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静岡の酒粕、鰹、お茶を使った「しずおかスティック」。上品な焙煎香?と後に引かない程度の控え目な塩気。

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茶の実ボーロ。しずおかスティックよりお茶の存在感があります。どちらもまさい。



うがみやびらん。



数年前の話。



「音色を作るために何をしてますか?」と訊かれて「まずは良い楽器を探しますね。」と答えた事があります。No 身、No 蓋、No 誠意。いや実の所は半分マジ。ロングトーンとかじゃないのかよ。



『良い楽器』とは何であったでしょうか。自分の想像した音を忠実に出してくれるものは勿論、その人にとっての名器でしょう。しかし自分の想像を超えた音によってインスピレーションを与え、新しい音楽性をも齎してくれるような楽器というものが稀に存在します。つまり、サックスが自分の音楽性を表現する道具であるだけでなく、自分がサックスの魅力を表現する道具になりたいと思わせる楽器です。




私にとってその一つが、スーパーアクション(通称Super Balanced Action / SBA)でした。前記事で書いた「配られてるカード」のうちの良い一枚です。

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薄い管体でこそ出せる繊細且つ変幻自在な音色と広い音量範囲は、後継機種マーク6(Mark 6 / Mark Ⅵ)が強さと粘りと均質性(音量・音域に依ってパフォーマンスが変化しない)によってサックス全体のイメージを塗り替え、或る意味で価値観を固定しててしまう前夜、いわば百花繚乱だったサックス旧世界の集大成であり金字塔といえるでしょう。またその生産本数の少なさは、手作業工程の多さに加え、サックス史上他にほぼ類を見ない豪華で緻密な彫刻による処でもありましょう。芸術の道具である工業製品それ自体が芸術品としての気品、1940年代の職人達の魂と彼等の作品が辿った道に想いを馳せるに充分な風格を帯びています。

今から6年半前、幸運にもこのような楽器を吹く喜びを知って以来、私は本当のサックス奏者…もとい、サックスおたくへの道を歩み始めてしまったのかも知れません。試奏に御同行下さった菊地成孔氏が、私がマーク6と吹き比べる様子を聴いて「マーク6で全然問題無い。でもSBAを吹いてる時の方が楽しそうだし出て来るフレーズが違う」と仰った時が、楽器による音楽性の啓発という事を私が自覚した瞬間でした。



その出会いの場となった大久保楽器店が、ホームページで私のライブをご紹介下さってます。



http://www.tcgakki.com/otoku/3341.html



「SELMER Super Balananced Actionの実力を余すことなく引き出すことの出来る奏者でもあります。」



「SBAの魅力を200%堪能出来るLIVEになりそうです。」



やべえ!めっちゃ期待されてる!



7月27日(木)は自称ジャズマンが楽器の性能に依存するサマを冷やかしに、荻窪ルースターノースサイドへお越し下さい。みんなきてね。

これ書いてて思った。私は楽器品評記事を書く仕事に向いてるんじゃないか。依頼してね。
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【7/27(木) Mental Urbanity vol.3 "Almost Like Being In Jazz"】
@荻窪Rooster North Side
19:00open/20:00 start
¥2500
髙井汐人sax/中嶋錠二pf/永見寿久b/田中教順d

半分アルト、半分テナーの予定です。アコースティック編成に合う過去の名曲を選んで演奏します。

【10/15(日) DC/PRG】
@渋谷 WWW X

【10/24(火)柴田亮太郎(g)】
@赤坂 November 11th