*05/16 08:02JST 業績面を見直す流れ、政策期待が下支え
[株式オープニングコメント] 16日の日本株市場はこう着感の強い相場展開になろう。13日の米国市場は、4月小売売上高が予想を上振れたものの、小売企業に冴えない決算が相次いだことで景気の先行き懸念は払拭できず、軟調推移となった。原油相場の下落なども嫌気される格好となり、引けにかけて下げ幅を拡大。結局NYダウは185ドル安だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比50円高の16390円。 決算がピークを通過した。今回の決算ではトヨタ自<7203>の2017年3月期の営業利益が前期比4割減となる見通しなど、コンセンサスを下回る下方修正が相次いだ。ただし、これらも相当織り込んでいると考えられ、今週からは業績面を見直す流れなどが意識されそうだ。また、主要7か国の首脳会議「伊勢志摩サミット」を控え、政府の財政出動策への期待が改めて下支えとして売り込みづらくさせそうだ。 安倍首相は、来年4月に予定する消費増税10%への引き上げを延期する方針を固めたと報じられている。熊本地震の発生で増税延期論はより活発になっていたが、サミット後にも表明する見通しとの報道もあり、市場は評価する可能性がある。しかし、消費増税の延期によって税収が伸びず、財政健全化が進まない可能性から日本国債の格下げリスク等が警戒されてくる可能性はある。 なお、テクニカル面では、日経平均は先週末に5日ぶりの反落となり、一目均衡表では雲の水準に位置しているが、今後は雲がねじれを起こしてくる。価格帯別出来高では16800-17200円処での商いが膨れており、これが抵抗として意識されている。目先的にはやや下へのトレンドを警戒する必要もありそうだ。 [株式市場強弱材料] 強気材料 ・財政政策に対する思惑 ・日銀による追加緩和政策への期待 ・首相、人工知能の開発強化など新たな成長戦略に ・シカゴ日経225先物(16390、+50) ・米4月小売売上高、1.3%増 ・NTT、11年ぶり最高益 ・有機EL表示装置、16年出荷見通し4割増 ・4月都内新車販売、5.6%増 弱気材料 ・NYダウは下落(17535.32、-185.18) ・NY原油(46.21、-0.49) ・ナスダック下落(4717.68、-19.66) ・日経平均は下落(16412.21、-234.13) ・熊本地震、経済損失5000億円規模 ・米経済の減速懸念 留意事項 ・首相、消費税率引き上げ「適時適切に判断」 ・米アップル、中国配車アプリに1100億円出資 ・サミット前にテロ対策強化 ・エアバスCEO、世界ドローン市場で一大勢力目指す ・ドル/円(108円60-70銭) ・国内企業物価指数(4月) ・預金者別預金(半期調査<国内銀行分>3月、日本銀行) ・衆院予算委員会で16年度補正予算案の基本的質疑、採決 ・中古車販売台数(4月) ・工作機械受注(4月) ・フェイルの発生状況(4月、日本銀行) ・業態別の日銀当座預金残高(4月、日本銀行) ・トルコ失業率(2月) ・米ニューヨーク連銀製造業景気指数(5月) ・米NAHB住宅市場指数(5月) ・米対米証券投資収支(3月) [サポート&レジスタンス] 終値 16412 5日移動平均 16484 200日移動平均 18097 標準偏差+2σ 17683 100日移動平均 17001 レジスタンス(2) 16942 転換線 16774 レジスタンス(1) 16677 先行スパンA 16587 基準線 16543 ピボット 16539 25日移動平均 16530 先行スパンB 16386 サポート(1) 16274 サポート(2) 16136 標準偏差−2σ 15377
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