ビリー・ジョエル ライブ・アット・シェイ・スタジアム-ザ・コンサート- | 酔いどれぐっちの酒と映画と音楽と…

ビリー・ジョエル ライブ・アット・シェイ・スタジアム-ザ・コンサート-

を観てきました。

と言ってもライブ会場に行ったわけではなく、「NYライブ」という4組のアーティストのライブを
映画館で観るというシリーズで、その中の1組がビリー・ジョエルという事で観に行った次第です。

今回のライブ「ライブ・アット・シェイ・スタジアム」は2008年のライブでDVDも既に発売されているので、自分もDVDは持ってないのですがその内容はほぼ知っていました。

ですが、ライブ会場ほどではないにしろ映画館の大スクリーン、大音響でビリー・ジョエルのライブを観たいと思った訳です。

自分は高校生の時からビリー・ジョエルのライブには欠かさず行っていて、社会人になってからは仕事休んで行ってましたが、2008年の(今のところ)最後の来日以来ビリー・ジョエルのライブを観ていない事もあり、実際のライブに行く時と同様、密かに酒を持ち込んで映画館に向かいました。

で、ライブの内容ですが、2008年時のライブなので自分が行った(今のところ←ココ大事)最後の来日時と大きくは変わらないのですが、昔のマイナーな曲が少し多かったのが地味な曲好きの自分には嬉しいところでした。

ビリー・ジョエルの一般的なイメージは「ピアノマン」というキャッチフレーズと相まって大人しい、静かなというイメージを抱く方が多いかと思われますが、ライブではそのイメージを良い意味で裏切るロックンローラー振りを発揮していて、観客は総立ちでシャウトしまくる感じでした。

前々回の来日からはロックンローラー振りは鳴りを潜め、結構ピアノマンのイメージに近い大人しい感じになってしまい、自分としては少々残念な感じでしたが(客層も親子連れが多く、みんな最初から最後まで座ってみてる始末なので仕方ないのかもしれませんが)、その分昔のアルバムからのシブい曲をやってくれるようになったのは嬉しい誤算でした。

特に自分が好きなジャズ風の「Zanzibar」(アルバム「ニューヨーク52番街」収録)を演ってくれた時は思わず狂喜乱舞してしまいました。

今回の「ライブ・アット・シェイ・スタジアム」でもモチロン披露してくれているのですが、こういう曲を演るようになったのはバンドメンバーの変更が大きいのではと思っています。

以前はビリー・ジョエルのバンドにはリバティ・デヴィートという名物ドラマーがいたのですが、この人は「テクニカル」というよりは「味のある」タイプのドラマーなので、「Zanzibar」のような曲はあまりやりたがらなかったのではと邪推しています。
(昔、「Zanzibar」でのジャズ界の大御所フレディ・ハバードのトランペットソロでのドラムはリバティではなく、別のジャズドラマーが叩いていたという話があったのを記憶してるのですが、いくらググっても出てこないので自分の勘違いなのかも?)

現在のドラマー、チャック・バーギは元レインボーのドラマーでもあり、テクニック的には全く問題無く「Zanzibar」のジャズ風ドラミングも軽々とこなしています。
パワフルでありながらも安定感バツグンのドラミングで、今回のライブでかなり画面に映っているのも納得です。

キーボードのデイヴ・ローゼンタールも元レインボーという経歴の持ち主で、ビリー・ジョエルへの参加はチャック・バーギより先なんですが、今回のライブでは逆にほとんど画面に映ってなくてちょっとガッカリしました。

他に自分が「グッときた」のは「This is the time」(アルバム「ザ・ブリッジ」収録)という曲で、今回のライブでは「新三大ギタリスト」の一人、ジョン・メイヤーが共演してかなりブルージーなギターを聴かせてくれます。

この曲、一応シングルカットはしたみたいなんですが、あまりに地味なせいかほとんどチャートアクションはなかったように記憶していますが、アルバム「ザ・ブリッジ」の中では一番好きな曲でこういう曲を演奏してくれるのはホントに嬉しい限りです。

この「ライブ・アット・シェイ・スタジアム」は共演するアーティストが多いのも話題になっていて、2日間に渡ってエアロスミスのスティーブン・タイラーやザ・フーのロジャー・ダルトリーなど錚錚たるメンツが登場するのですが、やはり何といっても御大サー・ポール・マッカートニーの登場につきるでしょう。

ビリー・ジョエルのアルバムを通して聞いてみると、ビートルズで言えば明らかにポール派である事が分かるくらいなので(アルバム「ナイロン・カーテン」だけは妙にジョン・レノンっぽいのですが)、ビリー・ジョエルにとっては相当嬉しかった出来事ではなかったかと思います。
今までもビリー・ジョエルのライブではビートルズの曲を取り上げる事はありましたが、今回のライブでは何たって自分のライブなのに最後の曲がビートルズの「レット・イット・ビー」でしたからね。


ライブを観てる間、思いっきりノッてやろうと思ってたんですが、映画館全員で12、3人ほどの人達は皆さん大人しいんですよね。
ビリー・ジョエルが好きで観に来てる人達だと思うんで、「もう少し盛り上がってもいいんじゃないの?」と思いましたが、映画館という空間だとやっぱり騒げないですかね。

ビリー・ジョエルのライブでは「Piano man」(アルバム「ピアノ・マン」収録)のサビを客に歌わせるというお約束があるのですが、せめてそこだけは皆に歌ってほしかった!

多分、自分は同じ映画館にいた人達には「落ち着きの無いオッサンだなあ」と思われていたんでしょうが、せっかく2000円(!)の特別料金払って観てるんだからもう少し楽しもうよ!と言いたいです。
(でも周りに迷惑が掛からないように膝元でリズムを取るくらいにしましたけどね)

しかし、やっぱりビリー・ジョエルのライブは良いですね!

ビリー・ジョエルもオリジナル・アルバムを出さなくなって20年が経ち、本人もアルバム製作に興味は無くなっているらしいですが、今年はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで毎月ライブをやるなんていう話もあるので、70歳になる前に(今ビリー・ジョエルは65歳)来日頼むよ!