ガンが隠れている.
どっかには隠れている.
胃ガンで手術になり,切り取られた胃袋の中.
探しても探しても,しかしガンは見つからない.
手術前の検査である「胃生検」では,確かにガンが出ている.
手術で取り出した胃にくっついているリンパ節にもガンが転移している.
・・・ってことは,必ず胃のどっかにはガンがいるはず!.
ぜったいに,おる!.
胃袋の中での生検が取られた場所も,内科の先生から教えてもらった.
このへんにおると思うよ・・・って,外科の先生にも教えてもらった.
(どこにいるか)わっからへんから多めに切ろうねって話し合って,
胃のほとんどを刺身のように切り刻んでたくさん標本を作ったのに,
その標本を舐めるように時間かけて検鏡したのに,
ど~~~うしても見つからん.
仕方がないので,
ここがあやしい!という場所の標本ブロックのいくつかを,
技師さんに頼んで100μm刻みに切ってもらったが,
これでもかあ~ってくらい切ってもらったが,
それでも出てこん.
最初は「ガンがない?・・・やりましょう!」って,
二つ返事で再薄切を引き受けてくれた技師さんも,
次には「えっ?まだないですか・・・」となって,
だんだん「え~,またですか・・・」とあやしくなり,
とうとう「え”~~ぢょっとお~」って濁ってきた.
今度頼んだら,
「え”か”け”ん”に”せ”~」って,
濁点にまみれてしまいそう・・・・・
どっかへ行ってしまったもんはしょうがない・・・
きっと探してほしくないんだろう.
そっとしておいてやるか.
彼には彼の生き方があるし.
そうかそうだなそうしよう・・・
・・・とは決してならん.
何が何でも見つけ出し,
どんな顔をしてるかをしかと見て,
こんな顔しとるからあちこちに転移しやがってこの野郎しょうがねえ奴,
・・・って感じにまとめないと,
収拾がつかん.
どこ行ったんじゃ~?
もうかくれんぼは終わり.
頼む!
出てきてくれ~.