【ニューヨーク時事】金融が発達し、欧州連合(EU)域内に無関税で製品を輸出できる英国には多くの欧米企業が拠点や工場を置き、事業を展開してきた。しかし、EU離脱で英国の魅力が薄れるのは必至。事業モデルの見直しを検討する企業も相次いでおり、英国での投資が減少する可能性もありそうだ。 「欧州事業の競争力を維持するため、必要ならばどんな行動も辞さない」。英国民投票から一夜明けた24日、米自動車大手フォード・モーターは声明で、英国で人員削減を含む措置を取る可能性を示した。 英メディアによると、フォードは昨年、英国の2工場で生産した計160万基のエンジンを全て輸出。輸出額は10億ポンド(約1400億円)に上り、このうち51%を無関税のEU向けが占めた。しかし、EUの関税規則が適用されなくなれば、エンジンで最大2.7%、完成車で10%の関税が課される可能性があり、価格競争力の低下は避けられない。 一方、傘下ブランドの小型車「ミニ」と高級車「ロールス・ロイス」を英工場で生産しているドイツのBMWは、英国のEU離脱決定で事業形態を直ちに見直すことはないと強調。ただ、欧州市場に車両供給を続けていくには、さまざまな条件面での再交渉が必要になるとの見通しを示した。 欧州航空機大手エアバスは英工場で翼部品を製造。エンダース最高経営責任者(CEO)は「英国での投資戦略を見直す」と明言し、英国とEUの「離婚協議」を通じて、経済への悪影響が最小限に抑えられることを望んだ。 各社は、新たな貿易協定を含む、英EU間の離脱交渉の状況を見極めつつ、事業戦略を練り直す方針だ。
出典:時事通信
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