まわり道をして、
いつもの木曜日のルーティンである買い物をして帰宅したら、
先に帰っていた息子が、
ワタシに音楽の動画を見せてきた。
「オカンを泣かしたろ」
それは「弱い虫」、という5分くらいの曲で、
モノクロのアニメみたいな動画になっていた。
その動画の内容は。
幼い頃から優しい主人公。
手のひらにアリンコを乗せて遊んでいると、
いじめっ子がやってきて、アリンコは踏み潰された。
主人公が大人になって会社勤めをしていると、
会社の人たちは主人公に冷たく、仕事を押し付ける。
主人公が通勤のために電車に乗っていると、チカンに間違われてしまう。
主人公の娘は学校で、父親のチカンのためにイジメにあう。
主人公の妻も、近所から白い目で見られる。
主人公と妻は冤罪だと街でビラを撒いて訴えるが、街ゆく人はみな無関心。
主人公は飛び降り自殺しようかと思うほど追い詰められる。
やがて裁判の日がやってきて、主人公は有罪となる。
泣く妻と娘。
主人公は娘に微笑んで刑務所の門をくぐる。
門が閉められると、主人公は前を向いたまま泣く。
横にいる看守も涙を流す。
…
…
…
ひでぇなおいっ。
ワタシはこの動画を見て、
泣くどころか、
無性にハラが立った。
曲は全然アタマに入らなかったわい。
優しい人が優しいまんま生きられない世界に誰がしたんだ？
神さまかい？
いやたぶん、
ワタシも含めて、
何も知らない考えない人間たちだわ。
なぜひっそりと生きている優しい人が、
こういう苦しみを味わわねばならぬのか、
これがこの世というものだとしたら、
ワタシは神さまなんていらないし、
この世を呪うわい。
いじめっ子たちや会社の人たち、白い目を向ける人、
それが人間の本質だというなら、
ワタシは人間をやめたくなるわ。
人間であることが恥ずかしい。
ワタシはなんとなく輪廻転生を信じていて、
前世が悪人だったりすると、
今世で不利な人生のスタートになることもある、
などと聞いたことがあるけれど、
今世では前世のことなど何も覚えていない、
まっさらなスタートを切ったはずなのに、
こんな苦労をさせられたら、
ダースベイダーになるわっ、
闇堕ちするわっ。
（みんな、スターウォーズは知ってるね？）
優しい人が、
優しいまんま生きられる世界を作りたいわ。
と憤慨しました。
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息子に謝られました。
「なんかヘンなん見せてゴメン。」
て。
神さま、
なんでこんな苦労を人間にさせますのん？
人間は苦労させすぎると闇堕ちしますねんで？
あ、
これ、
ただのプロモーションビデオというか、
架空のオハナシだけどもさ。
あーあ、
またなんか、
伝わりにくくて、
どことなくバカっぽいこと、
書いてもたわ。
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