2018/10/12 8:55 FISCO 【日経新聞1面】世界同時株安、米・日企業の決算発表が焦点
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世界同時株安、米・日企業の決算発表が焦点
株安連鎖、世界揺らす NY株831ドル、日経平均915円下げ 米金利上昇が引き金
米国の金利上昇が再び世界株安に繋がった。世界景気は同時拡大から米国が突出して強い「1強」にシフトし、人民元安など米金利上昇で顕在化しかねないリスクも増えている。金利水準の高まりが資産バブルを崩壊させた過去の経験を繰り返さないか、市場は警戒を強め始めた。
米金利上昇を震源とする株安は2月、4月に続き今年3度目。今回が違うのは、長期金利が7年半ぶりの水準まで急ピッチに上昇した点だ。通常、金利上昇は好景気を映し、株高になることが多いが、一定水準を超えると景気や企業業績への影響が懸念される。さらに、米国経済は絶好調でも、欧州や新興国の景気は減速気味で、米金利上昇のショックが世界景気や株価に悪影響を与えかねない。中でも中国は、米金利上昇によるドル高が人民元安の圧力となり、米中貿易戦争の問題もあり、舵取りはますます難しくなっている。
2000年のITバブルや、07年の住宅バブルなど、過去には米金利の上昇が株式や不動産などの資産価格の下落を通じて、景気後退の引き金を引くパターンが多かった。世界の投資マネーは米国のハイテク株やバイオ株に偏っており、投資マネーの逆回転による急落が起きやすい状況にあった。但し、今回は「資産バブルの兆候はなく、金融機関や家計の財務も健全」との指摘は多い。米国が08年から続けた金融緩和から正常化に向かい、世界の金利や株価は落ち着きどころを探る過程にあることから、市場は上下に変動しやすい。株価の変動率が高まると自動的に売る投資家が増えたことも、下落を加速させている。米企業の18年度業績は2割増益見通しと好調。今週末から本格化する第3四半期の決算発表を機に、再び強い米経済に焦点が当たれば警戒感が後退する可能性もある。
米長期金利の急上昇は、米国株市場の史上最高値への上昇を牽引してきた米ハイテク株の割高感を強く意識させ、世界景気への影響への懸念が高まり、世界同時株安を巻き起こした。日本株市場では、10日に決算発表した安川電<6506>が業績を下方修正したことで、中国の変調による業績の先行き不安が募ったことも日本株急落の要因となっている。但し、減速傾向が表れ始めたとはいえ、世界経済に大きな変調が到来する兆候はない。世界の株式市場は、今回のようなショック安を織り込みながら、米国の金融緩和縮小・長期金利上昇を吸収する形で冷静さを取り戻して行こう。米日企業業績とも、好調さに変化はない。
株安連鎖、世界揺らす NY株831ドル、日経平均915円下げ 米金利上昇が引き金
米国の金利上昇が再び世界株安に繋がった。世界景気は同時拡大から米国が突出して強い「1強」にシフトし、人民元安など米金利上昇で顕在化しかねないリスクも増えている。金利水準の高まりが資産バブルを崩壊させた過去の経験を繰り返さないか、市場は警戒を強め始めた。
米金利上昇を震源とする株安は2月、4月に続き今年3度目。今回が違うのは、長期金利が7年半ぶりの水準まで急ピッチに上昇した点だ。通常、金利上昇は好景気を映し、株高になることが多いが、一定水準を超えると景気や企業業績への影響が懸念される。さらに、米国経済は絶好調でも、欧州や新興国の景気は減速気味で、米金利上昇のショックが世界景気や株価に悪影響を与えかねない。中でも中国は、米金利上昇によるドル高が人民元安の圧力となり、米中貿易戦争の問題もあり、舵取りはますます難しくなっている。
2000年のITバブルや、07年の住宅バブルなど、過去には米金利の上昇が株式や不動産などの資産価格の下落を通じて、景気後退の引き金を引くパターンが多かった。世界の投資マネーは米国のハイテク株やバイオ株に偏っており、投資マネーの逆回転による急落が起きやすい状況にあった。但し、今回は「資産バブルの兆候はなく、金融機関や家計の財務も健全」との指摘は多い。米国が08年から続けた金融緩和から正常化に向かい、世界の金利や株価は落ち着きどころを探る過程にあることから、市場は上下に変動しやすい。株価の変動率が高まると自動的に売る投資家が増えたことも、下落を加速させている。米企業の18年度業績は2割増益見通しと好調。今週末から本格化する第3四半期の決算発表を機に、再び強い米経済に焦点が当たれば警戒感が後退する可能性もある。
米長期金利の急上昇は、米国株市場の史上最高値への上昇を牽引してきた米ハイテク株の割高感を強く意識させ、世界景気への影響への懸念が高まり、世界同時株安を巻き起こした。日本株市場では、10日に決算発表した安川電<6506>が業績を下方修正したことで、中国の変調による業績の先行き不安が募ったことも日本株急落の要因となっている。但し、減速傾向が表れ始めたとはいえ、世界経済に大きな変調が到来する兆候はない。世界の株式市場は、今回のようなショック安を織り込みながら、米国の金融緩和縮小・長期金利上昇を吸収する形で冷静さを取り戻して行こう。米日企業業績とも、好調さに変化はない。
関連銘柄 4件
・ソフトバンクグループ(9984)東証1部
ビジョンファンド10兆円運営、英アーム・米NVIDIAなどに投資
国内携帯3位。傘下に米携帯スプリント、英半導体設計アーム、ネット検索ヤフー、10兆円ファンドなど。持分会社には中国アリババ。スプリントはTモバイルUSとの経営統合で合意。国内携帯子会社は上場に向け準備へ。 記:2018/08/09
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・本田技研工業(7267)東証1部
四輪車の米国市場の依存度が高い、新興国中心に二輪車の世界シェア35%
自動車大手。二輪車は世界首位。自家用小型ジェット機も。自動車の海外生産比率8割強と生産のグローバル化で先行。利益の多くを北米とアジアで稼ぐ。国内の生産は埼玉・寄居工場に集約へ。19.3期1Qは営業益微減。 記:2018/08/09
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・安川電機(6506)東証1部
サーボモータ・インバータは世界トップ、ロボットも世界的に高シェア
ACサーボモータとインバータで世界シェアトップ。産業用ロボットも世界有数。29カ国で事業展開。水処理プラント等のシステムエンジニアリングも展開。決算期を2月末に変更。19.2期1Qは会社計画通りに進捗。 記:2018/09/26
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・ファナック(6954)東証1部
NC装置の世界シェアは約50%、ロボットも世界トップクラス
工作機械向けNC(数値制御)装置で世界トップ。産業用ロボや小型切削加工機にも強い。本社工場棟を増築(今秋完成予定)し、射出成形機の生産能力を1.5倍に拡大へ。配当性向60%目安。19.3期1Qは増収増益。 記:2018/08/09
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