2016年の新興市場は新たな時代に突入する。2015年9月にガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765.T>が東証1部に上場市場変更し、ミクシィ<2121.T>も上場市場変更の準備を行っていると報じられている。両銘柄ともジャスダック、マザーズの時価総額トップ銘柄で、新興市場のシンボルストック(ガンホーは当時)。仮にミクシィが上場市場変更を行えば、ここ数年続いてきた新興市場の「ミクシィ・ガンホー時代」が終えん。新興市場は新たな主軸銘柄を探すタイミングに入る。 新興市場は東証1部市場などと違い、個人投資家がメーンのマーケット。若いベンチャー企業のために上場のハードルを下げ、育成して上位市場に羽ばたかせるのを使命とする。15年はマザーズからバイオベンチャーのペプチドリーム<4587.T>やインターネットデータセンターなどのさくらインターネット<3778.T>、デジタルコンテンツ配信などのU-NEXT<9418.T>などが上場市場変更。ジャスダックからはガンホーのほか、遊技機器企画・開発のフィールズ<2767.T>、モバイルコンテンツ配信のエムティーアイ<9438.T>、MVNO(仮想移動体通信事業者)の日本通信<9424.T>などが「卒業」している。 指数が時価総額上位銘柄の値動きに大きな影響を受ける性質を持つ半面、そういった銘柄ほど上位市場へと抜けてしまうため、指数に連続性が乏しい。予想レンジなどは大きな意味を持たない。ただ、人気銘柄の上場市場変更は新興市場の空洞化を招く可能性がある一方、新たな主軸銘柄を育成する素地を作る面もある。かつてヤフー<4689.T>や楽天<4755.T>などが新興市場から巣立ち、ライブドアが退場しても、新興市場は個人投資家のために有望なベンチャー企業を育成し続け、投資家にとっての投資妙味を提供してきた実績がある。 ジャスダックでは精密制御減速装置のハーモニック・ドライブ・システムズ<6324.T>や100円ショップのセリア<2782.T>といった優良企業が時価総額上位にいる。新興市場らしいネット株では、求人情報サイトのエンジャパン<4849.T>やネット広告代理大手のセプテーニ・ホールディングス<4293.T>あたりが有力。マザーズでは介護用ロボットスーツのCYBERDYNE<7779.T>とバイオベンチャーのそーせいグループ<4565.T>が候補。セキュリティーソフトのFFRI<3692.T>やIoT(モノのインターネット)関連のジグソー<3914.T>あたりの存在感も増していきそうだ。市場規模、企業規模が大きくないだけにファンドなどの買い需要は限られるが、これらが「ポスト・ミクシィ」、また「ポスト・ガンホー」として注目度を高める可能性は高い。
出典:株式新聞
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このブログに掲載の情報は、投資を保証するものでは一切御座いません。
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