2017/4/24 8:34 FISCO 【日経新聞1面】決算を中心とした物色も、宇宙関連銘柄の一角への物色も意識
決算を中心とした物色も、宇宙関連銘柄の一角への物色も意識宇宙ビジネス参入支援、政府事故賠償の補償拡充、民間市場を育成政府は企業が「宇宙ビジネス」に参入する事業環境を整えると報じられている。民間が打ち上げた人工衛星の事故で損害賠償が起きた時、政府が一部補償する仕組みを検討する他、有望なベンチャーも政府系金融機関から融資を受けやすくするようだ。欧米では企業による宇宙ビジネスが活発だが、日本は政府の宇宙開発が中心となっており、民間参入を促し、新たな市場を育てる狙いがあるもよう。 宇宙ビジネスについては、既に世界で2000億ドル市場との調査がある。シンガポールの宇宙ベンチャーのアストロスケールはデブリ(宇宙ごみ)を除去する小型衛星を19年前半にも打ち上げる計画。アメリカのスペースXは4000基以上の衛星を活用して全世界にインターネット接続サービスを提供する構想を明らかにするなど、海外勢の動向が注目を集めている。 その一方で日本は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが主導する形での開発やビジネスが目立つ。政府はこの状況を打破するべく、宇宙ビジネスを進めるための「宇宙産業ビジョン」を5月にまとめ、新たな法整備を推進していくようだ。法整備の柱は、衛星を巡る事故でのリスク抑制だ。打ち上げた衛星が他社の衛星に衝突すると、多額の損害賠償を求められる危険性がある。現在は、衛星打ち上げ時の落下事故などに対して、民間保険と政府補償を組み合わせた対策が講じられている。この仕組みを宇宙空間にも広げていく方向で検討を進めていくようだ。早ければ18年の通常国会に関連法の改正案を出し、仕組みを整備するもよう。また、年内に宇宙分野のビジネスコンテストを立ち上げ、優秀な企業には政府系金融機関や産業革新機構などに橋渡しをするなど、有望ベンチャー発掘にも注力していく。 本日は、仏大統領選第1回投票の結果を受けた市場反応を見極めたいとの思惑や北朝鮮リスクなども意識されるなか、物色については決算発表を手がかりとした流れになりやすい。しかし、日本初のロケット搭載電子機器メーカーである明星電<6709>、小型衛星開発で関心を集めているキヤノン電子<7739>、JAXAと国産ロケット「H2A」打ち上げに成功した三菱重工業<7011>など、宇宙関連銘柄の一角に物色が向かう展開も意識しておきたい。
関連銘柄 3件
・明星電気(6709)東証2部
宇宙防衛関連
気象防災関連や宇宙防衛関連の機器・ソフトウェア開発などを展開。親会社のIHI向け販売が全体の17%を占める。複数案件で進捗遅れ、ソフトウェア不具合など発生。17.3期3Qは利益厳しく通期予想も。無配へ。 記:2017/02/28
宇宙防衛関連
気象防災関連や宇宙防衛関連の機器・ソフトウェア開発などを展開。親会社のIHI向け販売が全体の17%を占める。複数案件で進捗遅れ、ソフトウェア不具合など発生。17.3期3Qは利益厳しく通期予想も。無配へ。 記:2017/02/28
・キヤノン電子(7739)東証1部
小型衛星開発
キヤノン子会でビジネス向けドキュメントスキャナーや携帯情報端末などを開発・生産、各国販売会社に卸す。主力のデジカメ用シャッターユニットなどが市場縮小の影響で不振。17年12月純利益は前年比20.1%減。 記:2017/03/30
小型衛星開発
キヤノン子会でビジネス向けドキュメントスキャナーや携帯情報端末などを開発・生産、各国販売会社に卸す。主力のデジカメ用シャッターユニットなどが市場縮小の影響で不振。17年12月純利益は前年比20.1%減。 記:2017/03/30
・三菱重工業(7011)東証1部
国産ロケット「H2A」
総合重機で国内トップ。発電設備や航空機分担品、交通システム、造船、機械などを手掛ける。17.3期は航空機分担品が減速。開発遅延を繰り返す国産ジェット旅客機「MRJ」の開発も重い。前期の客船関連特損は減少。 記:2017/02/28
国産ロケット「H2A」
総合重機で国内トップ。発電設備や航空機分担品、交通システム、造船、機械などを手掛ける。17.3期は航空機分担品が減速。開発遅延を繰り返す国産ジェット旅客機「MRJ」の開発も重い。前期の客船関連特損は減少。 記:2017/02/28