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奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。


3月の土日は、フレッシャーズさんでいっぱいだ。
アタシは今日も嬉しく働いた。
お喜びの気分で溢れているのよ、スーツ屋のこの時期は。
みなさん、おめでとうございます。


18歳の、高専、に通う男の子と、
そのご両親が、来店した。
高専は、3年生で制服がなくなり、
彼は今すぐ大学に進むワケではないが、
この春に企業に一週間、研修に行くそうで、
そのためのスーツが必要なのだそうだ。

彼はラグビー部で、高専にいるあいだはラグビーを続けるとおっしゃる。
あと10キロ体重を増やしたいのだそうだ。
(ラグビー部あるある、なのよ、走れて力持ちで、筋肉ムチムチのコが強いの、活躍できるのよね。
ウチの息子は高校時代にラグビー部だから、知ってますよぅ。)

ん、この子、細身だけれど、けっこう筋肉質だわね。
ウチの若向きのスーツだと、太ももがヤバイかもなぁ。

アタシは、まずはありがちな、就活生がよく利用する、すこしゆったりした黒無地のスーツをオススメした。
いくつか試着してもらって、
彼は、
我が社が誇る、スリムなスリーピースが良いと言う。
確かにカッコイイ。
が、10キロ体重を増やしたら、着れなくなっちゃうよ。
そこで同じスーツの、胴回りが2センチほど大きくなる、背があと5センチ高い人向けのものを勧めた。
袖丈と着丈が少し長くなった。
(お直しで対応できると伝えました。)

その大きめサイズのスーツを、彼はウンと言わない。
今のジャストサイズのスーツがカッコイイ、とわかってしまったからだ。

親御さんと相談して、
結局彼は、ジャストサイズのカッコイイスーツを購入した。
親御さんは、我が子が無難な、ありがちなスーツスタイルを選ばなかったことを嘆いたが、
アタシは、
「これがいい、って自分で決められることも、とても素敵なことですよ。
自分の着るものなのに、全く興味の無いお子さんもいらっしゃるんです。
なんだか、大げさですけど、生きる力が弱いんじゃないかと、心配になってしまうようなこともあるんですよ。」
とお伝えした。


お客様に、納得してほしいな、と思う。
いちばんピッタリするものを、
いちばん自分を引き立たせてくれるものを、
なりたい自分にいちばん近づく衣類を、
予算の許す範囲で、買ってほしいなと思う。
お客様のおとしどころが見つかって、ご購入を決意されると、本当に嬉しい。


ちなみに、女性の場合は、
ピッタリしたスーツだと、3キロ太ると、着れなくなりますよ。
とアタシはお伝えしています。
(悲しい事実。)
受験で体重の変化があり、これから太りそうな人、
これから痩せそうな人は、
そこいらへん考えて、スーツを選んでくださいよ。


みなさん、
アタシはみなさんを美しく、かっこ良くするために、
誠意を尽くしているつもりです。
アハ。

売り上げ売り上げって言われなかったら、
接客は楽しいですわ。

ここでこんなことを言ってもしゃーないが、
アタシの販売員としての誇りは、
こんなところにあるのです。


えっとね、
ちょっとお高いものを買うときはね、
信頼できる販売員さんに当たるといいね。
みなさん販売員さんに、こういうライフスタイルで、こういうものを探している、って、率直に言ってしまっていいと思うよ。
そのほうがより良いものを手に入れられますよ、きっと。


アタシは、
この仕事を続けるウチは、
そうであるよう努めます。

販売員も、やらねばならぬ作業がいっぱいで、接客に時間をかけられない時もあるんだけどもね。


人間は、つきつめると、誰かの役に立つことが喜びなのかもしれない、
などと思う。


楽しく嬉しく、
納得してお買い物ができるよう、
中途ハンパな販売員のアタシですけども、
願っておりますよ。