千年も降り続かれると、間で散髪に行くわよ。

妄想理髪店で人妻理容師に「もみあげは普通ですか?」とか聞いてもらう。知ってるくせに。

リサイクルショップで欲しかったキャスター付きの回転椅子を買う。リサイクルショップの姉さんはいつも暗い。人生が重い。背中にコナキジジイを背負わされてしまっているのだろう。

雨が一時的に強くなる。地球創成期と一緒だ。アンモナイトが喜んでいる。

雨が景観を削っていく。彫刻刀のように。そのくせ音は静かだ。

耳を澄まして雨の言葉を聴いてみると、もみあげは普通ですか?と言っている。

お前たちだって、知ってるくせに。

もみあげは普通ですか?

見たら分かるじゃないか。

もみあげは普通ですか? もみあげは普通ですか? もみあげは普通ですか?

ざざーーーっ。