2017/2/23 8:28 FISCO 【日経新聞1面】中期的には料金値上げで人手不足への対応は可能か
中期的には料金値上げでの対応は可能か~ヤマト、宅配総量抑制へ 人手不足、労使で交渉ヤマト運輸(ヤマトHD<9064>)の労働組合が、2017年の春季労使交渉で初めて宅配便の荷受量の抑制を求めたことがわかったと報じられている。人手不足とネット通販の市場拡大による物流危機で長時間労働が常態化、「現在の人員体制では限界」と要求に盛り込み、会社側も応じる方針のようだ。広がるネット通販を支えてきた「即日配送」などの物流サービスにきしみが生じていると伝わっている。 17年3月期の宅配便取扱個数は前期比7%増の18億5000万個と過去最高を見込んでいるが、想定を超えるのは確実な情勢になっているもよう。これまで荷物の伸びに対して、人員の増強で対応してきたが、人手不足の深刻化で思うように人員を確保できない懸念も強まっているようだ。今後は大口顧客に対する値上げの要求などを求めていく方針のもよう。 人員確保のためには従業員に対する一段の待遇改善などが必要となってくるが、そのためには全般的な値上げ実施が不可欠となっていこう。需要が増加する宅配便のシェアトップ企業としては、このような対応策は顧客の理解も得られて実現可能とみられる。短期的には他社へのシェアシフトなどが懸念されるが、中期的には大いに成長余地が残る企業として評価したいところ。 ほか、今後はドローンなどの活用も活発化していくと見られるほか、再配達ロスなどを避けるためにも、コンビニなどと共同した展開への模索も広がっていくことになろう。コンビニなど町のインフラとなっている業界にはビジネスチャンスが増加する余地も大きいと考えられる。
関連銘柄 3件
・ヤマトホールディングス(9064)東証1部
宅配便トップ
「宅急便」で高シェア。羽田クロノゲート稼働など「バリュー・ネットワーキング」構想を推進。20.3期ROE11%超目標。マレーシア宅配大手と提携。宅急便などデリバリー事業好調で17.3期2Qは2ケタ増益。 記:2017/01/05
宅配便トップ
「宅急便」で高シェア。羽田クロノゲート稼働など「バリュー・ネットワーキング」構想を推進。20.3期ROE11%超目標。マレーシア宅配大手と提携。宅急便などデリバリー事業好調で17.3期2Qは2ケタ増益。 記:2017/01/05
・日本通運(9062)東証1部
陸運大手
トラック・海上・鉄道等の運輸事業を展開。国内首位の倉庫面積誇り、引っ越しでもトップの実績。航空輸出はアジア向け液晶関連の取り扱いが伸長。17.3期3Qは増益。利用運送費や外注費、燃油費等の減少が寄与。 記:2017/02/07
陸運大手
トラック・海上・鉄道等の運輸事業を展開。国内首位の倉庫面積誇り、引っ越しでもトップの実績。航空輸出はアジア向け液晶関連の取り扱いが伸長。17.3期3Qは増益。利用運送費や外注費、燃油費等の減少が寄与。 記:2017/02/07
・セブン&アイ・ホールディングス(3382)東証1部
コンビニ大手
コンビニエンスストアを主力に、スーパー、百貨店、銀行、ネットビジネス等をグローバル展開。「イトーヨカドー」等スーパー事業苦戦も、PB商品や新商品でコンビニが好調。17.2期の営業利益は前期並みと堅調維持。 記:2017/02/06
コンビニ大手
コンビニエンスストアを主力に、スーパー、百貨店、銀行、ネットビジネス等をグローバル展開。「イトーヨカドー」等スーパー事業苦戦も、PB商品や新商品でコンビニが好調。17.2期の営業利益は前期並みと堅調維持。 記:2017/02/06