2019年11月23日15時13分
先週の新興市場では、マザーズ指数の強い動きが目立った。米中貿易協議の先行き不透明感から日経平均は下落したが、年初来高値圏の日経平均に比べマザーズ指数は出遅れ感が強く、押し目買いが優勢となった。また、7-9月期の決算発表が終わり、大きな値幅を狙う個人投資家の物色が中小型株に向かいやすかった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.8%であったのに対して、マザーズ指数は+4.1%、日経ジャスダック平均は+1.3%だった。マザーズ指数は11月22日、終値で8月2日以来の高値を付け、日経ジャスダック平均は年初来高値を更新している。
個別では、メルカリ<4385>が週間で1.2%高、サンバイオ<4592>が同3.8%高とマザーズ時価総額上位は全般堅調。飲食店向け台帳サービスのトレタとの業務提携を発表した弁護士ドットコム<6027>は同16.9%高となった。レアジョブ<6096>は週間の売買代金、上昇率ともにマザーズでトップ。直近の好決算とともに、Z会の通信教育向けにオンライン英会話レッスンの提供を開始することが買い材料視された。売買代金上位ではBASE<4477>やシェアリングテクノロジー<3989>の上げも目立った。反面、業績下方修正を発表したMTG<7806>が中村超硬<6166>などとともに下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同4.6%高となる一方、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は米中協議の先行き懸念で同6.6%安と軟調だった。売買代金上位ではチエル<3933>やアンビスHD<7071>が大幅高。ともに決算を好感した買いが続いた格好で、チエルは週間のジャスダック上昇率トップとなった。反面、アエリア<3758>は決算発表後の利益確定売りが続き、新都HD<2776>などが下落率上位に顔を出した。IPOではトゥエンティーフォーセブン<7074>が公開価格を1割ほど上回る初値を付け、その後大きく値上がりした。
今週の新興市場では、マザーズ指数の上値が重くなってくる可能性がある。決算発表一巡で中小型株物色の流れとなっているが、マザーズ指数は8月以降続くもち合いのレンジ上限に接近し、利益確定の売りも出やすいだろう。マザーズ売買代金は1日600~700億円台にとどまり、本格的な資金流入には至っていない。また、今週から12月IPOのブックビルディング期間に入ってくる。後述するとおり12月IPOは件数が多いうえ、公開規模の大きい案件も多く、個人投資家の資金余力が低下しやすい。
今週は、11月29日にはてな<3930>、ウチダエスコ<4699>、キタック<4707>、ACCESS<4813>などが決算発表を予定している。ウチダエスコは親子上場解消への思惑や、学校でのパソコン普及への期待から直近で大きく値上がり。学校教育ICT事業のチエルが好決算だったことも期待につながっているとみられる。また、先週はラクスル<4384>やウィザス<9696>で高レーティング付与が観測された。
IPO関連では、マクアケ<4479>、メドレー<4480>、ベース<4481>、ランサーズ<4484>といった12月上場案件が順次ブックビルディング(BB)期間に入る。公開規模の大きい案件が多いため、機関投資家らの評価が窺える仮条件の水準や、BBにおける需要状況を注視したい。なお、先週はAI inside<4488>(12月25日、マザーズ)など7社の新規上場が発表され、12月のIPOは23社となっている。
関連銘柄 23件
2776 JQスタンダード
新都ホールディングス
151
11/22 15:00
-3(-1.95%)
時価総額 2,185百万円
アパレルの小売業への卸売に加え、ユニフォーム販売、下着の輸入、販売、不動産の流通、管理を展開。中国の広東省紡社と業務提携。20.1期上期は貿易とアパレルが足踏みも、為替差益の発生により損失が縮小した。 記:2019/10/24
3758 JQスタンダード
アエリア
912
11/22 15:00
-6(-0.65%)
時価総額 21,568百万円
スマホ向けゲーム開発などコンテンツ事業が主力。ITサービス事業、アセットマネージメント事業も手掛ける。サイバード等を傘下に収める。「蒼焔の艦隊」は収益好調。特別損失は減少。19.12期2Qは大幅最終増益。 記:2019/09/19
3930 マザーズ
はてな
2,379
11/22 15:00
-32(-1.33%)
時価総額 6,923百万円
ユーザーがコンテンツを発信、閲覧、拡散するプラットフォーム「はてなブログ」や「はてなブックマーク」を展開。法人向けサービスも提供する。19.7期は主力サービスの利用者数やブラウザ数、課金売上が増加した。 記:2019/10/31
3933 JQスタンダード
チエル
1,630
11/22 15:00
+60(3.82%)
時価総額 6,333百万円
教育用ソフトやシステムの企画・開発等を手掛ける。学校教育向けICT活用を支援。ウイルス対策ソフトの販売代理等も。20.3期1Qは2桁増収。情報基盤部門は売上好調。全国の教育委員会からの受注が伸びる。 記:2019/09/19
3989 マザーズ
シェアリングテクノロジー
557
11/22 15:00
+27(5.09%)
時価総額 10,253百万円
暮らしの困り事を持つ消費者と事業者をつなぐマッチングサイトを運営。積極的にM&Aを行う方針を見直し、当面は収益性改善を重視へ。19.9期はマッチングサイトが堅調。ただ赤字子会社の売却に遅れ。利益水面下に。 記:2019/10/05
4384 東証1部
ラクスル
3,470
11/22 15:00
+65(1.91%)
時価総額 96,567百万円
インターネット印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」や非稼働時間トラックをマッチングさせる物流「ハコベル」を運営。マーケティングを内製化。カスタマーサポートに強み。19.7期は大幅増収増益。 記:2019/10/24
4385 マザーズ
メルカリ
2,329
11/22 15:00
+27(1.17%)
時価総額 356,712百万円
フリマアプリ「メルカリ」を手掛ける。米国事業、メルペイに積極投資。メルペイ登録者数は200万人突破。国内流通総額ではエンタメ・ホビーが伸長。スポーツ・レジャー、メンズ等も成長。19.6期通期は大幅増収。 記:2019/09/20
4477 マザーズ
BASE
1,601
11/22 15:00
-55(-3.32%)
時価総額 30,971百万円
Eコマースプラットフォーム「BASE」及びオンライン決済サービス「PAY.JP」の運営等 記:2019/09/20
4479 マザーズ
マクアケ
0
±0(0%)
時価総額 -百万円
4480 マザーズ
メドレー
0
±0(0%)
時価総額 -百万円
4592 マザーズ
サンバイオ
4,280
11/22 15:00
+55(1.3%)
時価総額 221,640百万円
再生医療ベンチャー。脳損傷や脳梗塞で失われた運動機能を再生させる新薬の開発に全力を注ぐ。今年9月に開発中の慢性期外傷性脳損傷薬が日本に続き米国で早期承認の対象品目に指定。20.1期2Qは研究開発費が先行。 記:2019/11/06
4699 JQスタンダード
ウチダエスコ
2,982
11/22 15:00
+500(20.15%)
時価総額 10,735百万円
内田洋行傘下のICTサービス会社。学校、自治体向けに強み。オフィス設計・移転やOA消耗品販売も行う。19.7期はウインドウズ7のリプレース需要などで好調。計画比上振れ。20.7期も小幅も利益続伸を見込む。 記:2019/11/06
4707 JQスタンダード
キタック
423
11/22 15:00
+4(0.95%)
時価総額 2,525百万円
道路やダム等の土木施設や環境整備の企画、設計、施工管理、維持管理に加え、地質調査等のコンサルタントを行う。19.10期3Q累計は売上高、利益ともに会社計画を上回った。建設コンサルタント事業が伸長した。 記:2019/09/23
4813 マザーズ
ACCESS
1,045
11/22 15:00
+10(0.97%)
時価総額 41,148百万円
ガラケーの組込みブラウザに強み。スマホ普及に対応すべく、IoT分野や電子出版分野を強化中。今春に買収した独社の車載・TV向け動画配信プラットフォームも育成へ。20.1期2Qは開発費増や買収費用などが重石。 記:2019/10/06
6027 マザーズ
弁護士ドットコム
5,880
11/22 15:00
+190(3.34%)
時価総額 130,830百万円
日本最大級の法律ポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営。税理士ドットコム、Web完結型クラウド契約サービス等も。有料会員登録弁護士数は2桁増。20.3期1Qは2桁増収増益。有料会員サービス等が牽引。 記:2019/08/27
6096 マザーズ
レアジョブ
5,050
11/22 15:00
+530(11.73%)
時価総額 23,871百万円
オンライン英会話学習サービスなどを手掛ける。レアジョブ英会話留学のサービス提供も。AI活用で学習効果向上などに取り組む。個人向けサービスは会員数が増加。マーケティング奏功。20.3期1Qは2桁増収。 記:2019/09/22
6166 マザーズ
中村超硬
866
11/22 15:00
+13(1.52%)
時価総額 7,379百万円
ダイヤモンドワイヤ、化学繊維用紡糸ノズル等を手掛ける。特殊精密機器事業も展開。沖縄工場等の閉鎖決議。受託合成事業から撤退。電子材料スライス周辺事業は損益改善。売上原価は減少。20.3期1Qは損益改善。 記:2019/09/22
6324 JQスタンダード
ハーモニック・ドライブ・システムズ
4,550
11/22 15:00
-55(-1.19%)
時価総額 438,233百万円
精密制御減速装置を展開。減速機の位置決め精度が最も高い波動歯車装置で世界首位。産業用ロボット関節部品で世界シェア約50%。波動歯車減速機の中空径1.5倍のユニット製品を拡充。20.3期1Qは利益足踏み。 記:2019/10/25
7071 JQスタンダード
アンビスホールディングス
6,380
11/22 15:00
+270(4.42%)
時価総額 70,180百万円
住宅型有料老人ホーム等「医心館」施設内における訪問看護、訪問介護、居宅介護支援及び障害者支援等の各種サービスの提供と施設運営による「医療施設型ホスピス」事業 記:
2019/09/03
7074 マザーズ
トゥエンティーフォーセブン
4,650
11/22 15:00
+450(10.71%)
時価総額 20,925百万円
パーソナルトレーニング事業(パーソナルトレーニングジム「24/7Workout」、パーソナル英会話スクール「24/7English」)の運営 記:2019/10/17
7564 JQスタンダード
ワークマン
8,220
11/22 15:00
-30(-0.36%)
時価総額 672,782百万円
建設現場・工場向けワークウェアや作業用品の専門店大手。店舗数843、PB商品789アイテム。今後の出店は「ワークマンプラス」で統一。法人向け低価格作業服「G-NEXT」拡充。20.3期1Qは大幅増収増益。 記:2019/09/13
7806 マザーズ
MTG
785
11/22 15:00
+15(1.95%)
時価総額 31,190百万円
美容器具の「ReFa」や化粧品の「MDNA SKIN」、トレーニング器具の「SIXPAD」等のブランドを開発。卸売や店舗での直販、アジアや欧米でも事業展開。19.9期3Q累計は海外事業や卸売、直販が苦戦。 記:2019/09/07
9696 JQスタンダード
ウィザス
570
11/22 15:00
+18(3.26%)
時価総額 5,951百万円
学習塾・予備校チェーンを運営。進学塾「第一ゼミナール」を展開。大阪地盤。高校生向け予備校も手掛ける。独自の教育メソッド推進。高校・キャリア支援事業は売上好調。売上総利益は増加。20.3期1Qは損益改善。 記:2019/08/31
出典:フィスコ
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