人は皆、ウンコをしなければ生きていけない。
ウンコは時に、抑制が効かなくし、理性をも喪失させてしまう恐ろしいものだ。
友よ。
そして、これから出会うであろう、かけがえのない私の大事な人たちよ。
これから私が言う事をよく聞いておきなさい。
私はウンコを漏らした事がある。
それは、少年だった頃、今日みたいなうだるような夏の暑い日の出来事だった。
三角ベースで遊んでいた私に突然、腹痛が襲った。
思えば、外に出る前にチューチューアイスを3本、両親が共働きである事をいいことに、己の欲求に忠実に食べまくっていたのが原因だった。
腹痛はやがて、みるみる間に、肛門への絶え間ない放出への合図へと変わっていった。
少年時代の私は団地の4階に住んでいた。
三角ベースを途中で抜け出した私は、とにかく家に戻りお手洗いに行こうと考えた。
一刻も早くこの苦しみから抜け出したい。
そんな思いから、走りたい気持ちに駆られた。
だが、体が言う事を聞かない。
走る事に神経を集中させると、肛門の括約筋が緩み、大変なことになる事は、無知な少年の私でも、理屈は知らずとも、体が危険信号として教えていたのだ。
私は、神経を括約筋のみに集中させて、一歩一歩ゆっくりと着実に階段を上っていった。
何とか4階まで上り詰め、家の扉を開けて、お手洗いへと向かった。
勝ったと思った。
お手洗いの扉の前で、そう心で呟いた。
生理的欲求に己の理性が勝ったと、今思えば感じたのかもしれない。
私は、半ズボンのベルトに手をかけた。
何でベルトが微動だにしない・・・!?
その時していたベルトは、オーソドックスな穴あきのベルトではなく、GIベルトタイプのもので、切羽詰まった少年の私は、冷静にそのメカニズムを克服する事が出来なかったのだ。
そうこうしているうちに、お手洗いに着いたという安心感は、放出欲を刺激し、とめどない残留物の流出を招いた。
その時の私に、罪悪感は無かった。
それどころか、真っ白になっていく頭の中で私は恍惚感を味わったのだった。
これぞまさに、私が知った、初めての敗北の美学であった。
私は、傷心を抱きながら、事後処理を続けていた。
真っ白だったはずのブリーフ。
黄土色というあろうはずもない異色に染まったそのブリーフをしげしげと眺めた私は、
「まるで、ロールシャハテストみたい。」
と呟くしか出来なかった。
私の大事な友人達。
そして、私のかけがえのない存在である君よ。
もし君が、私と同じような過去を持っていたとしても、私に告白する必要もないし、その悔恨を罪悪に思う事はない。
私は、そんな過去もすべて、君の優しさと一緒に、私の心の中に受け入れるつもりだ。
追伸:しかしいくら今までの硬直した雰囲気を変えたいからって
これは無いだろう。
ふぁる姉さん。
私は、渡辺淳一の存在に近づけたでしょうか?