まだ似合わない白衣を身にまとった若手が数人,
主任さんらしき人の先導でぞろぞろ廊下を歩いている.
清掃やゴミ収集係の業者さんあるいはメッセンジャーの助手さんもペアを組んで,
一人がもう一人に説明しながら仕事している・・・・・・
年度が替わってのこの一週間は,
新人関係のイベントや教育などでてんやわんやであったが,
その事情はすべての部門に当てはまり,
ここ数日の病理に提出されてくる検体数は少し少なめである.
当たり前だけど臨床科の方でも異動がだいぶんあったようで,
たとえば院内カンファに出席しても,
若手医師の顔ぶれが結構変わっている.
いわゆる大学の医局人事でまわっていく病院では,
トップはある程度固定されていて,
下っ端の医師がローテートしていく図式がある.
若手が変わっていくこの変化は,
ありふれた年度替わりの病院風景とも言える.
大学病院にいる医師の中堅どころというか自分と同世代のスタッフはそれほどは変わっておらず,
中堅どころによって診断や方針が決められ,
中堅どころによって手術が施行されるので,
その結果として提出される病理検体の種類や数に,
結局は大きな変化はない.
そんな中でどうしても気になってしまうことは,
大学病院を支えていたベテラン中堅医師が,
一人ずつポツリポツリと確実に抜けていくこと.
抜けていった穴は若手によって補充され,
「若輩ですが・・・」「これから頼んだよ・・・」となる.
大学病院という組織を客観的に見た場合,
若手が次から次へと育ってくる環境は好ましく,
教育機関としての本来の姿なのであるが,
一中堅医師の立場からすると,
一緒にガンバってきた同世代が去って,
だんだん減っていくという現実になるワケであって,
一抹の淋しさはある.
いつまで自分はここに居るんだろう・・・・・・?
ここに居る資格はあるんだろうか・・・・・・?
そもそも自分としてはここに居たいんだろうか・・・・・・?
そんな自問を繰り返すここ数日である.