昨年の私のブログより
原点に帰る意味で再掲載します。
おる書籍の中に面白いことが書かれています。
ある陳列会(展示会)の席で今の(大正時代ですよ)盆栽界で相当に名のある某二人の大家が雑木盆栽を眺めながら、その一人が「いい樹ですね」と感心した見とれていた。するともう一人の大家は興の無い顔をして「あまり面白くない樹ではありませんか」と言った。そして、その二人はその良いと見た所、悪いと見た所、それぞれの意見を述べることなく次の樹に移っていった。盆栽の陳列会でこうして各人それぞれ同じ樹に好き嫌いのある事は常に目撃することだが、特殊な研究の場合は別として、趣味者が盆栽を鑑賞するのはそれでよいので当然な事と思う。盆栽を見るのに、こうでなければいかん、と予め見方を決めてかかったり、1・2の例を悪く頭にこびりつかせて見てあるくのは、盆栽趣味を窮屈なものにするものである。すべて鑑賞する人の心は自由でありたい。
本来自然を基調とする盆栽が、理論にあてはめて作ろうとするのは無理である。理論が勝てば自然が失われる事が多い。盆栽を見るときは自分自身の目で、心のままに味わって、好いと思えばそれでよい筈である。(中略)技術会又は品評会などの出品に臨む時は別として=常に盆栽を見るには鑑賞第一、理屈第二、つまり「盆栽は楽しむものなり」という心を忘れたくないと思う。
(大正13年11月号)
この文は国風芸術盆栽の恩人 小林憲雄先生の発行された月刊「盆栽」
大正10年から昭和42年にいたって発行(518号まで)されたものです。
その当時から現在。
その当時のこよなく盆栽界を盛り上げようとされていた
小林先生の意思。現在に受け継がれているでしょうか?
「盆栽は楽しむものなり」良いお言葉ですね。
毎年このお言葉を胸に新年をスタートさせます。
皆さんも頑張って下さいね。
水墨画のほうは、まだまだ勉強しないといけません。
かなり時間がかかりそうですが、楽しいですよ!