ワールド・ウォー Z | 酔いどれぐっちの酒と映画と音楽と…

ワールド・ウォー Z

を観てきました。


これは意外な拾い物でした。


言わずと知れた?ブラッド・ピット(=ブラピ)のゾンビ物映画ですが、正直自分はブラピとゾンビ物という食い合わせの悪さにちょっと観に行くのを躊躇していました。

ですが、監督が「チョコレート」や「ネバーランド」、最近では「007 慰めの報酬」、「マシンガン・プリーチャー」などのマーク・フォースターというこれまたゾンビ物と食い合わせの悪そうな組み合わせと、109シネマズで1000円で観れる日が
うまく重なったので「とりあえず観てやろうか」と何故か上から目線で観に行き
ました。


ストーリーを簡単に説明しますと、元国連捜査官のジェリー(ブラピ)が、突如
発生し猛スピードかつ世界的規模で感染拡大している、人間を凶暴化させる
未知のウイルスの感染源を突き止めるべく世界各国を回って行くというもの
です。

ちょっと要約しすぎたかもしれませんが、話としてはこんなもんです。
まあ、その道中に色々と起こる出来事が見所な訳ですが。

まず自分が良いと思ったのは、映画が始まって5分くらいでCM等でやってた
白バイ警官がトレーラーに吹っ飛ばされるシーンになるようなテンポの速さ
ですね。

ブラピの映画だからもったいぶってチンタラチンタラなかなか始まんないんじゃないかと思っていたので(スゴい偏見)、これはうれしい誤算でした。

そして、家族と共に命からがら逃げ出して海軍の空母に避難したブラピは、
国連時代の手腕を買われ(同時に協力しないと家族共々空母から追い出すと
脅されて)ウイルスの感染源を突き止める旅に出ます。

この映画は基本的にはシリアスな感じで進んで行くんですが、所々に
どう見てもギャクとして撮ってるようにしか見えないシーンがあるん
ですよね。

ウイルスの感染源を突き止める旅に出る時、「希望の星」とまで呼ばれている
若造の細菌学者がメインでブラピと軍人達は若造の細菌学者が感染源まで
無事に辿り着く為のサブという事で出発します。

ですが、この若造の細菌学者が早々に退場してしまい、その退場の仕方が
どうしても笑いと取ろうとしているようにしか見えないんですよねぇ。

映画館でこのシーンを見た時思わず笑ってしまったんですが、自分以外誰も
笑っていませんでした。
自分の笑いの感性がおかしいだけなんでしょうか。

「希望の星」が早々に退場したせいでブラピがメインとなってしまい散々危険な目に合っていくんですが、その中でブラピは「観察力」を武器にウイルスの
感染源に迫っていきます。

これがトム・クルーズ(=トムちん)だったら何も考えずにスーパーエージェントと化して、ゾンビどもをバッタバッタとなぎ倒していくところでしょうが(これまた
スゴい偏見)、そこはさすがブラピ、エラい理知的です。

何たって映画開始早々のパニックの中、ゾンビに咬まれた人間が何秒でゾンビになるか数えているような奴です。
(これは後々あるシーンで活きてきます。
しかもビルの屋上でのゾンビとの格闘で「口に血が入ったかも」と思った時に、
ビルの屋上の縁に立ってゾンビになるまでの秒数を数えて、自分がゾンビに
なったら屋上から落ちるようにするなんてトムちんよりよっぽどスーパー
エージェントかもしれません)


さて、この日記ではゾンビと言っていますが、実はこの映画のゾンビは生きてる
人間がウィルスに感染してゾンビみたいになっているだけで、厳密にはゾンビ
ではないようです。
(映画「28日後」と同じタイプですね)

やはりゾンビと言えば死人が墓から蘇ってはらわたをブラブラさせながら
ゆっくり歩くもんだ、という人が多いらしく、映画「ドーン・オブ・ザ・デッド」
や先述の「28日後」のような全力ダッシュするのはゾンビじゃない!
という意見も多かったようです。

この映画内でも「ゾンビ」というセリフは出てはきますが、極力「ゾンビ」という
言葉を避けているのはブラピと監督の意向ではないかと思います。
でも体裁はどう見てもゾンビ映画だと思うので、自分もゾンビと表現しています。

で、終盤ブラピはその「観察力」で、旅の道中で目にした奇異な状況や今まで
係わってきた人間の言葉などからある結論を導き出し、それを証明する為に
ある研究所に辿り着きます。

と、これ以上書くと映画を観る楽しみが無くなるかもしれないので、この辺で
やめておきましょう。

しかし、あんまり期待してなかったとはいえ、CMで流れていたようなゾンビが山のように群がるシーンや飛行機の機体に大穴が空いてゾンビや乗客が吹っ飛んで行くシーンなどCGを使っているのが分かっていてもスゴいリアルな感じで迫力を感じました。

「パシフィック・リム」のような映画での使い方がCGの王道だと思いますが、この「ワールド・ウォー Z」や映画「ソーシャル・ネットワーク」のような「リアルに見えるようにする」使い方のほうがCGが活きてくるような気がしますね。


多少のご都合主義があるにしても、映画のオチの落としどころはなかなか良かったんじゃないかと思いました。
(トムちんがドカーンと暴れてハッピーエンドみたいなオチでもなければ、結局何も出来なくて人類は滅亡しますスイマセンみたいなオチでもないという意味で)

自分としては、最後ブラピがゾンビになってハイ終了!ってのも観てみたいと思いましたが。

映画を観る時に期待値のハードルを下げる事が出来る人ならば、新作料金でDVDをレンタルしても大丈夫かなと思います。


そう言えば、エンドロールで一応ウィルスの感染源及び感染ルートが分かるんですが、それが「風が吹いたら桶屋が儲かる」みたいな感じでここでも
思わず失笑してしまいました。

やっぱり俺の感性がおかしいんだろうなぁ…