すっとぼける嫁(つまりアタシ) | 奥歯にものは挟まずに

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認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

お義母さまから、夕方電話がかかってきました。

今日はほぼルーティーンとなった、我が家の介護?の様子をご紹介しておきます。



年末、アタシはお義母さま宅のレースのカーテンを洗いました。
ヤニで茶色くなっていたからです。
ところがこの行いは、凶と出ました。
レースのカーテンは古かったので、洗ったせいで、ところどころ、
レースの繊細なところが、破れたようになってしまったのです。
アタシはお義母さまの目の前で、このカーテンを洗い、干しているのですが、
お義母さまはこの時のことを覚えていないのです。



認知症というのは、思い込み、が全てです。



お義母さまは、
ふとカーテンが破れていることに気が付きます。
誰がやったんだ!?と、ハラがたったようです。
そしてアタシ(つまり嫁)に電話をかけてきたのです。


お義母さまの頭の中で、かすかな記憶が、どろどろに煮崩れたごった煮、を作り出します。

「あ、sioeちゃん?
あのな、カーテンが破れてるねん。
誰かが勝手に洗ってしもて、えらいことになってんねんで。
誰に注意したらええんやろか?
カーテン買うとなったら、2、30万かかるで。
ちゃんとした業者に頼まないから、弁償もしてもらわれへん。
sioeちゃんがやったんやったら、謝ってくれたら、
古いものやから自然に破れたんやな、って許したるよ。
sioeちゃんか?
違うやろ?
今日昼寝しているあいだに破れててんよ。
このカーテンは2年前に買うたやつやで。
そんな古くないねん。」
事実ではないのでツッコミどころ満載なんですけど、
ここは、それは違うよ、と言ってはいけないのです。


アタシはお義母さまの話しを、ふんふん、そりゃ困りましたね、というスタンスで聞きながら、
これは正直に本当のこと、アタシが洗ったことを言うべきか、
しらばっくれるか、
脳内で計算をはじめました。

チーン!
(昔懐かしいレジスターが開く音です。)
決めた!
しらばっくれる。


お義母さまはアタシに、すぐカーテンの状態を見に来てほしい、と言います。
アタシは、
インフルエンザで休んだから、お義母さま宅に行けるのは3日後しかないんだよ、ごめんね、と説明し、
カーテンを買って行こうか?
や、
和尚さんが来たの?
や、
誰がやったか調べてみようか?
などと、
ちょっとズラした答えを返しました。



そして、
お義母さまのごった煮バナシ、

当たらずとも遠からず、

腐りかけているようなそうでないような、

ミソなんだかクソなんだかわからない話

を、
のらりくらりと30分ほど聞きました。



結局お義母さまは、頭の中の思いをアタシに話して、
そこそこ満足されたようで、

長話をして悪かったね、
いえいえ、お義母さん、冷えたでしょ、
(電話は暖房の届かないところにある)
あったかくしてね、
と、
電話は終わりました。


一部始終を聞いていた旦那(お義母さまの嫡子)が、
アタシに、
「ごくろう。」
と言ってくれます。

アタシはニタっと笑いながら、
「お義母さん、ほんとは全部わかってて、
『この嫁、なかなか正直に白状して謝らない』って、怒ってるかもねw」
と言いました。

旦那は、
「明日になったら忘れてるやろなw」
と笑っておりましたw



認知症を舐めてかかってはいけないです。
何もわからない、と思ってはいけないと思います。
けれど、
こちら側、マトモな側のメンタルは、だんだん鍛えられ、
ある程度のことは、
うまくかわせることも増えていきます。


これで良いのか、
アタシにもよくわかりませんw
行き当たりバッタリ主義ですw


結論。
認知症患者に深く接したことのある人はきっと理解していただけると思いますが、

認知症患者に事実はあまり意味がありません。
残念ながら。

【気が済めば平和】
というアタシ作の名言?を書きしるしておきましょうw