マジすか学園外伝・Sの遺恨 第百六十五話 GOLD・SCORPION決戦編⑪ | ガツキーブログ

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主にマジすか学園の二次創作を更新しています。48G・坂道Gが大好きで、よかったら気軽に読んでください。

どうも、ウォッチメンです。今日が金曜日だと思っていました申し訳ありません。



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三木「あ?」




飛鳥「……」






睨み合う三木と飛鳥だが、絢音が通りかかったことでその緊張感は一時的に解かれ、絢音が通り過ぎるのをつい待ってしまう。


そんな二人を横を通り過ぎた絢音は未央奈の前で立ち止まる。






未央奈「鈴木…」




絢音「堀、お前のあの速さは誰も避けることができないレベルにまで達していると思う。


それでもあの男の様に正面から受けても耐えられる奴もこの世にいくらでもいる。北野を殴ったあの男のことが許せないのはわかる。


でもあのお前はお前じゃない。私とタイマンを張った堀未央奈は、一発耐えられたとしてもすぐに切り替えてむやみやたらに攻めたりしない。


さっきのお前は私の知ってるお前じゃない。そんなお前じゃ、齋藤飛鳥を超えることも、ラッパッパを超えることもできやしない。」






敵である三木がいることもお構いなしに絢音は未央奈にそう言った。






仲間である日奈子が殴り倒された未央奈の怒りはまるで一度失敗してしまった自分のようだった。






絢音はあの時自分の力を過信し、今ならこの手で復讐できると思っていた。だが結果失敗した。殴りたい、復讐したい相手が視界に入った瞬間怒りで冷静さを欠いてしまったからだ。






三木に耐えられた後の未央奈の動きは、例え刺し違えてでも自分の拳を相手に当てようとしていた。


拮抗している状況ならその手を使うのも一つだが、明らかに三木に耐久力からして二発目を当てられたとしても三木の拳を受けたら形勢は余計に悪くなるだけだ。






絢音は未央奈に怒りで失敗してほしくない。自分の様な過ちで後悔してほしくない。口には出せないが、そんな気持ちで絢音は未央奈にそう言ったのだ。






絢音「一発耐えられて焦ったか?北野を殴り飛ばしたあいつを早く倒したいから無理にでも攻めたかったか?


いいか堀、怒りは力を上げる引き金になるが、怒りに冷静さを奪われるな。お前の喧嘩に置いての武器は何だ?それをどう生かす?正面から受けても耐えられる奴に対してどう戦う?


お前は…齋藤飛鳥とどう戦って超えるんだ?」




未央奈「……」






未央奈は自分を真っ直ぐに見る絢音の目にさっきまでの戸惑いと困惑、そして日奈子を殴り飛ばした三木に対する怒りが混ざっている状態を抱きながらも頭の中で考えた。






自分の武器、相手は強者、一発防がれたらその後どう戦うか、思考が冷静さを取り戻していく。






さっきまでの自分を越えなければこの先へは進めない。未央奈の歩む“挑戦者の道”にまた一つ高い壁が立ち塞がっていた。






その壁の正体はさっきまでの自分なのか、はたまた三木なのか、それはわからないが未央奈はこの壁を越えなければならない。






未央奈「…お前なんかに教えねぇよ。リベンジ相手に誰が教えるか。」






絢音の言葉のおかげなのか、未央奈のさっきまでの目が変わっていた。彼女の周りに纏う空気も変わり、絢音はフッと笑うと道を開けると未央奈は足を進め飛鳥の近くにまで来る。






未央奈「齋藤、こいつは私の獲物だ。どけ。」






未央奈はそう言いながら飛鳥の隣まで来る。






飛鳥「は?さっきまで意気消沈してた奴がなにを…」






そう言いながら飛鳥は冷たい目を未央奈に向けると言葉が止まった。






未央奈「頼む。私の喧嘩、見ててくれ。」






未央奈の目はさっきまでと違い、一瞬その迫力に圧されそうになるほど強くかつ大きく燃えていた。






例え自分より格上との戦いでも臆せず勝利を掴もうとする意識と気概が感じられ、飛鳥の目は冷たいモノから何かを期待するモノに変わっていった。






飛鳥「さっきみたいに助けてあげないけど良いの?」




未央奈「そんなのハナから必要ないんだよ。」






飛鳥のちょっとしたからかいも鼻で笑う未央奈。飛鳥は後ろに下がると、彼女の代わりに未央奈が三木と睨み合う。






三木「なんだ選手交代の交代か?ま、別に俺は構わねえけどな。」






未央奈の纏う空気を感じていないのか、三木は相変わらず余裕たっぷりな態度を取る。






未央奈「お前は絶対ぶっ倒す。」






絢音のおかげで怒りに呑まれずに済んではいるが、日奈子を殴った三木に対する怒りが亡くなったわけじゃない。今でも日奈子を殴り飛ばした映像が頭の中で再生される。






今すぐにでも駆け出してその顔面を殴り飛ばしたい気持ちだった。しかし“瞬速”の拳を受けても耐えられる体の頑丈さ、人一人を吹っ飛ばすそのパワーは認めざるを得ないため未央奈は思考を巡らせる。






未央奈(いかにデカハゲの攻撃を受けずにぶち込めるかだな。正面から相手の攻撃を受けてもその上で力で潰す喧嘩の仕方は、正直出会ったことあまりないな。)






未央奈は三木の戦い方を自身の経験と重ねようとするが、思い出される中で三木と似た戦い方の相手との喧嘩は経験が少ない。






三木「おらどっからでも来いよ。盛大にぶっ飛ばしてやるからよ。」




未央奈「おいデカハゲ、私は一度口にしたことは絶対覆さねぇから覚悟しとけ。」






そう言って未央奈はその場で軽くステップを踏み始める。











絢音の言葉で気持ちを切り換えることが出来た未央奈。飛鳥に真っ直ぐな言葉で説得し、再び三木と対峙することに。



次回、未央奈 対 三木のタイマンが始まる。



次回の更新は来週の金曜日です。