・デサント(8114)
スポーツ用品大手のデサントが好調だ。2015年度は純利益が76億円と、3期連続で過去最高を更新する見通し。牽引役となっているのが、売上高の5割強を稼ぐまで成長した海外事業だ。
2期前の2013年度、売上高が16年ぶりに1000億円を超えた。売上高が1000億円を割り込んだ1998年度といえば、28年続いたアディダスとの国内販売に関するライセンスが終了した年。当時の売上高の4割を占めていたアディダスが抜けた穴は、極めて大きかった。
そこからデサントはどのようにして巻き返したのか。カギとなったのが海外、中でも韓国での事業拡大だった。
■商品の現地化が成功のカギ
1998年当時、売上高の大半を国内で稼いでおり、海外は10%にも満たなかった。そこで、当時保有していたブランド(ルコックスポルティフ、アリーナ、アンブロ、マンシングウェア)を、ライセンス契約で販売を認められている国や地域で展開するという戦略に舵を切った。
その中で大きく伸びたのが韓国だった。2000年にマンシングウェアの販売会社として現地法人を設立。2004年にはルコックを導入した。
韓国が収益柱へと成長できた最大の要因は、商品の現地化だ。2005年頃は韓国の現地企画品が3割。日本で企画した製品のほうが比率は大きかった。が、消化率が高いのは現地企画品だった。現地従業員からの要望もあり、2006年から2007年にかけて現地企画品の比率を上げていった。
日本では販売シーズンに入る前にすべての商品企画を終えるが、韓国では全商品の3割を期中に企画・投入した。会議を毎週開き、売り上げデータを細かく分析。派手な色合いを好む現地のニーズにあった商品を展開した。
2009年には、満を持して自社ブランドのデサントを投入。翌2010年には、韓国人では初めて金勲道氏が現地法人の社長に就任した。
金氏は日本の大学を卒業し、韓国の販売会社に勤務した経歴を持っており、日韓両方の事情がわかる人物。現地の著名人を使った広告宣伝などにより、ブランド力を高めていった。
韓国ではスポーツカジュアルがファッションとして根付いているため、日本よりスポーツシューズの人気が高い。2012年秋には釜山に研究開発拠点を設け、韓国で販売するシューズは現地仕様を徹底した。スポーツウェアで知られる日本と異なり、韓国ではシューズの売上比率が3割に達するようになった。
■次なる狙いは欧州市場
こうして韓国で一定の地歩を固めることに成功したデサント。次なる開拓先として狙いを定めるのは、かつての盟友・アディダスの牙城である欧州市場だ。
グループ売上高の3分の1を占めるまでに成長したデサントは、保有ブランドの中で唯一、販売エリアの制限がない。2015年11月には、同ブランドとして欧州初となる店舗をロンドンに開業した。2016年末までに欧州域内に5店舗を展開する計画だ。
韓国での成功体験を糧に、アディダスのシェアを切り崩していけるか。スポーツビジネスの本場・欧州で、16年越しの復活劇の真価が試されることになる。
(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益¥ 1株配¥
連本2015.03 123,128 9,136 9,543 6,563 87.1 15記
連本2016.03予 140,000 11,200 11,700 8,100 107.5 17-19
連本2017.03予 155,000 13,000 13,500 9,300 123.4 19-21
連中2015.09 64,940 5,083 5,261 3,721 49.4 0
連中2016.09予 73,500 5,400 5,500 3,850 51.1 0
スポーツ用品大手のデサントが好調だ。2015年度は純利益が76億円と、3期連続で過去最高を更新する見通し。牽引役となっているのが、売上高の5割強を稼ぐまで成長した海外事業だ。
2期前の2013年度、売上高が16年ぶりに1000億円を超えた。売上高が1000億円を割り込んだ1998年度といえば、28年続いたアディダスとの国内販売に関するライセンスが終了した年。当時の売上高の4割を占めていたアディダスが抜けた穴は、極めて大きかった。
そこからデサントはどのようにして巻き返したのか。カギとなったのが海外、中でも韓国での事業拡大だった。
■商品の現地化が成功のカギ
1998年当時、売上高の大半を国内で稼いでおり、海外は10%にも満たなかった。そこで、当時保有していたブランド(ルコックスポルティフ、アリーナ、アンブロ、マンシングウェア)を、ライセンス契約で販売を認められている国や地域で展開するという戦略に舵を切った。
その中で大きく伸びたのが韓国だった。2000年にマンシングウェアの販売会社として現地法人を設立。2004年にはルコックを導入した。
韓国が収益柱へと成長できた最大の要因は、商品の現地化だ。2005年頃は韓国の現地企画品が3割。日本で企画した製品のほうが比率は大きかった。が、消化率が高いのは現地企画品だった。現地従業員からの要望もあり、2006年から2007年にかけて現地企画品の比率を上げていった。
日本では販売シーズンに入る前にすべての商品企画を終えるが、韓国では全商品の3割を期中に企画・投入した。会議を毎週開き、売り上げデータを細かく分析。派手な色合いを好む現地のニーズにあった商品を展開した。
2009年には、満を持して自社ブランドのデサントを投入。翌2010年には、韓国人では初めて金勲道氏が現地法人の社長に就任した。
金氏は日本の大学を卒業し、韓国の販売会社に勤務した経歴を持っており、日韓両方の事情がわかる人物。現地の著名人を使った広告宣伝などにより、ブランド力を高めていった。
韓国ではスポーツカジュアルがファッションとして根付いているため、日本よりスポーツシューズの人気が高い。2012年秋には釜山に研究開発拠点を設け、韓国で販売するシューズは現地仕様を徹底した。スポーツウェアで知られる日本と異なり、韓国ではシューズの売上比率が3割に達するようになった。
■次なる狙いは欧州市場
こうして韓国で一定の地歩を固めることに成功したデサント。次なる開拓先として狙いを定めるのは、かつての盟友・アディダスの牙城である欧州市場だ。
グループ売上高の3分の1を占めるまでに成長したデサントは、保有ブランドの中で唯一、販売エリアの制限がない。2015年11月には、同ブランドとして欧州初となる店舗をロンドンに開業した。2016年末までに欧州域内に5店舗を展開する計画だ。
韓国での成功体験を糧に、アディダスのシェアを切り崩していけるか。スポーツビジネスの本場・欧州で、16年越しの復活劇の真価が試されることになる。
(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益¥ 1株配¥
連本2015.03 123,128 9,136 9,543 6,563 87.1 15記
連本2016.03予 140,000 11,200 11,700 8,100 107.5 17-19
連本2017.03予 155,000 13,000 13,500 9,300 123.4 19-21
連中2015.09 64,940 5,083 5,261 3,721 49.4 0
連中2016.09予 73,500 5,400 5,500 3,850 51.1 0
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