新人技師Oさんが「薄切がつらい・・・・・」と言う。
薄切は病理技師さんの仕事であり,
パラフィン蝋に埋まった固定組織をミクロトームという装置を使ってうす~く切る作業のこと。
そのうす~く切った組織を染色して顕微鏡で覗き診断してるワケで,
言わば薄切は病理診断の「土台」。
冷やしたパラフィン組織をミクロトームにセットして,
たった4μmの薄さに切れるようにステージをコツンコツンと上げて,
メチャメチャ鋭い刃でもって一気にスパッと切ればええだけで,
誰でもできるやんと思えるが・・・・・・・・・・・・・・
それがメッチャ大変!
その理由としてはいろいろあろうが,
やっぱ薄切の向こうに喜びが見えにくいことが挙げられるだろう。
けっこううまく切れたのに,
うすく切るのは当たり前っちゅっか・・・
せっかく苦労して切ったのに,
うすく切れてないとはどういうこっちゃっていうか・・・
そんな感謝なし笑顔なし的な雰囲気があるから,
みなぎるやる気がだんだん色あせていくのか?
それとも,
「厚い!」だの「面出てない!」だの「空気入っとる!」だの「しわよっとる!」だの,
やかましいことばっか言う病理医に嫌気がさすのか?
とにかく,
百個前後を毎日切らなきゃいかんので,
食事をするように,
排泄するように,
呼吸をするように,
毎日薄切するワケで・・・・・・・・
薄切には大袈裟な「意味」などないとして,
適当な質でこなせばいいのかもしれんし,
イヤそうでなくって限りなく重要な「意味」があって,
毎日がこれ挑戦!ってな気合いでやるのもひとつだし・・・・・・・・
薄切って人生そのものに思えてくる。