「パンデミック」
世界的大流行のこと。
近い将来に予想される新型インフルエンザの流行現象に対して使われるコトが多い。
▼対策マニュアルを作ってはいるが・・・
いつ流行しても不思議ではないと言われる新型インフルエンザ。
特に高病原性の鳥インフルエンザであるH5N1という亜型が蔓延するのではと危惧されている。
その「もしも」に備えたマニュアル作りが各地の医療機関で進められている。
我が病院でも,遅まきながらWGが立ち上がった。
病理に与えられた課題は,病理解剖するかどうか?するとしたら具体的にどうやって?というもの。
ある意味,パンデミック状態になりヒトが多数死ぬことを想定したマニュアル。
なんともあられもない話だが,これも仕事だからしょうがない。
▼何が新型インフルエンザかわからん
ところで,新型インフルエンザといっても,実はその正体が分からない。
その候補としては高病原性鳥インフルエンザのH5N1型をはじめとして,H5N2型,H7N7型など多数ある。
そのうちの一体どれなのか?
それは流行ってみないことにはわからない。
つまり,どれにも可能性があるが,現状のままでは流行る可能性は低いということだ。
流行るためには,ヒトへ感染しやすくなる条件が必要になる。
その条件獲得のため,インフルエンザ自身の遺伝子に一連の変化が起こったとする。
そうした場合にのみ,パンデミックになると言われている。
要は,その遺伝子変化の部分があまり分かっていない。
しかし歴史が語るには,何らかの新型ウイルスが発生し蔓延するであろうことは確実だということ。
▼その怖さがわからん
今のところ一番恐れられているのが,鳥インフルエンザH5N1というもの。
WHOからH5N1型インフルエンザの発生国およびヒト発生数が発表されている。
それによると,発生国は多い順にインドネシア・ベトナム・エジプト・タイ・中国というふうになる。
これらは医療発展途上な国々と括ってしまうのはちょっと乱暴か?
多くが暖かな国というのも少し意外だ。
発症者は400名弱で,そのうちの死亡率がなんと63%ほどにのぼる。
この数字はショッキングだ。
あのSARSでさえ,死亡率は10%前後だったと記憶しているので,桁は同じだが桁違いと敢えて言いたくなる。
死亡者の平均年齢は18歳。
興味深いことに,高齢発症者の死亡数が相対的に少ない。
また,6名の妊婦発症のうち4名が死亡し,残る2名は死産したという報告もある。
これらを一見すると,高齢者は何らかの方法で免疫を自然に獲得しているのようにも見える。
反対に,H5N1型の致死率が若年者で高そうなことはとても気になるところだ。
しかし,パンデミックになるとウイルスの性格が変化するかもしれず,結局ははっきり分からない。
▼結局わからん・・・
とにかく「いつ(やってくる)?」「何が(やってくる)?」をはじめ,わからないコトがあまりに多い新型インフルエンザ。
備えあれば憂いなしだが,備える対象が分からないのが辛いところ。
正体不明な「敵」ほど,おそろしいものはない。
正体不明ゆえ,どうしても最悪のものを想定するのがヒトの常。
正しい情報を得ることが大事だろうし,なによりこの分野の研究が進むことを願って止まない。