パシフィック・リム | 酔いどれぐっちの酒と映画と音楽と…

パシフィック・リム

を観てきました。

う~む、何か惜しい感じでした。

ストーリーは、2013年突如太平洋の深海から未知の巨大生物(要するに怪獣
です。劇中ではそのまんま”KAIJU”と呼ばれてます)が出現し、世界各国の
都市を破壊されて存亡の危機に晒された人類は”KAIJU”に対抗する為
”イェーガー”という人型巨大兵器(いわゆる巨大ロボットというやつですね)を
開発し”KAIJU”に闘いを挑んでいく、というものです。

さて、ここで
「何でいちいち巨大ロボットで対抗しなきゃいけないんだよ?」
と思ったそこのアナタ。
その時点ですでにこの映画を観ても楽しめないでしょう。

監督のギレルモ・デル・トロは日本のアニメや特撮のオタクだという事なんですが、公開当時のインタビューや実際の映画の内容を観てもホントに日本の
アニメや特撮が好きなんだなぁという事を感じます。

自分のような40代前半から50代前半くらいで子供の頃にアニメや特撮を
観てきた世代にとっては、「これレッドバロンみたいだな」とか
「ゲッターロボじゃねぇか」といったようなツッコミをしたくなるほど、
日本のアニメや特撮(特に昔の)へのオマージュに溢れています。

ただし、映画の内容はホントにアニメや特撮好きな中学生が想像するような
内容なので、デル・トロと同じような「おおきなおともだち」以外には
ちょっとしんどいかと思います。

自分も嫌いではないジャンルなんですが、どうもイマイチ乗り切れなかった
ですね。

CGで表現された”KAIJU”や”イェーガー”、そしてその闘いなどCGのクオリティは文句の付けようがない出来です。
しかも大枚はたいて川崎のIMAXで観たので大迫力なはずなんですが、何か
真に迫るものを感じられなかった気がしました。

戦闘シーンがほとんど夜で観にくいってのもあったと思うんですが、やはり自分の世代にはミニチュアのビル群を着ぐるみの怪獣が壊すような「アナログ感」が必要だったのかなぁと思いましたね。

それと、このような映画には人間ドラマなど全く期待はしていませんでしたが、
いかんせん主役の兄ちゃんに華が無くて、脇役ばっかりが妙に立っている印象です。

菊地凛子は結構頑張っていて好印象でしたが、何故か日本語を話す時の
アクセントが外国人が日本語を話すようなアクセントになっていて、他の外国人キャストはともかく
「アンタは普通に日本語話せばいいんじゃないの?」
と余計な考えが頭をよぎります。
外国人の観客に分かりやすい日本語をみたいな配慮でもしたんでしょうか?

一方、もう一人の日本人役者である芦田愛菜なんですが、これが意外に良い
演技をしてまして、2~3分くらいの出演なんですが泣き叫ぶ演技がCGより真に
迫っていて思わず感心してしまいました。
正直こまっしゃくれたガキみたいな子供はあまり好きになれないのですが、
ちょっと見直しましたね。

「やしろ優の似てないモノマネで大笑いしてゴメンね、
愛菜ちゃん」
という感じです。
(どんな感じか良く分かりませんが)

という事で、ロボットと怪獣が暴れていればそれで良いという方にはおススメ
ですが、そうでない方はDVDがレンタルされた後に準新作の値段になったら
観ると良いかと思います。