ネットショップの商品画像をAIで作ると、全体の構図や色味は申し分ないのに、肝心の価格表示が「¥2,980」みたいに崩れる——この経験、EC運営者なら一度はあるはずです。大きなキャッチコピーはきれいに出るのに、値札や仕様ラベルのような小さな文字がことごとく間違う。結局Photoshopで手直しする手間がかかって、「AIで時短」の意味が半減します。
この問題に対する具体的な改善が、2026年8月のブラインドテストで観測されました。
なぜ小さい文字だけ崩れるのか
現行最新のGPT Image 2(2026年4月リリース)は「推論してから描画する」設計です。プロンプトを受け取ると、まずレイアウト・テキスト配置・要素の役割を計画し、文字内容の正確性を検証してからピクセル生成に進みます。この仕組みにより、見出しサイズ(約18pt以上)のテキスト正確率は日本語・中国語・アラビア語を含めて約99%に達しています。
ところが約14pt以下になると、描画段階で1文字あたりのピクセル予算が足りなくなります。価格表記、栄養成分表、アプリの通知バッジ、地図の凡例——こうした小文字領域で、画数の多い漢字が潰れたり、半角数字が反転したり、濁点が消えたりするのです。計画段階では正しい文字を把握しているのに、描き出す段階で精度が落ちる構造的な限界でした。
Arenaブラインドテストで見えた変化
Artificial Analysis Arenaは匿名モデル同士の出力を並べ、ユーザーが好みの方に投票する盲検プラットフォームです。2026年8月9日にmona-lisa-1、8月20日にluna-lisa-alphaという2つのチェックポイントが登場し、GPT Image 2.5世代と目される性能を示しました。
EC関連プロンプトでのテスト報告をまとめると:
価格表記の精度向上。 「¥1,580(税込)」のような通貨記号+カンマ区切り+括弧注記の組み合わせで、Image 2では15〜20%程度の確率で数字反転や記号変形が起きていたところ、luna-lisa-alphaでは複数テスターが正確な出力を確認。
UIボタンのラベル維持。 「カートに入れる」「今すぐ購入」といった約10pt相当のボタンテキストが、画数の多い漢字でも潰れずに判読可能。
混在テキストの安定性。 日本語ブランド名+英語スペック+数字価格が1枚の画像内に共存するシーンで、フォント干渉による文字化けが解消。
別の証拠として、RedditユーザーがCodexのソースから「imageGen25」という文字列を発見しています。そこには高品質化・高速化・画像ノイズ修正への言及があり、Arenaでの観察と一致します。
テキスト以外の改善点
mona-lisa-1ではもう一つ注目すべき変化がありました。人物写真における肌の質感です。
Image 2で人物を生成すると、強いライティング下で顔の表面が均一に光る「プラスチック感」が出ることがあります。これは拡散モデル特有の鏡面反射パターンで、実際の肌が持つ毛穴構造や産毛の光の散乱とは異なります。mona-lisa-1の出力ではこの問題が改善され、肌下の色調変化や自然なグレイン(カメラセンサーの粒状ノイズ)が確認されています。
もう1点、連続編集時のノイズ蓄積問題も修正されている模様です。Image 2では同一画像を4〜5回続けて微調整すると、未変更領域にわずかなノイズが累積してグラデーション背景にざらつきが出ます。2.5世代のチェックポイントでは10回以上の連続編集でも画質が維持されるとの報告があります。
実際に試す方法
発売前のチェックポイントを直接試すことはできませんが、現行のGPT Imageモデルとの比較基準を作っておくことは可能です。gptimage25.ioはアカウント登録不要の積分制ツールで、テキスト→画像・画像→画像の両モードに対応し、最大4K出力まで対応しています。同じプロンプトで現行版を何パターンか生成しておけば、2.5が正式リリースされた際に同条件で比較できます。
積分は解像度と品質設定に応じて消費される仕組みで、標準設定なら数積分で1枚生成可能。無料枠だけでテスト用の基準画像を十分に揃えられます。
EC運営者にとっての実務的な意味
商品画像の小文字が正確に出るようになると、以下のワークフローが「AI生成→即アップロード」に短縮されます:
- 商品メイン画像:価格・スペック・プロモーションコピーを含む1枚もの
- バリエーション展開:同じベース画像からカラバリ・サイズ違いを連続編集で生成
- セール用バナー:「期間限定」「送料無料」等の条件テキストが正確に描画
- アプリストアスクリーンショット:UI要素とキャプション文字の両立
GPT Image 2がArenaテストから正式リリースまで約15日だったことを考えると、luna-lisa-alphaの登場日(8月20日)から逆算して最速9月初旬、遅くともDevDay(9月29日)までには正式版が出る可能性が高いです。プロンプトテンプレートの準備は今のうちに始めておいて損はありません。
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