期待して日本に接近する。合意内容の実効性は未知数で、日本は米中のはざまで難しい外交のかじ取りを迫られる。
日中首脳会談に向けた両政府の事前調整で合意内容の大枠が固まった。「日中イノベーション・知的財産対話(仮称)」の設置や、尖閣諸島問題などの影響で13年に失効した金融危機時に通貨を融通し合う通貨交換に関して、上限を10倍の3兆円規模とした上で再開、緊急時に現場の艦船や航空機が連絡を取り合うなど海難救助での協力を定めた海上捜索・救助協定の早期署名など。新対話は閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」のもとに設置し、年内にも初会合を開き、イノベーションや知的財産保護に加えてデジタル経済、産業間交流、企業間交流などの7部会を作る案がある。
中国は米国との貿易戦争で、先端技術を活用する製品の部品を調達しにくくなるとの懸念がある。日本は中国に協力姿勢を示し、関係改善の流れを後押しする。一方で日中が新技術をどこまで開示するかは分からず、日中接近を演出するための象徴的な意味合いがあるともみられる。
自衛隊トップの統合幕僚長が19年にも08年以来の訪中を行う方向で、統中国軍幹部の来日も検討、防衛交流も推進する。首相は訪中時に第三国での経済協力を推進する「日中第三国市場協力フォーラム」にも出席、インフラ整備に関して30件を超える合意文書を交わす見込み。東京電力福島第1原子力発電所事故の後、中国が制限してきた日本産食品の輸入規制の緩和も協議する。日本の首相が国際会議への出席を除き訪中するのは11年の野田佳彦首相以来7年ぶり。今年10月は日中平和友好条約が発効して40年の節目となる。
米中貿易戦争が激化する中、中国が日本に歩み寄ることで、日中関係が大きく改善される期待が高まる。中国市場はわが国企業にとって重要な位置付けであり、業績に対する影響も小さくはない。改めて中国関連企業が注目されることにもなろう。
日中、知財巡り新対話 26日に首脳会談 通貨協定再開へ 米中の間、立ち位置難しく
安倍晋三首相と中国の習近平国家主席は26日の北京での首脳会談で関係改善を確認し、習主席の来日時期も詰める。新技術や知的財産保護で新対話を設ける。米中の貿易戦争は覇権争いに発展しており、中国はけん制効果を期待して日本に接近する。合意内容の実効性は未知数で、日本は米中のはざまで難しい外交のかじ取りを迫られる。
日中首脳会談に向けた両政府の事前調整で合意内容の大枠が固まった。「日中イノベーション・知的財産対話(仮称)」の設置や、尖閣諸島問題などの影響で13年に失効した金融危機時に通貨を融通し合う通貨交換に関して、上限を10倍の3兆円規模とした上で再開、緊急時に現場の艦船や航空機が連絡を取り合うなど海難救助での協力を定めた海上捜索・救助協定の早期署名など。新対話は閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」のもとに設置し、年内にも初会合を開き、イノベーションや知的財産保護に加えてデジタル経済、産業間交流、企業間交流などの7部会を作る案がある。
中国は米国との貿易戦争で、先端技術を活用する製品の部品を調達しにくくなるとの懸念がある。日本は中国に協力姿勢を示し、関係改善の流れを後押しする。一方で日中が新技術をどこまで開示するかは分からず、日中接近を演出するための象徴的な意味合いがあるともみられる。
自衛隊トップの統合幕僚長が19年にも08年以来の訪中を行う方向で、統中国軍幹部の来日も検討、防衛交流も推進する。首相は訪中時に第三国での経済協力を推進する「日中第三国市場協力フォーラム」にも出席、インフラ整備に関して30件を超える合意文書を交わす見込み。東京電力福島第1原子力発電所事故の後、中国が制限してきた日本産食品の輸入規制の緩和も協議する。日本の首相が国際会議への出席を除き訪中するのは11年の野田佳彦首相以来7年ぶり。今年10月は日中平和友好条約が発効して40年の節目となる。
米中貿易戦争が激化する中、中国が日本に歩み寄ることで、日中関係が大きく改善される期待が高まる。中国市場はわが国企業にとって重要な位置付けであり、業績に対する影響も小さくはない。改めて中国関連企業が注目されることにもなろう。
関連銘柄 4件
・小松製作所(6301)東証1部
建設機械世界2位、建設機械の中国の売上構成比は前期実績で7%
建設機械で世界2位。IT活用のアフターサービスに強み。鉱山機械や産業機械も手掛ける。今年に入り林業機械の海外企業2社を相次ぎ買収し、林業分野の拡大目指す。配当性向40%以上目安。19.3期1Qは大幅増益。 記:2018/08/07
建設機械世界2位、建設機械の中国の売上構成比は前期実績で7%
建設機械で世界2位。IT活用のアフターサービスに強み。鉱山機械や産業機械も手掛ける。今年に入り林業機械の海外企業2社を相次ぎ買収し、林業分野の拡大目指す。配当性向40%以上目安。19.3期1Qは大幅増益。 記:2018/08/07
・ファナック(6954)東証1部
NC装置世界シェア5割・ロボットもトップ級、中国の売上構成比30%
工作機械向けNC(数値制御)装置で世界トップ。産業用ロボや小型切削加工機にも強い。本社工場棟を増築(今秋完成予定)し、射出成形機の生産能力を1.5倍に拡大へ。配当性向60%目安。19.3期1Qは増収増益。 記:2018/08/09
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工作機械向けNC(数値制御)装置で世界トップ。産業用ロボや小型切削加工機にも強い。本社工場棟を増築(今秋完成予定)し、射出成形機の生産能力を1.5倍に拡大へ。配当性向60%目安。19.3期1Qは増収増益。 記:2018/08/09
・日産自動車(7201)東証1部
ルノー・三菱自とで世界3位、中国販売台数は日系メーカー首位を堅持
国内大手自動車メーカー。仏ルノー傘下。三菱自へ資本参加。世界160以上の国・地域で商品、サービス提供。海外売上比率が高い。グローバル販売台数は減少。原材料価格の上昇等もあり、19.3期1Qは業績伸び悩む。 記:2018/09/18
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・伊藤忠商事(8001)東証1部
非資源に強い総合商社、中国CITICと資本提携・広範な業務提携
繊維や食料に強みを持つ大手総合商社。ユニー・ファミリーマートやヤナセを子会社化。中期経営計画中は同社最高となる配当額更新を目指す。19.3期1Qは2倍超の増収。生活資材や金融・保険、金属が伸長した。 記:2018/09/26
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