<特集>地方で活躍する銘柄(1)=独特の強みをもつ内需企業をマーク
24日の東京株式市場は大幅続伸となったが、16年11月にスタートしたトランプ相場の異変に、当面は警戒ムードが残りそうだ。オバマケア(医療保険制度改革)の代替法案の審議が難航したことをきっかけに、トランプ米政権が公約に掲げる税制改革など、他の政策にも遅れが出るのではないかとの見方が広がり、主要国の金融市場が不安定な動きを示した。
日米欧ともに、堅調な景気が予想されていることもあり、過度に悲観する必要はないとみられるが、一時は1ドル=110円台まで円高が進んだほか、米国の長期金利が低下していることもあり、輸出関連株や金融セクターなど主力株は出かけづらい。内需系の好業績株、中小型株などに関心が向かいそうだ。今回は内需系の中で特定の地域や業態に特長を持ち、独自の強みを発揮している企業に注目してみた。
24日の東京株式市場は大幅続伸となったが、16年11月にスタートしたトランプ相場の異変に、当面は警戒ムードが残りそうだ。オバマケア(医療保険制度改革)の代替法案の審議が難航したことをきっかけに、トランプ米政権が公約に掲げる税制改革など、他の政策にも遅れが出るのではないかとの見方が広がり、主要国の金融市場が不安定な動きを示した。
日米欧ともに、堅調な景気が予想されていることもあり、過度に悲観する必要はないとみられるが、一時は1ドル=110円台まで円高が進んだほか、米国の長期金利が低下していることもあり、輸出関連株や金融セクターなど主力株は出かけづらい。内需系の好業績株、中小型株などに関心が向かいそうだ。今回は内需系の中で特定の地域や業態に特長を持ち、独自の強みを発揮している企業に注目してみた。
<特集>地方で活躍する銘柄(2)=テーオー ―住宅着工戸数の伸び追い風
・テーオー小笠原(9812)は北海道を地盤とし、住宅事業や建築事業を展開する。
17年5月期第2四半期(16年6-11月)連結の営業利益は前年同期比36.2%増の2億9000万円と期初計画の2億7000万円をやや上ブレ。ホームセンターやデパートなどの流通事業は低迷しているが、北海道などでは住宅の着工数が堅調に伸びており、住宅事業が好転している。今年に入っても1月の道内新設住宅着工戸数は前年同月比29.5%増と堅調で、同社にとっては追い風だ。
株価は第2四半期の決算発表時に通期業績予想(営業利益で前期比2.3倍の4億5000万円)を据え置いたことで出尽くし感が台頭。年初から調整したものの、700円ちょうどの水準で下げ止まっている。日足チャートでは200日移動平均線も700円に接近しており、同水準が意識されている間は下値限定的となりそうだ。
・テーオー小笠原(9812)は北海道を地盤とし、住宅事業や建築事業を展開する。
17年5月期第2四半期(16年6-11月)連結の営業利益は前年同期比36.2%増の2億9000万円と期初計画の2億7000万円をやや上ブレ。ホームセンターやデパートなどの流通事業は低迷しているが、北海道などでは住宅の着工数が堅調に伸びており、住宅事業が好転している。今年に入っても1月の道内新設住宅着工戸数は前年同月比29.5%増と堅調で、同社にとっては追い風だ。
株価は第2四半期の決算発表時に通期業績予想(営業利益で前期比2.3倍の4億5000万円)を据え置いたことで出尽くし感が台頭。年初から調整したものの、700円ちょうどの水準で下げ止まっている。日足チャートでは200日移動平均線も700円に接近しており、同水準が意識されている間は下値限定的となりそうだ。
<特集>地方で活躍する銘柄(3)=HIS―注目集める長崎県の銘柄筆頭
・エイチ・アイ・エス(9603)を狙う。同社は傘下にオランダの街並みを再現したテーマパーク・ハウステンボス(長崎県)を持つ。現在、観光地として長崎県は非常に関心を集めていることがポイントだ。
文化庁の文化審議会は昨年7月、18年の世界文化遺産登録を目指し現存する国内最古の教会の大浦天主堂(長崎市)や島原の乱の舞台となった原城跡など教会、キリスト教にかかわる史跡、文化財を「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に改めて推薦することを決定。世界遺産に登録されると内外からの観光客が一気に増える事例は多い。
外国人観光客が立ち寄りやすいハウステンボスにとって登録がプラスなのは間違いない。長崎を舞台とした遠藤周作の小説「沈黙」を原作とするマーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙-サイレンス-」が公開されたことも追い風といえる。
ハウステンボスに関しては「変なホテル」が「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録に認定され、注目コンテンツとして定着。園内は「花の王国」「光の王国」「音楽とショーの王国」「ゲームの王国」「健康と美の王国」の5つのイベント展開以外に、最先端のロボットを展示・体感できる国内初のロボット複合施設の第6の王国「ロボットの王国」が昨年誕生。当面の集客の目玉となりそうだ。
株価は1月4日に昨年12月に直近高値3370円を付けて以降は調整が続く。ただ、18年の世界遺産登録が実現すれば関連銘柄筆頭は間違いなくHIS。押し目は中・長期の上昇を狙った先回り買いのチャンスだろう。
・エイチ・アイ・エス(9603)を狙う。同社は傘下にオランダの街並みを再現したテーマパーク・ハウステンボス(長崎県)を持つ。現在、観光地として長崎県は非常に関心を集めていることがポイントだ。
文化庁の文化審議会は昨年7月、18年の世界文化遺産登録を目指し現存する国内最古の教会の大浦天主堂(長崎市)や島原の乱の舞台となった原城跡など教会、キリスト教にかかわる史跡、文化財を「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に改めて推薦することを決定。世界遺産に登録されると内外からの観光客が一気に増える事例は多い。
外国人観光客が立ち寄りやすいハウステンボスにとって登録がプラスなのは間違いない。長崎を舞台とした遠藤周作の小説「沈黙」を原作とするマーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙-サイレンス-」が公開されたことも追い風といえる。
ハウステンボスに関しては「変なホテル」が「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録に認定され、注目コンテンツとして定着。園内は「花の王国」「光の王国」「音楽とショーの王国」「ゲームの王国」「健康と美の王国」の5つのイベント展開以外に、最先端のロボットを展示・体感できる国内初のロボット複合施設の第6の王国「ロボットの王国」が昨年誕生。当面の集客の目玉となりそうだ。
株価は1月4日に昨年12月に直近高値3370円を付けて以降は調整が続く。ただ、18年の世界遺産登録が実現すれば関連銘柄筆頭は間違いなくHIS。押し目は中・長期の上昇を狙った先回り買いのチャンスだろう。
<特集>地方で活躍する銘柄(4)=富士急―富士山エリアで強みを発揮
・富士急行(9010)を取り上げたい。
17年3月期の連結業績は、売上高511億円(前期比1.3%減)、営業利益51億円(同6.0%減)を予想。第3四半期(16年4-12月)の決算は、売上高が387億9900万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は43億7400万円(同12.1%減)で着地した。通期予想に対する進ちょく率は、売上高で75.9%、営業利益で85.8%で、16年、最盛期の夏季シーズンに、台風や長雨による天候不順の影響を受けたものの、順調な進ちょくとなっている。日本を代表する観光資源である富士山や富士五湖へ鉄道やバスのアクセス手段を持つほか、富士急ハイランドを運営するなど、富士山エリアの観光を総合的に提供していることから、国内の観光客だけでなく外国人観光客にも高い人気を得ており、堅調な業績推移が見込まれる。
株価は、1月10日に直近高値となる1195円を付けたあと、軟調な展開が続いていたが、足元では1000円台の前半を安値とし底固めの動きとなっている。16年3月31日に付けた昨年来高値1568円に対し大きく距離を残すことから、修正高が期待される。
・富士急行(9010)を取り上げたい。
17年3月期の連結業績は、売上高511億円(前期比1.3%減)、営業利益51億円(同6.0%減)を予想。第3四半期(16年4-12月)の決算は、売上高が387億9900万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は43億7400万円(同12.1%減)で着地した。通期予想に対する進ちょく率は、売上高で75.9%、営業利益で85.8%で、16年、最盛期の夏季シーズンに、台風や長雨による天候不順の影響を受けたものの、順調な進ちょくとなっている。日本を代表する観光資源である富士山や富士五湖へ鉄道やバスのアクセス手段を持つほか、富士急ハイランドを運営するなど、富士山エリアの観光を総合的に提供していることから、国内の観光客だけでなく外国人観光客にも高い人気を得ており、堅調な業績推移が見込まれる。
株価は、1月10日に直近高値となる1195円を付けたあと、軟調な展開が続いていたが、足元では1000円台の前半を安値とし底固めの動きとなっている。16年3月31日に付けた昨年来高値1568円に対し大きく距離を残すことから、修正高が期待される。