2018/1/31 8:07 FISCO 【日経新聞1面】サウジアラムコ、水素で日本と協力
サウジアラムコ、水素で日本と協力
サウジアラムコ、次世代エネで日本と協力、社長会見、脱・原油へ水素製造
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル社長兼最高経営責任者(CEO)は都内で日本経済新聞記者と会見した。原油販売への依存を減らすため、原油から水素を取り出す技術で日本企業と協議に入ったと明らかにした。
サウジはムハンマド皇太子を旗振り役に、原油の販売収入に頼った経済を見直す改革を進めている。アラムコ株を最大5%上場して1000億ドル(約11兆円)を調達し、民間企業の育成に投じる計画だ。アラムコは世界の原油生産の1割近くを握り、売り上げの大半を原油販売に依存する。
一方、英仏が将来のガソリン車販売を禁じる方針を打ち出すなど脱化石燃料の流れは加速している。このため将来の柱の一つとして「水素」の利用拡大に向け「原油から水素を取り出す技術の実用化を日本企業と議論している」と述べた。
水素関連のインフラ市場規模は50年に約160兆円になるとの試算がある。アラムコは豊富な埋蔵量を誇る原油から水素をつくることで、将来も原油から収益を得ると同時にエネルギー大国としての地位の維持を目指す。
関係者によると、経済産業省系の日本エネルギー経済研究所が日本側の窓口になる。日本は官民を挙げて水素産業の育成を進め、トヨタ自動車<7203>や川崎重工業<7012>、千代田化工建設<6366>などが水素ビジネスの実用化をリードする。アラムコと日本側はすでに実務者級の協議を複数回実施。年内にサウジ国内の試験プラント設置に向けた事業化調査で合意を目指しているようだ。地合いが懸念されるものの、足元で物色が下火となっていた水素関連に関心が向かう可能性も意しておきたい。
今年後半を目指すIPOによる資金調達額は過去最大だった中国のアリババ集団(約250億ドル)を大幅に上回る見通し。ニューヨークやロンドン、香港に加え東京市場も誘致に名乗りをあげる。ナセル氏は「上場市場は政府が最終的に決める」と述べるにとどめた。
サウジアラムコ、次世代エネで日本と協力、社長会見、脱・原油へ水素製造
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル社長兼最高経営責任者(CEO)は都内で日本経済新聞記者と会見した。原油販売への依存を減らすため、原油から水素を取り出す技術で日本企業と協議に入ったと明らかにした。
サウジはムハンマド皇太子を旗振り役に、原油の販売収入に頼った経済を見直す改革を進めている。アラムコ株を最大5%上場して1000億ドル(約11兆円)を調達し、民間企業の育成に投じる計画だ。アラムコは世界の原油生産の1割近くを握り、売り上げの大半を原油販売に依存する。
一方、英仏が将来のガソリン車販売を禁じる方針を打ち出すなど脱化石燃料の流れは加速している。このため将来の柱の一つとして「水素」の利用拡大に向け「原油から水素を取り出す技術の実用化を日本企業と議論している」と述べた。
水素関連のインフラ市場規模は50年に約160兆円になるとの試算がある。アラムコは豊富な埋蔵量を誇る原油から水素をつくることで、将来も原油から収益を得ると同時にエネルギー大国としての地位の維持を目指す。
関係者によると、経済産業省系の日本エネルギー経済研究所が日本側の窓口になる。日本は官民を挙げて水素産業の育成を進め、トヨタ自動車<7203>や川崎重工業<7012>、千代田化工建設<6366>などが水素ビジネスの実用化をリードする。アラムコと日本側はすでに実務者級の協議を複数回実施。年内にサウジ国内の試験プラント設置に向けた事業化調査で合意を目指しているようだ。地合いが懸念されるものの、足元で物色が下火となっていた水素関連に関心が向かう可能性も意しておきたい。
今年後半を目指すIPOによる資金調達額は過去最大だった中国のアリババ集団(約250億ドル)を大幅に上回る見通し。ニューヨークやロンドン、香港に加え東京市場も誘致に名乗りをあげる。ナセル氏は「上場市場は政府が最終的に決める」と述べるにとどめた。
関連銘柄 3件
・千代田化工建設(6366)東証1部
水素ビジネスの実用化をリード
総合エンジニアリング国内2位。中東など海外で石油・ガスプラントの施工実績豊富。三菱商事が筆頭株主。海外拠点の統廃合でコスト圧縮。中計では21.3期に純利益200億円を目指す。18.3期2Qは利益大幅悪化。 記:2017/12/30
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総合エンジニアリング国内2位。中東など海外で石油・ガスプラントの施工実績豊富。三菱商事が筆頭株主。海外拠点の統廃合でコスト圧縮。中計では21.3期に純利益200億円を目指す。18.3期2Qは利益大幅悪化。 記:2017/12/30
・川崎重工業(7012)東証1部
水素ビジネスの実用化をリード
総合重機大手。発電設備や二輪車、造船、鉄道車両、航空・宇宙、精密機械など幅広く手掛ける。不振続く造船部門は事業規模縮小。産業ロボや建機向け油圧機器を増強へ。配当性向30%メド。18.3期2Qは利益急回復。 記:2017/10/28
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総合重機大手。発電設備や二輪車、造船、鉄道車両、航空・宇宙、精密機械など幅広く手掛ける。不振続く造船部門は事業規模縮小。産業ロボや建機向け油圧機器を増強へ。配当性向30%メド。18.3期2Qは利益急回復。 記:2017/10/28
・トヨタ自動車(7203)東証1部
水素ビジネスの実用化をリード
自動車世界大手。傘下に日野やダイハツなど。SUBARUやマツダ、スズキと資本業務提携。北米に強み。環境技術にも定評。EV開発でマツダらと連合。パナソニックと二次電池で協業検討へ。18.3期2Qは最終増益。 記:2018/01/03
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自動車世界大手。傘下に日野やダイハツなど。SUBARUやマツダ、スズキと資本業務提携。北米に強み。環境技術にも定評。EV開発でマツダらと連合。パナソニックと二次電池で協業検討へ。18.3期2Qは最終増益。 記:2018/01/03