将棋のように敵陣と自陣がそろって、さあ戦闘開始というのではありませんが、囲碁も、黒白の石が盤上で互いに陣型をつくりながら何らかの戦いをしているのは間違いありません。ルールの話は今はさておき、その考え方を述べよう。
それは徹底した集団戦法で、将兵の区別もありません。大きな時代の転換期であった戦国時代、多くの武将が囲碁を好んだ理由もそこにあります。
ゲームが進行すれば必ず、広い盤上の各所に自他の強弱が生まれてくるのです。「相手が強く自分が弱い所ではうまく逃げ、自分が強く相手が弱い所では強く戦う」これが最も基本的な考え方です。弱いのに無理をして強い相手に歯向かっても、ろくなことはなく、一旦は逃げて自分を補強するのです。何度各所で逃げようが全くかまわないのです。相手の弱点が見えればそこを突きます。明らかに自分の方が強い局面では、大胆に強く出ます。「強きに逆らわず、弱きをくじく」のです。
この冷徹な形勢判断が最も大切なのですが、周辺の状況もかかわり自他の強弱の関係は一手ごとに変化していきます。そこにゲームとしての面白さがあり、発想の柔軟さが問われます。
変化に対応するよう盤上に脳が引っ張り出され、これは頭の武道として精神の鍛錬にもなります。これからの厳しい時代、多くの子どもに囲碁をすすめたい。もし興味をもてば誰か身近な人に簡単なルールを教えてもらって下さい。