合気道をやっていて、185センチだ。
肩幅が広い。
A8、というサイズがベストだが、
8、というサイズはそんなにない。
ウチの店のスーツ300着くらいのうち、彼にピッタリのサイズのスーツは、その時、5着くらいしかなかった。
そこでアタシはAB7、というサイズを彼に進めた。
そのAB7というサイズでも、5着くらいしかなく、
彼はライトグレーのものが希望だという。
ぎゃー。
このままでは売り逃す。
アタシは接客を店長に代わってもらった。
店長は、
AB7の、ライトグレーのスーツを売った。
AB7のそのスーツは、ズボンにタックがあり、若い精悍なその男性には、ちょっと残念だったけれど。
(同じサイズのスーツでも、若者向けとおっさん向けでは、ゆとり感がだいぶ違うのよ。
彼はおっさん向けを買った。
肩は収まったが、胴はぶかぶかよ。
まあもともとのスタイルがよろしい方なので、
それでもかっこいいけど。)
さすがよの。
店長はさすが。
店長は、彼のような体型の方には、合うサイズが少ないことを説明して、納得してもらって、
上手に売り上げた。
アタシの美意識の声が聞こえてくる。
その男性に、
それを買わなくていいんじゃない?
と、
アタシの美意識の声が、
アタシに訴えかけてくるのだ。
その男性はとにかくスーツが必要だったのだろうけど。
アタシがその男性の親なら、
あんたもうちょっと探し、他の店も見てからにしな、
と言っていることだろう。
アタシが売り上げをつくれないのは、
この、
内なる美意識の声、
を黙らせることができないからじゃないかな。
自分の価値観、
(ベストじゃないものに、3万円とか払っていいのかっ?)
これを捨てるのが、
アタシには、
けっこうな苦行だ。
自分に無理をさせない仕事がしたい。
そんなところがあるのかどうかは、ナゾだけど。
我の強い人だね、アタシは。
さて、三連休の最終日、今日もがんばろ。