昨日の続きです。
それでは命の値段は
どのように付けられるのでしょうか?
資料その1
「人命は地球より重い」
という言葉があります。
文字通り解釈すれば、
世界人口全ての命を保障するには、
地球が70億個以上も必要になります。
これは「人命は大変尊い」ということを
抽象的に表現した言葉で、
決して実理的なものではないことは明白です。
資料その2
皆様ご存じの故・手塚治虫氏の
マンガ作品に登場する、
黒いマント姿にツギハギ顔の
ブラック・ジャック医師は、
(彼は無免許医師で保険診療はできません)
法外な料金を代償に、様々な怪我や
難病を治療しています。
法外な料金は時には100億円にも及びます。
資料その3
10年ほど前にある生命保険会社が、
「命の値段」4000万円という試算を出しています。
資料その4
リスク分析による命の計算方法が次のサイトに載っています。
http://www2.ucatv.ne.jp/~risuku.a.sea/inoti.html
国税庁によると、2005年度の
45才男性の年収は658万円となっています。
それを基本に前記サイトで計算してみますと、
妻と子ども1人の45才男性で、
「命の値段」は5756万円と出ます。
資料その5
アメリカでは、現時点では
高齢者や低所得者のための
公的保険以外には
私的保険しかありませんから、
医療費はきわめて高額です。
アメリカで入院した場合は室料だけで
1日約2000ドル(20万円)から
3000ドル(30万円)程度の請求を受け、
例えば、急性虫垂炎で入院、
手術(1日入院)を受けた場合は、
1万ドル(100万円)以上が請求されています。
しかも地域差、病院差が大きく、
ニューヨークでは300万円となっています。
(ちなみに日本での虫垂切除術の手術代は6万4200円、
最高基準の病院の1日の入院費は1万2000円程度。
4-5日の入院で計30万円ほどです)
アメリカで医療費が高いのは、
公的保険がないことに加えて、
人件費、施設費が極めて高く、
しかも医療訴訟対策のために
保険会社に支払う保険料が
莫大だという事情があるからです。
例えば日本では一般病院の
ベッド100床に対して医師数は13人、
看護師は44人以上が施設基準ですが、
アメリカでは医師は72人、
看護師は221人にもなり、
日本の5.5倍の医師と、
5倍の看護師がいます
(1998年OECD統計)。
またアメリカでは、1970年代の初め、
医療訴訟の急増により、保険会社は
大幅な保険料の増額を行い、それまで
年4万ドルだったものが,
年20万ドルを超すことになった例も
まれではないようです。
資料その6
日本ではどうでしょう。
現在の日本の医療保険制度では、
例えば胃癌の手術の場合、大ざっぱに見積もって、
保険診療なら1月目は高々200万円の治療費です
(1年目の治療費は総計233万円です*1)。
しかも、高額療養費といって、
病院などの窓口で支払う医療費を
一定額以下にとどめる制度があり、
いくら高額でも医療費の自己負担分が
月約8万円(年齢、所得により異なる)
を越える分は、後に返還されます
(日本の医療費はアメリカの
5分の1から10分の1です)。
資料から類推すれば、
「命の値段」は300万円から100億円となります。
これでは変動幅が大き過ぎますので、
両極端を除いてみると、
およそ5000万円くらいになります。
医療過誤により死亡した場合、
訴訟での賠償額が5000万円から1億円になるのは、
これからするとおおむね妥当なものといえましょう。
「命の値段」が5000万円であるとしたら、
日本の医療保険で見積もられる
「命の値段」は、大変安いことが
お分かりかと思います。
明日に続きます。
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