仕事がたまたま休みだったアタシは、タイミング良く、お義母さまの入院に立ちあった。
お義母さまを入院させたあと、
アタシはさっさと自宅に帰り、
お義母さま宅から出勤するための用意をした。
(着替えを3セット荷造りし、我が家の掃除洗濯をした。)
旦那が帰宅した。
アタシは入院の一部始終と、
これから先どうするかを旦那に問いかけた。
旦那はこの入院次第だと言う。
お義母さまが、
圧迫骨折が治り、リハビリに励んで、元どうりの体調ならば、
今までどうり、1人暮らしがベストだと言う。
うん、そりゃあね。
あんなに帰るかえるとうるさいお義母さまだもの、
病院を退院して、
そのまま何がしかの施設に無理やり入所させたら、
そりゃしばらく波乱だろうねぇ。
でもなぁ、
お義母さまは坂道を転がるようには悪化しない認知症だけれど、
いつまでモツのか、わかんないわよぅ?
モたなくなって慌てふためいても、
アタシ知らないよ?
あんた仕事を辞めて、お義母さまと同居で介護するのかい?
アタシにしろってこと?
できなくはないんだろうけど、
お義母さまのために生きるような状況は、
アタシは望んでないわぁ。
仕事も楽しいし。
(ここいらへんの本音は、まずまず旦那に告げた。)
旦那と話す前に、
アタシはケアマネに、
これをきっかけに、
お義母さまには、何がしかの施設入所がよいのではないかと相談した。
ケアマネは、
老健か、グループホームか、認知症対応の病院などの道を教えてくれた。
そして、犬を、ダメもとで、飼ってくれる人がいないかどうか、聞いておきます、と言っていた。
アタシは旦那に犬をもらってもらう話をした。
旦那は絶対ダメだって。
お義母さまの愛犬チビは、1番の功労者で、その犬を無碍に扱うなんて、オマエは冷たいやっちゃと、軽く、アタシを非難した。
アタシは言った。
「あなたが面倒を見るなら、アタシは構わないけど、
お義母さんの家だから、あちこちに糞尿したって構わないけど、
この我が家で、アタシが仕事から帰ってきて、ケージにも入れずに、犬がウンコを畳にしてたら、暴れるわ。
隣近所に響く、犬を飼ったらあかんマンションで、昼間誰もいなくて、ギャンギャンワンワン吠えてたら、アタシはイヤやわ。
そこまで全部、面倒をあなたが見れるなら、どうぞ今すぐ犬を我が家に連れてきたら?」
と言ってやった。
可愛いとか、
カワイソウとか、
そんなことだけで、都会で犬が飼えるとは、アタシは思っていない。
あの家で犬と暮らすのは、イヤではないけれど。
アタシはさらに、
「日曜に、あなたが面会に行ったら、お義母さんに言って。
『いつもsioeちゃんsioeちゃんて嫁を大切にしてるけど、
病院でキチンと治療もせず、リハビリもがんばらんかったら、1人でトイレに行けないようになるねんで。
そのオシメを替えるのは誰や?
sioeやろ。
お母さんは、sioeにオシメ替えさせたいねんな?』
って聞いてきてや。」
と言っておいた。
まあお義母さまにどこまで伝わるかはわからない。
でも、人にオシメを替えさすことが恥ずかしいという人としての気概があるなら、
お義母さま、
クソ根性出して、
治療とリハビリ、
がんばんなさいよ、
帰る帰る言わないでさ。
ま、認知症だものね、
お義母さまの魂に届くかどうかは、
神のみぞ知る。
金曜の晩、息子が我が家に帰宅して、
土曜日にお義母さまの病院での面会と、お義母さま宅で犬の面倒を見てくれた。
日曜日は旦那が面会する。
アタシは月曜の晩に泊まって、
火曜の昼間に、病院でコルセットの試着?に立ちあうことにした。
まあ良い。
家族で協力しあって乗り切るだけさ。
お風呂にも入らない、
床は犬の毛と糞尿、
そして気ままにチョコレートを食べる生活、
それが、
今の、
お義母さまのシアワセなんだろうね、
旦那よ。
あなたは、
心の底から、
それがお義母さまのためだと思うんですね?
その方針が揺るぎないのなら、
アタシはそれに従いますよ。
アタシは嫁だから。