話題株ピックアップ【夕刊】(1):大紀ア、フォスター、セリア・(2):OBARAG、サイバー、資生堂・(3):ブロッコリー、アエリア、ミライアル
■大紀アルミニウム工業所 <5702> 831円 +60 円 (+7.8%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
大紀アルミニウム工業所<5702>が大幅高で6連騰。株価を一気に800円台に乗せ連日の年初来高値更新となった。この間に株価はほぼ30%の上昇をみせている。ここ非鉄市況の上昇が目立つが金市況や銅市況だけでなくアルミ市況の上昇も顕著だ。世界的な電気自動車(EV)シフトの動きが目立つが、これは自動車本体の軽量化ニーズを加速させることでアルミ需要が高まるとの見方が強まっている。また、新興国で飲料缶市場が拡大していることもアルミ需給のタイト感を増幅させている。LMEアルミ価格は8月に入り上昇基調を強め、前日こそ上昇一服となったが、24日に終値ベースで1トン当たり2100ドル台を突破した。同社は再生アルミ地金のトップメーカーで市況上昇が株価を強く刺激する格好となっている。
■フォスター電機 <6794> 2,288円 +155 円 (+7.3%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
フォスター電機<6794>が大幅続伸、年初につけた高値2252円を上回り年初来高値を更新。同社株が2300円台をつけたのは昨年12月21日ザラ場以来。スピーカーの大手メーカーでスマートフォン用ヘッドセットなども手掛ける。米アップル社の有力サプライヤーであり、iPhone向けイヤホンなどで高水準の需要を確保しているとみられる。市場では、アップルが9月12日に新製品発表会を開催すると米メディアが報じたことが株価の刺激材料とみる向きもある。もっとも国内準大手証券によると「村田製作所<6981>やアルプス電気<6770>などは全体地合いに流され軟調で、必ずしもアップルの発表会に反応したものでもない。国内大手証券が目標株価を引き上げるなど強気の見方を示しているほか、直近でも国内証券のフォローがあったことで注目度がたかまった。信用買い残は枯れた状態で、日証金では逆日歩がついた状態にあるなど需給面で上値の軽さが意識されている」と指摘されている。
■セリア <2782> 5,960円 +360 円 (+6.4%) 本日終値
セリア<2782>が全般軟調地合いをものともせず上昇加速、約2カ月半ぶりに上場来高値を更新した。地政学リスクが意識されるなか主力株が手掛けにくい地合いだが、内需の好業績株に対する物色ニーズは引き続き旺盛だ。同社は100円ショップでも特色のある商品ラインアップで女性層を取り込むことに成功、業績好調が続いている。月次売上高も7月は既存店ベースで前年同月比2.2%増、全店ベースでは10.4%増と高い伸びを確保している。市場では「個人投資家は利益確定の売りを出す動きも目立っているが、一方で好業績・高ROEを背景に機関投資家の継続的な資金が入っているもよう」(国内ネット証券)という。また、きょうの上げ幅の大きさについては、朝方に上場来高値をブレークしたことで、これに追随する機械的な買いが株価を押し上げたとみる声が強い。
■アウトソーシング <2427> 7,280円 +340 円 (+4.9%) 本日終値
アウトソーシング <2427> が5日続伸し、連日で上場来高値を更新した。28日後場、9月30日現在の株主を対象に1→5の株式分割を実施すると発表したことが引き続き買い材料視された。最低投資金額が現在の5分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。また分割実施に伴い、株主優待制度における保有株数の基準を変更。さらに「100株以上」を新設し、1000円分のクオカード1枚を贈呈する。
■ベクトル <6058> 1,544円 +70 円 (+4.8%) 本日終値
ベクトル<6058>が大幅高。同社はきょう、ブロックチェーン技術を活用した株主管理サービスを手掛けるウィルズ(東京都港区)と資本提携したと発表しており、これが下支えとなったようだ。同社は、既に7月24日付で子会社のIRTVを通じてウィルズと業務提携しており、今回の資本提携は相互連携をさらに図ることが目的。具体的には、ウィルズが提供している「プレミアム優待倶楽部」をIRTVでもサービス提供することで、ベクトルとして質の高い株主支援IRサービスを提供するとしている。
■神鋼商事 <8075> 3,720円 +150 円 (+4.2%) 本日終値
神鋼商事<8075>は大幅反発し連日の新値追い。PER9倍水準、PBR0.7倍台と依然として割安水準にある。同社が7月31日に発表した18年3月期第1四半期(4~6月)の営業利益は、19億7200万円(前年同期比2.5倍)と大幅増益となった。これを受けて、18年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結営業利益を21億円から33億円(前年同期比76.8%増)へ増額した。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属のセグメントを中心に、主要製品の取扱量が増加したことに加え、価格上昇の効果も寄与した。また、海外現地法人でも、主要市場である米国、中国、東南アジアの各地域の業績が堅調に推移したことも貢献した。
■ACCESS <4813> 960円 +32 円 (+3.5%) 本日終値
28日、ACCESS <4813> [東証M]が決算を発表。18年1月期上期(2-7月)の連結経常損益は3億0400万円の黒字(前年同期は9700万円の赤字)に浮上し、従来予想の1億2000万円の黒字を上回って着地したことが買い材料視された。国内IoT分野でビーコンの販売が伸びたうえ、欧米向けネットワークOSが好調だったことが寄与。欧州部門で前期に発生した不採算案件がなくなったことも黒字浮上に貢献した。なお、業績上振れは欧米事業の案件受注前倒しによる売上計上時期の変動が要因。
■新日本電工 <5563> 443円 +13 円 (+3.0%) 本日終値
新日本電工<5563>は3日続伸。同社は9日、17年12月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を660億円から700億円(前期比19.7%増)へ、経常利益を40億円から80億円(同5.0倍)へ、最終損益を35億円から65億円(前期1億1600万円の赤字)へそれぞれ増額した。株価指標面では、PER10倍水準、PBR0.9倍台と依然として割安水準にある。主力の合金鉄事業が国際市況の上昇により好転していることや、為替レートが想定より円安で推移したことに加え、その他の事業も概ね堅調に推移したことが寄与している。また、同社がリチウムイオン電池正極材料のマンガン酸リチウムを手掛けていることも注目材料となっている。
■OBARA GROUP <6877> 6,040円 +80 円 (+1.3%) 本日終値
28日、OBARA GROUP <6877> が配当修正を発表。17年9月期の期末配当を従来計画の30円→80円(前期は60円)に大幅増額修正したことが買い材料視された。業績予想に対する進捗が堅調なことを踏まえ、株主への利益還元を増やす。第3四半期累計(16年10月-17年6月)最終利益の対通期計画進捗率は94.3%に達している。権利付き最終日を約1ヵ月後に控え、配当取りを狙う買いが向かった。
■サイバーエージェント <4751> 3,535円 +45 円 (+1.3%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>が3日続伸。この日、広告クリエイティブの自動生成を研究する専門組織「AIクリエイティブセンター」を設立したと発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。「AIクリエイティブセンター」は、最適・大量・高速なクリエイティブの開発および運用を目的に、広告クリエイティブの自動生成を研究し、最先端の広告クリエイティブの自動生成サービスの開発・提供を行う専門組織。また、第1弾のサービスとして、検索連動型広告のTD(タイトル&ディスクリプション=広告文のタイトルと説明文)を人工知能(AI)に機械学習させることでテキストラインティングの最適化かつ自動化を目指し、大量生成から入稿・差し変え・レポートまでを一貫して行うサービス「QSクリエイター」を開始したとしており、業績への貢献が期待されている。
■北國銀行 <8363> 491円 +6 円 (+1.2%) 本日終値
28日、北國銀行 <8363> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.83%にあたる850万株(金額で41億2250万円)を上限に、29日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は28日終値の485円)を実施する。と発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。
■小林製薬 <4967> 6,610円 +70 円 (+1.1%) 本日終値
小林製薬<4967>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で目標株価を6450円から6900円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、高粗利率商材である医薬品やスキンケアの拡販による粗利率の上昇、また、インバウンド関連の売り上げの増加を考慮し、17年12月期の営業利益予想を210億円から215億円(会社予想200億円)に上方修正。18年12月期も訪日顧客需要と化粧品など既存品の成長により、同225億円から229億円へ引き上げている。一方、広告宣伝投資増によりコンセンサス利益の上昇余地は限定的とみて、投資判断は「ニュートラル」を継続している。
■KHネオケム <4189> 2,879円 +30 円 (+1.1%) 本日終値
KHネオケム<4189>が地合い悪に抗して買い優勢、上場来高値を更新した。8月7日にマドを開けて買われたが、その後も目先筋の売り物をこなしマド埋め拒否の強い足をみせ、前週から一段と上放れの動きを強めている。同社はエアコン向け冷凍機油原料の大手メーカーで、化粧品原料などのファインケミカル分野も深耕する。化粧品はインバウンド消費の対象として今なお高水準の需要があり、同社の収益機会につながる。前期の44%営業増益に続き17年12月期は15%増の103億円と成長継続。環境保護の観点から代替フロンの伸びが今後加速する見通しにあることも追い風であり、「化粧品原料と代替フロンに相性良好な潤滑油原料が中期的に同社業績に貢献していくことが見込まれる」(国内中堅証券)と指摘されている。
■IIJ <3774> 2,043円 +18 円 (+0.9%) 本日終値
インターネットイニシアティブ<3774>が堅調。この日、米マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム Microsoft Azureの「CSP(Cloud Solution Provider)プログラム」で、国内の通信事業者として初の「インダイレクトプロバイダー」に認定されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。CSPプログラムは、マイクロソフトが全世界で展開するパートナー企業向けのプログラム。IIJはこれまでにも、CSPプログラムのダイレクトプロバイダーとして、Microsoft Azureを「IIJ GIO」サービスなどIIJが提供するサービスやアプリケーションと組み合わせて提供してきた。今回、新たにインダイレクトプロバイダーに認定されたことにより、Microsoft Azureを活用したビジネスを検討する企業に対して、パートナー企業が、顧客に提供するソリューションと組み合わせてワンストップ提供できるMicrosoft Azureライセンスや、顧客に対する従量課金の請求の仕組みなどを提供できるようになるとしている。
■資生堂 <4911> 4,541円 +26 円 (+0.6%) 本日終値
資生堂<4911>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で、投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を2500円から3200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。プレステージ化粧品への選択と集中による収益性の改善や、17年訪日客需要増による日本、中国、トラベルリテールの好業績などで、17年12月期の営業利益予想を479億円から543億円へ、18年12月期を同516億円から565億円へ上方修正したことが要因。ただ、好業績は織り込み済みとして投資判断は据え置いている。
■デンカ <4061> 705円 +4 円 (+0.6%) 本日終値
デンカ<4061>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で、目標株価を520円から660円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。エラストマー・機能樹脂と電子・先端プロダクツの利益予想を増額し、18年3月期の営業利益予想を290億円から350億円へ、19年3月期を同315億円から380億円へ上方修正したことが要因としている。ただ、第1四半期(4~6月)決算発表後から株価が急上昇したため、投資判断「ニュートラル」は継続するとしている。
■信越化学工業 <4063> 9,622円 +20 円 (+0.2%) 本日終値
信越化学工業<4063>が高い。同社は28日、米国でシリコーンの製造および販売を行う子会社シンエツ・シリコーンズ・オブ・アメリカ社のアクロン工場(米オハイオ州)の生産能力を増強すると発表。これが下支え材料となったようだ。アクロン工場は、成形用シリコーンゴムや接着およびシール用液状シリコーンゴム、化粧品用シリコーン、自動車や電子部品用の放熱シリコーンなどを生産している工場。新たに24億円を投資し、増強工事は19年半ばの完成を予定している。
■ブロッコリー <2706> 995円 -108 円 (-9.8%) 本日終値
ブロッコリー<2706>が反落。28日の取引終了後、KLab<3656>と共同開発したスマートフォン向けリズムアクションゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」の配信を開始したと発表しており、目先の材料出尽くし感から売りが優勢となった。なお、同タイトルでは、6月24日に事前登録を開始して以来、累計の事前登録者は150万人を突破していることから、ヒット化が期待されている。
■アエリア <3758> 2,350円 -64 円 (-2.7%) 本日終値
アエリア<3758>は反落。28日の取引終了後、子会社リベル・エンタテインメントが男性向けオリジナルタイトル「蒼焔の艦隊(そうえんのかんたい)」iOS/Android版を9月1日に正式サービスを開始すると発表したが、市場の反応は限定的のようだ。「蒼焔の艦隊」は声優陣に松本保典、堀内賢雄、稲田徹、中田譲治、神田沙也加(敬称略、以下同)を起用、またナレーションには沢城みゆきを迎え、本格的な海戦ゲームの臨場感をスマートフォンで手軽に楽しむことができるのが特徴。7月3日に開始した事前登録では28日に登録者数10万人を突破している。
■アスクル <2678> 3,285円 -80 円 (-2.4%) 本日終値
アスクル<2678>が反落。28日の取引終了後に発表した8月度(7月21日~8月20日)の月次単体売上高が、前年同月比3.8%減と3カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。主力分野のBtoB事業で前年に比べて平日が1日少ない影響が出たほか、企業における夏季休暇の長期化による影響も大きかったという。一方、LOHACOは同17.9%減だった。
■DyDo <2590> 5,430円 -110 円 (-2.0%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>が4日続落。28日の取引終了後に発表した第2四半期累計(1月21日~7月20日)連結決算が、売上高868億300万円(前年同期比0.8%増)、営業利益21億5800万円(同5.3%減)、純利益11億3300万円(同41.1%減)と増収減益で着地したことが嫌気された。国内飲料事業や医薬品関連事業が伸長し売上高は増収を確保したが、海外飲料事業がトルコリラ安による輸入原材料高騰の影響を受けて減益となったことなどから減益を余儀なくされたという。なお、18年1月期通期業績予想は、売上高1755億円(前期比2.4%増)、営業利益53億円(同37.4%増)、純利益30億円(同8.2%減)の従来見通しを据え置いている。
■電通 <4324> 4,605円 -90 円 (-1.9%) 本日終値
電通<4324>が3日ぶりに反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は28日、同社株の目標株価を5910円から4330円へ引き下げた。レーティングの「ニュートラル」は継続した。事業環境の悪化と競争力の劣化でEBITDA予想を下方修正している。今後3年間は年平均ゼロ成長を予想していたが、今回1.1%減とマイナス成長に見直している。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,050円 -2.5 円 (-0.2%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、日本海洋掘削<1606>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株が軟調。米南部テキサス州に上陸したハリケーン「ハービー」の被害が及ぼす経済への影響が懸念されるなか、テキサス州沿岸部に集中する製油所の休止に伴う目先の原油のだぶつきが原油市況安を招いている。前日のWTI原油先物価格は1ドル30セント安の1バレル=46ドル57セントと急落、シェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー株も値を下げており、この流れが東京市場にも波及している。
■ミライアル <4238> 1,442円 +300 円 (+26.3%) ストップ高 本日終値
28日、ミライアル <4238> が18年1月期上期(2-7月)の連結経常利益を従来予想の4.4億円→8.5億円に93.2%上方修正。増益率が46.2%増→2.8倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。世界的な半導体需要の拡大を追い風に、主力のシリコンウエハー容器の販売が好調で、売上が計画を20.4%も上回ったことが利益を押し上げた。なお、通期の業績見通しは引き続き開示しなかった。
■海帆 <3133> 777円 +100 円 (+14.8%) ストップ高 本日終値
28日、海帆 <3133> [東証M]が認知度向上や来店顧客拡大をめざし、株主優待制度を拡充すると発表しており、これを好材料視する買いが向かっているようだ。100株以上を保有する株主に贈呈している「食事優待券」を年間1000円分増額するほか、新たに食事割引券(20%割引)を年間20枚贈呈する。また、200株以上保有株主への「全国共通おこめ券」(年2回贈呈)を3kg相当→4kg相当に増やす。
●ストップ高銘柄
ホリイフードサービス <3077> 1,063円 +150 円 (+16.4%) ストップ高 本日終値
プレミアムW <2588> 1,072円 +150 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
デジタルアドベンチャー <4772> 786円 +100 円 (+14.6%) ストップ高 本日終値
など、5銘柄
●ストップ安銘柄
なし
大紀アルミニウム工業所<5702>が大幅高で6連騰。株価を一気に800円台に乗せ連日の年初来高値更新となった。この間に株価はほぼ30%の上昇をみせている。ここ非鉄市況の上昇が目立つが金市況や銅市況だけでなくアルミ市況の上昇も顕著だ。世界的な電気自動車(EV)シフトの動きが目立つが、これは自動車本体の軽量化ニーズを加速させることでアルミ需要が高まるとの見方が強まっている。また、新興国で飲料缶市場が拡大していることもアルミ需給のタイト感を増幅させている。LMEアルミ価格は8月に入り上昇基調を強め、前日こそ上昇一服となったが、24日に終値ベースで1トン当たり2100ドル台を突破した。同社は再生アルミ地金のトップメーカーで市況上昇が株価を強く刺激する格好となっている。
■フォスター電機 <6794> 2,288円 +155 円 (+7.3%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
フォスター電機<6794>が大幅続伸、年初につけた高値2252円を上回り年初来高値を更新。同社株が2300円台をつけたのは昨年12月21日ザラ場以来。スピーカーの大手メーカーでスマートフォン用ヘッドセットなども手掛ける。米アップル社の有力サプライヤーであり、iPhone向けイヤホンなどで高水準の需要を確保しているとみられる。市場では、アップルが9月12日に新製品発表会を開催すると米メディアが報じたことが株価の刺激材料とみる向きもある。もっとも国内準大手証券によると「村田製作所<6981>やアルプス電気<6770>などは全体地合いに流され軟調で、必ずしもアップルの発表会に反応したものでもない。国内大手証券が目標株価を引き上げるなど強気の見方を示しているほか、直近でも国内証券のフォローがあったことで注目度がたかまった。信用買い残は枯れた状態で、日証金では逆日歩がついた状態にあるなど需給面で上値の軽さが意識されている」と指摘されている。
■セリア <2782> 5,960円 +360 円 (+6.4%) 本日終値
セリア<2782>が全般軟調地合いをものともせず上昇加速、約2カ月半ぶりに上場来高値を更新した。地政学リスクが意識されるなか主力株が手掛けにくい地合いだが、内需の好業績株に対する物色ニーズは引き続き旺盛だ。同社は100円ショップでも特色のある商品ラインアップで女性層を取り込むことに成功、業績好調が続いている。月次売上高も7月は既存店ベースで前年同月比2.2%増、全店ベースでは10.4%増と高い伸びを確保している。市場では「個人投資家は利益確定の売りを出す動きも目立っているが、一方で好業績・高ROEを背景に機関投資家の継続的な資金が入っているもよう」(国内ネット証券)という。また、きょうの上げ幅の大きさについては、朝方に上場来高値をブレークしたことで、これに追随する機械的な買いが株価を押し上げたとみる声が強い。
■アウトソーシング <2427> 7,280円 +340 円 (+4.9%) 本日終値
アウトソーシング <2427> が5日続伸し、連日で上場来高値を更新した。28日後場、9月30日現在の株主を対象に1→5の株式分割を実施すると発表したことが引き続き買い材料視された。最低投資金額が現在の5分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。また分割実施に伴い、株主優待制度における保有株数の基準を変更。さらに「100株以上」を新設し、1000円分のクオカード1枚を贈呈する。
■ベクトル <6058> 1,544円 +70 円 (+4.8%) 本日終値
ベクトル<6058>が大幅高。同社はきょう、ブロックチェーン技術を活用した株主管理サービスを手掛けるウィルズ(東京都港区)と資本提携したと発表しており、これが下支えとなったようだ。同社は、既に7月24日付で子会社のIRTVを通じてウィルズと業務提携しており、今回の資本提携は相互連携をさらに図ることが目的。具体的には、ウィルズが提供している「プレミアム優待倶楽部」をIRTVでもサービス提供することで、ベクトルとして質の高い株主支援IRサービスを提供するとしている。
■神鋼商事 <8075> 3,720円 +150 円 (+4.2%) 本日終値
神鋼商事<8075>は大幅反発し連日の新値追い。PER9倍水準、PBR0.7倍台と依然として割安水準にある。同社が7月31日に発表した18年3月期第1四半期(4~6月)の営業利益は、19億7200万円(前年同期比2.5倍)と大幅増益となった。これを受けて、18年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結営業利益を21億円から33億円(前年同期比76.8%増)へ増額した。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属のセグメントを中心に、主要製品の取扱量が増加したことに加え、価格上昇の効果も寄与した。また、海外現地法人でも、主要市場である米国、中国、東南アジアの各地域の業績が堅調に推移したことも貢献した。
■ACCESS <4813> 960円 +32 円 (+3.5%) 本日終値
28日、ACCESS <4813> [東証M]が決算を発表。18年1月期上期(2-7月)の連結経常損益は3億0400万円の黒字(前年同期は9700万円の赤字)に浮上し、従来予想の1億2000万円の黒字を上回って着地したことが買い材料視された。国内IoT分野でビーコンの販売が伸びたうえ、欧米向けネットワークOSが好調だったことが寄与。欧州部門で前期に発生した不採算案件がなくなったことも黒字浮上に貢献した。なお、業績上振れは欧米事業の案件受注前倒しによる売上計上時期の変動が要因。
■新日本電工 <5563> 443円 +13 円 (+3.0%) 本日終値
新日本電工<5563>は3日続伸。同社は9日、17年12月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を660億円から700億円(前期比19.7%増)へ、経常利益を40億円から80億円(同5.0倍)へ、最終損益を35億円から65億円(前期1億1600万円の赤字)へそれぞれ増額した。株価指標面では、PER10倍水準、PBR0.9倍台と依然として割安水準にある。主力の合金鉄事業が国際市況の上昇により好転していることや、為替レートが想定より円安で推移したことに加え、その他の事業も概ね堅調に推移したことが寄与している。また、同社がリチウムイオン電池正極材料のマンガン酸リチウムを手掛けていることも注目材料となっている。
■OBARA GROUP <6877> 6,040円 +80 円 (+1.3%) 本日終値
28日、OBARA GROUP <6877> が配当修正を発表。17年9月期の期末配当を従来計画の30円→80円(前期は60円)に大幅増額修正したことが買い材料視された。業績予想に対する進捗が堅調なことを踏まえ、株主への利益還元を増やす。第3四半期累計(16年10月-17年6月)最終利益の対通期計画進捗率は94.3%に達している。権利付き最終日を約1ヵ月後に控え、配当取りを狙う買いが向かった。
■サイバーエージェント <4751> 3,535円 +45 円 (+1.3%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>が3日続伸。この日、広告クリエイティブの自動生成を研究する専門組織「AIクリエイティブセンター」を設立したと発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。「AIクリエイティブセンター」は、最適・大量・高速なクリエイティブの開発および運用を目的に、広告クリエイティブの自動生成を研究し、最先端の広告クリエイティブの自動生成サービスの開発・提供を行う専門組織。また、第1弾のサービスとして、検索連動型広告のTD(タイトル&ディスクリプション=広告文のタイトルと説明文)を人工知能(AI)に機械学習させることでテキストラインティングの最適化かつ自動化を目指し、大量生成から入稿・差し変え・レポートまでを一貫して行うサービス「QSクリエイター」を開始したとしており、業績への貢献が期待されている。
■北國銀行 <8363> 491円 +6 円 (+1.2%) 本日終値
28日、北國銀行 <8363> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.83%にあたる850万株(金額で41億2250万円)を上限に、29日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は28日終値の485円)を実施する。と発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。
■小林製薬 <4967> 6,610円 +70 円 (+1.1%) 本日終値
小林製薬<4967>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で目標株価を6450円から6900円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、高粗利率商材である医薬品やスキンケアの拡販による粗利率の上昇、また、インバウンド関連の売り上げの増加を考慮し、17年12月期の営業利益予想を210億円から215億円(会社予想200億円)に上方修正。18年12月期も訪日顧客需要と化粧品など既存品の成長により、同225億円から229億円へ引き上げている。一方、広告宣伝投資増によりコンセンサス利益の上昇余地は限定的とみて、投資判断は「ニュートラル」を継続している。
■KHネオケム <4189> 2,879円 +30 円 (+1.1%) 本日終値
KHネオケム<4189>が地合い悪に抗して買い優勢、上場来高値を更新した。8月7日にマドを開けて買われたが、その後も目先筋の売り物をこなしマド埋め拒否の強い足をみせ、前週から一段と上放れの動きを強めている。同社はエアコン向け冷凍機油原料の大手メーカーで、化粧品原料などのファインケミカル分野も深耕する。化粧品はインバウンド消費の対象として今なお高水準の需要があり、同社の収益機会につながる。前期の44%営業増益に続き17年12月期は15%増の103億円と成長継続。環境保護の観点から代替フロンの伸びが今後加速する見通しにあることも追い風であり、「化粧品原料と代替フロンに相性良好な潤滑油原料が中期的に同社業績に貢献していくことが見込まれる」(国内中堅証券)と指摘されている。
■IIJ <3774> 2,043円 +18 円 (+0.9%) 本日終値
インターネットイニシアティブ<3774>が堅調。この日、米マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム Microsoft Azureの「CSP(Cloud Solution Provider)プログラム」で、国内の通信事業者として初の「インダイレクトプロバイダー」に認定されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。CSPプログラムは、マイクロソフトが全世界で展開するパートナー企業向けのプログラム。IIJはこれまでにも、CSPプログラムのダイレクトプロバイダーとして、Microsoft Azureを「IIJ GIO」サービスなどIIJが提供するサービスやアプリケーションと組み合わせて提供してきた。今回、新たにインダイレクトプロバイダーに認定されたことにより、Microsoft Azureを活用したビジネスを検討する企業に対して、パートナー企業が、顧客に提供するソリューションと組み合わせてワンストップ提供できるMicrosoft Azureライセンスや、顧客に対する従量課金の請求の仕組みなどを提供できるようになるとしている。
■資生堂 <4911> 4,541円 +26 円 (+0.6%) 本日終値
資生堂<4911>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で、投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を2500円から3200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。プレステージ化粧品への選択と集中による収益性の改善や、17年訪日客需要増による日本、中国、トラベルリテールの好業績などで、17年12月期の営業利益予想を479億円から543億円へ、18年12月期を同516億円から565億円へ上方修正したことが要因。ただ、好業績は織り込み済みとして投資判断は据え置いている。
■デンカ <4061> 705円 +4 円 (+0.6%) 本日終値
デンカ<4061>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で、目標株価を520円から660円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。エラストマー・機能樹脂と電子・先端プロダクツの利益予想を増額し、18年3月期の営業利益予想を290億円から350億円へ、19年3月期を同315億円から380億円へ上方修正したことが要因としている。ただ、第1四半期(4~6月)決算発表後から株価が急上昇したため、投資判断「ニュートラル」は継続するとしている。
■信越化学工業 <4063> 9,622円 +20 円 (+0.2%) 本日終値
信越化学工業<4063>が高い。同社は28日、米国でシリコーンの製造および販売を行う子会社シンエツ・シリコーンズ・オブ・アメリカ社のアクロン工場(米オハイオ州)の生産能力を増強すると発表。これが下支え材料となったようだ。アクロン工場は、成形用シリコーンゴムや接着およびシール用液状シリコーンゴム、化粧品用シリコーン、自動車や電子部品用の放熱シリコーンなどを生産している工場。新たに24億円を投資し、増強工事は19年半ばの完成を予定している。
■ブロッコリー <2706> 995円 -108 円 (-9.8%) 本日終値
ブロッコリー<2706>が反落。28日の取引終了後、KLab<3656>と共同開発したスマートフォン向けリズムアクションゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」の配信を開始したと発表しており、目先の材料出尽くし感から売りが優勢となった。なお、同タイトルでは、6月24日に事前登録を開始して以来、累計の事前登録者は150万人を突破していることから、ヒット化が期待されている。
■アエリア <3758> 2,350円 -64 円 (-2.7%) 本日終値
アエリア<3758>は反落。28日の取引終了後、子会社リベル・エンタテインメントが男性向けオリジナルタイトル「蒼焔の艦隊(そうえんのかんたい)」iOS/Android版を9月1日に正式サービスを開始すると発表したが、市場の反応は限定的のようだ。「蒼焔の艦隊」は声優陣に松本保典、堀内賢雄、稲田徹、中田譲治、神田沙也加(敬称略、以下同)を起用、またナレーションには沢城みゆきを迎え、本格的な海戦ゲームの臨場感をスマートフォンで手軽に楽しむことができるのが特徴。7月3日に開始した事前登録では28日に登録者数10万人を突破している。
■アスクル <2678> 3,285円 -80 円 (-2.4%) 本日終値
アスクル<2678>が反落。28日の取引終了後に発表した8月度(7月21日~8月20日)の月次単体売上高が、前年同月比3.8%減と3カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。主力分野のBtoB事業で前年に比べて平日が1日少ない影響が出たほか、企業における夏季休暇の長期化による影響も大きかったという。一方、LOHACOは同17.9%減だった。
■DyDo <2590> 5,430円 -110 円 (-2.0%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>が4日続落。28日の取引終了後に発表した第2四半期累計(1月21日~7月20日)連結決算が、売上高868億300万円(前年同期比0.8%増)、営業利益21億5800万円(同5.3%減)、純利益11億3300万円(同41.1%減)と増収減益で着地したことが嫌気された。国内飲料事業や医薬品関連事業が伸長し売上高は増収を確保したが、海外飲料事業がトルコリラ安による輸入原材料高騰の影響を受けて減益となったことなどから減益を余儀なくされたという。なお、18年1月期通期業績予想は、売上高1755億円(前期比2.4%増)、営業利益53億円(同37.4%増)、純利益30億円(同8.2%減)の従来見通しを据え置いている。
■電通 <4324> 4,605円 -90 円 (-1.9%) 本日終値
電通<4324>が3日ぶりに反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は28日、同社株の目標株価を5910円から4330円へ引き下げた。レーティングの「ニュートラル」は継続した。事業環境の悪化と競争力の劣化でEBITDA予想を下方修正している。今後3年間は年平均ゼロ成長を予想していたが、今回1.1%減とマイナス成長に見直している。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,050円 -2.5 円 (-0.2%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、日本海洋掘削<1606>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株が軟調。米南部テキサス州に上陸したハリケーン「ハービー」の被害が及ぼす経済への影響が懸念されるなか、テキサス州沿岸部に集中する製油所の休止に伴う目先の原油のだぶつきが原油市況安を招いている。前日のWTI原油先物価格は1ドル30セント安の1バレル=46ドル57セントと急落、シェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー株も値を下げており、この流れが東京市場にも波及している。
■ミライアル <4238> 1,442円 +300 円 (+26.3%) ストップ高 本日終値
28日、ミライアル <4238> が18年1月期上期(2-7月)の連結経常利益を従来予想の4.4億円→8.5億円に93.2%上方修正。増益率が46.2%増→2.8倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。世界的な半導体需要の拡大を追い風に、主力のシリコンウエハー容器の販売が好調で、売上が計画を20.4%も上回ったことが利益を押し上げた。なお、通期の業績見通しは引き続き開示しなかった。
■海帆 <3133> 777円 +100 円 (+14.8%) ストップ高 本日終値
28日、海帆 <3133> [東証M]が認知度向上や来店顧客拡大をめざし、株主優待制度を拡充すると発表しており、これを好材料視する買いが向かっているようだ。100株以上を保有する株主に贈呈している「食事優待券」を年間1000円分増額するほか、新たに食事割引券(20%割引)を年間20枚贈呈する。また、200株以上保有株主への「全国共通おこめ券」(年2回贈呈)を3kg相当→4kg相当に増やす。
●ストップ高銘柄
ホリイフードサービス <3077> 1,063円 +150 円 (+16.4%) ストップ高 本日終値
プレミアムW <2588> 1,072円 +150 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
デジタルアドベンチャー <4772> 786円 +100 円 (+14.6%) ストップ高 本日終値
など、5銘柄
●ストップ安銘柄
なし