カツラの境界線 | 奥歯にものは挟まずに

奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

あるお客様の接客をした。
そのお客様は、もちろん20代の女性だ。(アタシはウェディングドレスを貸す仕事してますからね。)

接客を始めてすぐに、営業の男性のエライ人から内線電話で、
「思い出したけど、そのお客様はカツラやねん
触れないで接客してな。」
と注意があった。

アタシは細心の注意を払ってティアラをつけた。


息子も脱毛症だからね、
それが若い女性にとって、
どんなに辛いことか、
かぶりたくてカツラにしてはいないだろう。
彼女は脱毛症かもしれないし、
抗がん剤の副作用かもしれないではないか。


接客の途中で、
バックヤードですれ違った山ザル上司が、
ニヤニヤ笑いながら、
「あのお客様、カツラやろ。
変わってるよな。」
とアタシに話しかけた。
アタシは笑顔で、
「変わってるとは思いませんけどね。」
とだけ答えた。


…ほんとこいつクソ。
幼なすぎる。
そこにどんな事情があるのか、
何も想像しない人だ。
麻央さんのハナシで同情してたじゃないのよ、アンタ。
その胸の痛みは、もっとたくさんの人に対しても感じれるものじゃないかね?
とアタシは思った。


こいつにゃ、
来世は、
もっとたくさんのことを知ってほしいものだ。
生まれかわったら、
もっと苦労せい。

んー、まあ、
今現在、
どヘマやらかして、
お客様から、
人間の未熟さを指摘されたらいいのに。
それか、自らが、人から、自分ではどうしようもないことで笑われてしまえ。
などと、アタシは思った。


人間て愚かなのは知ってるし、自分も差別も侮蔑も持っているけれど、
それを誰かれかまわずにあからさまにするのは、
スマートじゃない、品がない。
どこで線を引くかはわからないが、
茶化していいこととダメなことはあるだろうに。
こいつやっぱり山ザル。
まだ人間になりたてじゃないのか?



結論。
だから結婚できねーんだよっ。

(本人はしたいと思ってないかもしれないし、
これはアタシの、かなりの上から目線ですね、オホホw

なんちゅーか、既婚者は、結婚生活がどれほどめんどくさいか知ってる。
家族と、
思いやり、譲り、ケンカし、仲直りし、憎しみが湧くときもあるし、じわっと、出汁みたいな旨味を、愛情を、味わうこともある。
結婚だけが全てじゃないが、その生活が、その何十年が、
自分をどれほど成長させてきたか、
アタシは自信があるわ。
山ザルよ、オマエは来世、もっと苦労せい。)


などと私憤を感じつつ、
まあアタシも、街ですれ違う、必死カツラおじさんを、
密かに笑うこともあるのだけれど。


人間なんてららーらららららーらー