先日、社内で不祥事があり、営業課長及びその上司が処分されました。

理由は女性の部下に対するセクハラです。


うちの会社はそれなりにご立派な会社なので、最近は表だってセクハラする輩はみかけません。

そんな中、大変分かりやすいセクハラ(女のクセに、女はこれだからダメだ、営業なら女を売りにしろ、会議には女が飲み物買ってこい、などといったベタなヤツ)だったので、呆れるを通り越して思わず失笑してしまいました。


もちろん、慇懃なセクハラ(うっかり聞き流しそうになるけど、よくよく趣旨を考えたらハラスメントじゃねーか、という大企業あるある)はいまだに横行していますが、これほど堂々とやらかすのは、うちの会社では珍しい。


まあでも、そんなの、私が会社に入った20世紀の頃は当たり前でしてね。

何せ、入社して配属初日に上司にこう言われたくらいです。


「世間ではセクハラはいかんとか言われてるけど、あれ(セクハラ)はコミュニケーションのひとつだからね。そこ、勘違いしないように


勘違いしてるのはテメーだろ


ちなみに一対一の面談ではなく、オフィスのど真ん中で言われました(周囲に女性社員もいる)。

いま思えば、一周回って清々しさすら感じます。


そんな会社でしたから、若い女性社員なんて基本社内外向け接待要員です。得意先はもちろん、社内の幹部、親会社の社員等々。

すでに定年退職しましたが、親会社で偉くなったあの人この人、リークしたら面白いことになったろうなあと妄想してみたり。


とりわけ、私が配属された九州(地元)は、当時としてもひどくてですね。昔を知る人からは、いまだに九州は下品と言われます(今はみんな更正してます、多分)。

仕事中ですらあの発言ですから、酒を飲んだらさらにひどい。飲み会は、ほぼ酒乱の集いです。

お酌の強要卑猥発言はデフォルト、触る抱きつくキスする押し倒す脱ぐ脱がすも当たり前。それがしたいからか知りませんが、場所は必ず座敷のある居酒屋でした。


これが社員旅行になればらんちき騒ぎ。あまりにひどくて、使った旅館はもちろん、会社の保養所すら出禁になりました。

罪状でいえば器物損壊不法侵入盗難痴漢……。よく警察呼ばれなかったな。


そんな中、下戸で若く女の私は、最初の二年くらいは黙って耐えてました。

が、どうして飲むとフルチンで踊る連中のために我慢しなきゃいけないのか、意味がわからなくてですね。早々に耐えることはやめました。

かといって、セクハラ反対!と、主張したわけでもありません。いまいち、社会的法的な戦いって、性に合わなくて。

前世が戦士の私がとったセクハラ対策は、間違った方向に炸裂しました。


目には目を。

歯には歯を。

セクハラにはセクハラを


はい、そうです。

自分や後輩たちにセクハラアルハラしてくる上司や先輩に対し、私から数々のセクハラをかましたのです。


「(彼氏とどんなセックスしてるか聞かれ)じゃあ○○さんは嫁とどんなプレイしてるんですか。前戯何から始めるんですか?え、まさか無し?あり得ない!」(この後、前戯の重要性について医学的な話を延々した)


「(胸おっきいよね、と言われて) ○○さんは○ん○はそこそこですけど、膨張率はどれぐらいですか?」(なぜ、デカい小さいの話には盛り上がるのに、膨張率と言葉を変えると男は黙るのだろう)


キスしたがるやつには足を突き出し、

「まずは靴なめるのが筋でしょう?おこがましい」

ホントに舐めた先輩がひとりだけいた。ホンモノだった


もちろん、怒りだすセクハラ野郎もいますよ。でもそこでめげずにやり続けるわけです。

一時の評価ダウンと嫌がらせに耐えて続けると、いつの間にかセクハラされなくなりました。

単に危険人物扱いになっただけかもしれませんが。


そもそも、真の女好きはセクハラはしません。

セクハラって 、根っこは、相手に対してマウントとりたいってことなのだと思うのです。

だから、奴らのマウントの斜め上からハラスメントしてくる女なんて、ハラスメントし甲斐がないわけです。


なので、セクハラ問題で時に男だってツラいんだ、と言われますと、はあ?と思いつつ、我が身をふりかえれば少々歯切れが悪くなる私です。

なにせこちらは確信犯ですからね、ハラスメントしようと思ってやってますからね


思えば、耐えに耐えてた会社員生活の中で、このセクハラに関してだけは、一片たりとも耐えてない、つーか、攻撃しかしてねーや。

いつか、上司へのセクハラか暴言で懲戒解雇になるんじゃないだろうかと思ったことは何度もありますが。

それでもいいからやってやる(殺ってやる、の意気込みに近い)、と思ってました。


いまは会社もお上品になったので、そういう機会はありません。

でもまだそんな男上司はいるようですから、そんな職場には是非私めを呼んでいただきたい。

全力でそいつにセクハラしますよ。


「男のくせに」

「男はこれだから」

「男なんだから」

「子供生めない雄は働くしか能がねーだろ」

「Y染色体なんてXがなきゃ精子止まり」


と、理不尽極まりないハラスメントを連発して、セクハラがどんなにつらいか、見える形で叩き込みましょう。

で、共にセクハラで社会から抹消されるのだ(やめろ)。


あ、男性諸君、↑のようなことはセクハラ野郎攻撃用のセリフであって、私は本気で思ってませんよ。


思ってませんよ、全員には。


私のやってきたことは社会も会社も変えてませんが、いた職場の若手と女性からは感謝されました。

誰も後には続きませんが(当たり前だ)。


こんなことやってても、セクハラ問題は解決しません。特に社会構造的なセクハラは。それだけは確かです。

真面目に解決に取り組む方々には頭が下がります。攻撃しか能のない私には、なかなか穏便なやり方がわかりません。

本当に根深い問題だと思います。


願わくばいまの若手世代は、こんな不毛な戦いせずとも、セクハラするアホどもから解き放たれて欲しいものです。