2017/4/22 16:07 FISCO
先週の日経平均は上昇。週初は警戒されていた15日の北朝鮮金日成国家主席の生誕105周年の行事は通過したが、翌16日、北朝鮮は再び弾道ミサイル発射を強行。直後に爆発し、失敗に終わったもようだが、地政学リスクへの警戒から売り優勢の展開となった。また、欧州市場などがイースターマンデーの祝日で休場だったため、引き続き海外勢のフローは限られており、こう着感の強い相場展開に。しかし、祝日明けの米国市場は、地政学的リスクが高まっていた反動から、決算評価の流れもあって金融やハイテクセクターを中心に買い戻しが入った。また、ムニューシン米財務長官は20日、トランプ政権が税制改革案を「間もなく」発表する予定だとし、抜本的な税制改革が実現すると言明。「レーガン政権以来、最も大幅な税制変更になる」としており、トランプ政権への期待感が再燃する中、日本株市場も買い戻しとみられる流れから、リバウンド基調が強まっていた。 今週は23日日曜日の仏大統領選第1回投票の結果を受けた市場反応を見極める必要がある。4候補が世論調査の誤差の範囲内でひしめき合う大混戦となっていることもあり、市場参加者にとっても影響は見極めづらいところである。市場はユーロ圏離脱の公約を掲げている極右政党・国民戦線(FN)を率いるルペン氏とする「リペンリスク」を警戒。もっとも、市場は最悪のリスクを警戒していた面もあり、イベント通過から過度のリスク警戒は和らぐ可能性はある。一先ずアク抜けに向かいやすく、本格化する決算シーズンに向けて、業績面を手掛かりとした物色に向かわせそうだ。 先週はこれまで低迷していた輸出関連へも買い戻しとみられる動きが出ていたが、不透明要因が払拭されてくるようであれば、出遅れ修正への期待も高まる。また、トランプ政権の政策期待の高まりからトランプ物色が再燃する流れも期待されてきそうだ。その他、投資主体別売買動向では現物と先物合算で外国人が6週ぶりに買い越しとなった。明確な底打ちは見極めが必要であろうが、トランプ政権への期待感が高まる中、海外勢の需給状況にも変化が見られてきたことは安心感につながる。日経平均は3月からの調整で昨年11月以来の水準まで下げおり、いったんはリバウンドが期待されてきそうだ。とはいえ、週後半から大型連休に入るため、次第に短期的な値幅取り狙いが中心になりやすいと考えられる。決算を手掛かりとした日替わり物色に向かいそうだ。 主要企業に先駆けて20日に決算発表した安川電機<6506>は想定線といったところで利食いに向かったが、18年2月期(変則決算)の純利益は実質的に過去最高を更新する見込みであり、改めて評価されよう。今週は25日の日本電産<6594>やシマノ<7309>、26日はキヤノン<7751>や花王<4452>、27日はファナック<6954>や任天堂<7974>、コマツ<6301>、アドバンテスト<6857>、前半戦のピークとなる28日にはソニー<6758>やホンダ<7267>などが予定される。欧州政治情勢やシリア・北朝鮮の地政学リスクへの警戒から調整が続いていたこともあり、決算がアク抜けにつながり展開も意識されよう。 25日には北朝鮮人民軍創軍85周年があり、再び軍事的な挑発に踏み切る可能性に注意が必要ではある。先週末にはロシア国軍が北朝鮮との国境に向けて装備や部隊を移動させているとの一部報道(大統領府はコメント拒否)もあり、警戒感が高まりそうである。27日は欧州中央銀行(ECB)政策委員会、28日は米政府の暫定予算期限などがある。北朝鮮については、新たな挑発行動に出なければ、一先ずリスクは後退することになり、ECBの政策判断は現状維持が見込まれるほか、米政府の暫定予算期限についても市場で懸念する向きは少ないようだ。国内では26、27両日に日本銀行の金融政策決定会合が開かれるが、現状維持が予想される。海外勢の需給変化がみられるなか、イベント通過と共に決算を手掛かりとした物色が強まるといった、投資家のセンチメントの変化が期待される。
関連銘柄 11件
4452 東証1部 花王
+12 (0.2%)
時価総額 3,038,310百万円
家庭用品国内最大手。衣料用洗剤などでシェア首位。化粧品も資生堂に次ぐ2位。16.12期は増益での着地に。17.12期年間配当を前期比14円増の108円を計画、日本企業で唯一の28期連続増配となる見通し。 記:2017/04/04
6,138
4/21 15:00+12 (0.2%)
時価総額 3,038,310百万円
家庭用品国内最大手。衣料用洗剤などでシェア首位。化粧品も資生堂に次ぐ2位。16.12期は増益での着地に。17.12期年間配当を前期比14円増の108円を計画、日本企業で唯一の28期連続増配となる見通し。 記:2017/04/04
6301 東証1部 小松製作所
+98 (3.68%)
時価総額 2,686,520百万円
油圧ショベルなど建設機械の国内トップで世界でも第2位。鉱山機械や産業機械も幅広く展開。IT技術を積極的に活用。米国鉱山機械メーカーのジョイ・グローバル買収。戦略市場低迷や円高が影響し17.3期3Qは苦戦。 記:2017/04/04
2,764
4/21 15:00+98 (3.68%)
時価総額 2,686,520百万円
油圧ショベルなど建設機械の国内トップで世界でも第2位。鉱山機械や産業機械も幅広く展開。IT技術を積極的に活用。米国鉱山機械メーカーのジョイ・グローバル買収。戦略市場低迷や円高が影響し17.3期3Qは苦戦。 記:2017/04/04
6506 東証1部 安川電機
-60 (-2.91%)
時価総額 534,180百万円
産業用メカトロニクス製品のメーカー。サーボモータ等で世界首位。好調な海外市場に注力。2018年度に営業利益率10%以上、営業利益450億円を目指す。ロボット市場拡大。欧米での自動車・一般産業向け堅調。 記:2017/04/01
2,003
4/21 15:00-60 (-2.91%)
時価総額 534,180百万円
産業用メカトロニクス製品のメーカー。サーボモータ等で世界首位。好調な海外市場に注力。2018年度に営業利益率10%以上、営業利益450億円を目指す。ロボット市場拡大。欧米での自動車・一般産業向け堅調。 記:2017/04/01
6594 東証1部 日本電産
+154 (1.54%)
時価総額 3,021,669百万円
HDD用小型精密モータでトップ。積極的なM&Aで車載・家電用モータの強化を図り、総合モータ会社に転換。17年2月には新たに米電機大手の産業用モータ事業を取得。17.3期は車載用・産業用モータが収益を牽引。 記:2017/02/28
10,135
4/21 15:00+154 (1.54%)
時価総額 3,021,669百万円
HDD用小型精密モータでトップ。積極的なM&Aで車載・家電用モータの強化を図り、総合モータ会社に転換。17年2月には新たに米電機大手の産業用モータ事業を取得。17.3期は車載用・産業用モータが収益を牽引。 記:2017/02/28
6758 東証1部 ソニー
+21 (0.59%)
時価総額 4,538,808百万円
大手電機メーカー。エレキ製品やエンタメ、金融サービス事業等を展開。イメージセンサー好調。プレイステーションVR貢献でゲーム分野も堅調。17.3期3Q業績は映画分野の減損響く。4Qは1ドル118円前後想定。 記:2017/02/07
3,592
4/21 15:00+21 (0.59%)
時価総額 4,538,808百万円
大手電機メーカー。エレキ製品やエンタメ、金融サービス事業等を展開。イメージセンサー好調。プレイステーションVR貢献でゲーム分野も堅調。17.3期3Q業績は映画分野の減損響く。4Qは1ドル118円前後想定。 記:2017/02/07
6857 東証1部 アドバンテスト
+61 (3.03%)
時価総額 413,902百万円
半導体の検査装置が主力。電子ビーム露光装置なども扱う。17.3期3Qは、売上、利益両面で円高影響を受けるも、高採算製品の比率拡大で大幅増益。テストシステムの需要拡大見通しなど背景に通期計画を上方修正。 記:2017/01/30
2,074
4/21 15:00+61 (3.03%)
時価総額 413,902百万円
半導体の検査装置が主力。電子ビーム露光装置なども扱う。17.3期3Qは、売上、利益両面で円高影響を受けるも、高採算製品の比率拡大で大幅増益。テストシステムの需要拡大見通しなど背景に通期計画を上方修正。 記:2017/01/30
6954 東証1部 ファナック
+195 (0.88%)
時価総額 4,568,174百万円
NC(数値制御)装置や産業用ロボットの世界的なトップメーカ。連結配当性向60%を基本方針とするなど株主還元策を強化。ロボットのオートメーション化などが浸透しており北米市場で好調推移。アジアも回復へ。 記:2017/04/09
22,385
4/21 15:00+195 (0.88%)
時価総額 4,568,174百万円
NC(数値制御)装置や産業用ロボットの世界的なトップメーカ。連結配当性向60%を基本方針とするなど株主還元策を強化。ロボットのオートメーション化などが浸透しており北米市場で好調推移。アジアも回復へ。 記:2017/04/09
7267 東証1部 本田技研工業
+38 (1.23%)
時価総額 5,642,598百万円
大手自動車メーカの一角。二輪・四輪事業のほか発電機など汎用製品、ロボットや航空機なども手掛けている。燃料電池システムをGMと共同開発しており20年ごろ生産予定。通期平均想定為替レートは1ドル107円。 記:2017/04/09
3,115
4/21 15:00+38 (1.23%)
時価総額 5,642,598百万円
大手自動車メーカの一角。二輪・四輪事業のほか発電機など汎用製品、ロボットや航空機なども手掛けている。燃料電池システムをGMと共同開発しており20年ごろ生産予定。通期平均想定為替レートは1ドル107円。 記:2017/04/09
7309 東証1部 シマノ
+170 (1.03%)
時価総額 1,543,788百万円
自転車部品大手。高級品に強み。釣具も手掛ける。海外比率が9割弱と高い。17.12期は欧州で自動車部品が回復緩慢。中国の低迷も長引く。釣具はしっかり。円安追い風。為替想定は1ドル110円、1ユーロ120円。 記:2017/02/28
16,650
4/21 15:00+170 (1.03%)
時価総額 1,543,788百万円
自転車部品大手。高級品に強み。釣具も手掛ける。海外比率が9割弱と高い。17.12期は欧州で自動車部品が回復緩慢。中国の低迷も長引く。釣具はしっかり。円安追い風。為替想定は1ドル110円、1ユーロ120円。 記:2017/02/28
7751 東証1部 キヤノン
-2 (-0.06%)
時価総額 4,642,829百万円
デジカメやレーザープリンターで世界首位。知的財産・特許件数は世界トップ級。17.12期は消耗品の販売が期待できるカラー機やレーザー複合機の需要拡大を見込む。東芝メディカルの買収で医療事業を中核に。 記:2017/04/09
3,481
4/21 15:00-2 (-0.06%)
時価総額 4,642,829百万円
デジカメやレーザープリンターで世界首位。知的財産・特許件数は世界トップ級。17.12期は消耗品の販売が期待できるカラー機やレーザー複合機の需要拡大を見込む。東芝メディカルの買収で医療事業を中核に。 記:2017/04/09
7974 東証1部 任天堂
+190 (0.71%)
時価総額 3,825,771百万円
ゲーム機器やゲームソフトを展開。マリオなど人気コンテンツを多数保有。ポケモンGOが欧米やアジアなどで大ヒット。Nintendo Switchを3月3日に発売。販売台数は堅調で見直す動きが強まりつつある。 記:2017/04/09
27,005
4/21 15:00+190 (0.71%)
時価総額 3,825,771百万円
ゲーム機器やゲームソフトを展開。マリオなど人気コンテンツを多数保有。ポケモンGOが欧米やアジアなどで大ヒット。Nintendo Switchを3月3日に発売。販売台数は堅調で見直す動きが強まりつつある。 記:2017/04/09